Nuclear Fusion is the acknowledged world-leading journal specializing in fusion. The journal covers all aspects of research, theoretical and practical, relevant to controlled thermonuclear fusion.
公式サイトImpact Factor
3
Citescore
3.2
JETでの重水素-トリチウム実験が5秒間で12MW以上の核融合出力を維持し、世界記録を更新。ITERに近い条件でのJT-60SAの低誘導立ち上げ成功も特筆される。さらに、DIII-DでのスーパーHモード達成、KSTARでの30秒長時間運転、ST40での合体圧縮加熱記録更新など、トカマク運転の高性能化が進んだ。また、ELM制御や乱流輸送のモデリング研究も活発で、実験とシミュレーションの融合が進んでいる。材料分野ではW接合やHeバブル抑制、トリチウム増殖など、実炉に向けた課題解決が着実に進展した。
本研究は、W7-Xのダイバータタイル表面の元素分布をピコ秒LIBSで調べたものです。炭素・ホウ素・水素・酸素の量と深さ分布を真空中で測定し、場所による堆積層の厚さの違いや表面構造の変化を明らかにしました。プラズマと壁の相互作用の理解や、将来の核融合炉開発に役立つデータを提供します。
2026
JT-60SAで、ITERに近い低誘導電界条件でのプラズマ立ち上げ実験が行われました。本研究では、立ち上げの成功・失敗を左右する要因を系統的に調査しました。従来のオーミック電界ヌル配位(FNC)は不純物が多いと困難である一方、磁場ヌルを使わないトラップ粒子配位(TPC)では、位置制御が容易で電子サイクロトロン加熱(EC加熱)を効果的に使え、JT-60SAの初プラズマを達成しました。分光診断の結果、失敗したFNCと成功したTPCの間で破壊相の密度や温度に明確な差はなく、むしろその後の不純物燃え抜け過程が重要であることが分かりました。さらにTPCはEC加熱支援立ち上げを強化し、X2モードのみで0.7MWという低パワーでの立ち上げを可能にしました。これはITERやDEMOに役立つ成果です。
2026
BABY 1Lは、MITのLIBRAプロジェクトの一環であり、溶融塩増殖システムにおけるトリチウム増殖と放出をDT中性子照射下で検証する実験です。100mlから10倍の容量に拡大し、熱・ガス処理システムと中性子診断を改良しました。4回の照射実験で、密閉型DT中性子発生装置を使用し、トリチウムを水バブラーで捕集して液体シンチレーション計測で分析しました。実験で得たトリチウム増殖比(TBR)はOpenMCシミュレーションと非常に良く一致し、100ml実験の6倍に改善しました。トリチウム放出は630~750℃の不活性雰囲気で拡散律速ですが、ヘリウムキャリアガスに水素を加えると同位体交換機構により放出が促進されました。分析にはオープンソースのlibra-toolboxを使用。将来の液体増殖ブランケット設計に重要な知見を提供します。
2026
この研究では、将来の核融合炉の構造材料であるEUROFER97鋼におけるトリチウム保持を理解するため、重水素プラズマと重水素ガスに曝露した試料の比較を行いました。その結果、プラズマ曝露では低温での脱離ピークが一つ現れるのに対し、ガス曝露では高温にも追加のピークが見られました。シミュレーションにより、高いエネルギー障壁を持つトラップの存在が示唆され、その占有は溶質重水素濃度に依存します。また、ガス曝露後の表面再研磨によって低温ピークが減少する一方、高温ピークは変わらないことも分かりました。これらの成果は、トリチウム保持の理解と安全性向上に役立ちます。
2026
JET装置のLモードプラズマにおいて、重水素とトリチウムの次元整合パルス対を比較した実験から、トリチウムの方がエネルギー閉じ込め時間が13〜16%向上することが分かりました。この同位体スケーリングは主に電子熱輸送とプラズマ周辺部に起因します。粒子輸送には大きな同位体効果は見られませんでした。EDGE2D-EIRENEシミュレーションでは電離分布がほぼ同一でしたが、ジャイロ運動論シミュレーションでは周辺部で強いトリチウム優位の熱輸送同位体効果が確認され、実験と一致しました。これらの結果は、同位体質量スケーリングが質量に対して非線形であり、水素-重水素間よりも重水素-トリチウム間で顕著であることを示しています。
2026
ITER計画に対する欧州の貢献として、プラズマ計測や第一次壁計測を担う約8つの診断システムと、それらを収納する6つのポートプラグ、さらに炉内電気系統が開発されています。これらの設計はほぼ完了し、多くは製造段階に入っています。本論文は、これらのシステムの設計内容と、直面した技術的課題を分かりやすくまとめたものです。ITERのような大型核融合装置では、プラズマを制御し損傷を防ぐために正確な計測が不可欠です。欧州の貢献は、ITERの主要計測の約4分の1を担う重要なものです。一般読者にも、核融合研究の国際協力と計測技術の高度さを伝える内容となっています。
2026
核融合炉ITERのプラズマ対向材料は、ELMと呼ばれる現象で大きな熱負荷を受けます。この時、材料から電子が放出され、シースと呼ばれる領域の電流密度が材料の変形に影響します。本研究では、磁場中で電子放出が起こるシースから逃げる電流密度を予測する新しいモデルを提案しました。従来のモデルでは扱えなかった単調シースを対象とし、表面電場や電子放出の効果を組み合わせています。粒子シミュレーションで検証し、任意の磁場角度で使えます。
2026
この研究は、タングステン(W)製の第一壁を持つトカマク装置における長いリミターランプアップ(プラズマ立ち上げ)段階の物理を、実験とシミュレーションの両面から調査したものです。ITER運転にとって重要なこの段階を予測することの難しさを、WEST装置での3回の放電とSolEdge-HDGコードによるシミュレーションを比較することで明らかにしました。シミュレーションは中間面では密度などを再現しましたが、中心温度を過小評価しました。また、ボロン被覆の壁が急速に侵食され、その後タングステン壁に移行すると、タングステン不純物により電子温度がほぼ半分に低下することがわかりました。さらに、実験で観測されたスクレイプオフ層はシミュレーションよりずっと広く、ボロンの侵食が接触点だけでなくリミター全体に及ぶことも示されました。本研究は、ITERのランプアップ信頼性予測に必要なモデリングの課題を明らかにしています。
2026
RFX-mod2は、リバースフィールドピンチ装置RFXの2回目の大規模改造です。真空容器内に薄い銅製の安定化シェルを設置し、抵抗性壁モードの長期安定化や高速回転するティアリングモードを可能にします。NEFERTARIプロジェクトでは、イタリアの次世代復興計画(NRRP)の資金を得て、真空システムやグロー放電洗浄システム、1500チャンネルを超えるデータ収集システム、高繰り返しトムソン散乱計測、軟X線トモグラフィー、反射計測、診断中性粒子ビーム入射装置など、多くの設備と診断機器を刷新・拡張します。また、プラズマ対向材料の試験や遠隔保守、中性子検出器、光学診断、高電圧絶縁試験などを行うイタリア国内のネットワークも紹介されます。
2026
この研究は、将来のレーザー核融合炉(IFE)に必要な技術として、高速に連続注入されるターゲット(直径1mmのステンレス球)を、10Hzの繰り返しで複数のレーザービームが追跡・照射することを実証しました。EX-Fusion社の施設「XF-COLR」を用いて、ナノ秒およびフェムト秒レーザーをリアルタイム補正し、大気中で最大12時間、真空中で2.5〜3分の連続運転に成功。真空下での追跡精度は水平121〜139μm、垂直63〜121μm(標準偏差)で、センサー由来の不確かさは約157μmと推定されました。複数レーザーによる10Hzの動的追跡は世界初で、将来のIFE炉開発への重要な一歩です。
2026
本論文は、中国核融合工学試験炉(CFETR)の中心ソレノイドモデルコイル(CSMC)の性能評価について報告します。2024年に組み立てが完了し、2025年までに2回の試験が実施されました。試験では、水力特性、絶縁性能、高電圧、パッシェン試験、接合抵抗、運転電流、高速放電、交流損失、電流共有温度などが検証されました。その結果、設計値47.65 kAを超える48 kAの定常運転電流を達成し、1.5 T/sの磁場ランプレートも満たしました。これにより、CSMCがCFETRの工学的要件を満たすことが実証されました。試験データは今後のCFETR設計・開発に貴重な知見を提供します。
2026
トリチウム自給は核融合炉の重要課題です。本研究では、中国核融合工学試験炉(CFETR)のヘリウム冷却セラミック増殖ブランケットを対象に、中性子輸送計算と熱流動検証を組み合わせた多物理連成・知的核最適化コードMCINOを開発しました。シミュレーテッドアニーリングによる大域探索と局所最適化の2段階手法で、増殖材と中性子増倍材の配置を最適化し、トリチウム増殖比(TBR)を約1.193(初期比8.36%向上)に達成しました。計算コストを抑えつつ工学的成立性も確認した、効率的かつ物理的に明確な設計手法です。
2026
核融合炉の高性能化には、Hモードプラズマの外縁部(ペデスタル)における熱輸送の理解が重要です。この研究では、DIII-D装置で新しい診断装置(CXI)を用いて、ペデスタルの密度揺らぎを高精度で測定しました。その結果、マイクロティアリングモード(MTM)と呼ばれる不安定性が、間欠的に発生し、電子の熱輸送に大きな影響を与えていることを発見しました。このモードは、特定の場所に現れやすく、その位置はプラズマの特性(電子反磁性周波数)に強く依存します。この発見は、将来の核融合炉設計において、熱損失を抑えるための重要な知見となります。
2026
タングステンは核融合炉のプラズマ対向材として有力ですが、事故時に空気が入ると急速に酸化し、安全性に問題があります。既存の酸化モデルは第一原理計算から得た個別パラメータに依存し、実験結果をうまく説明できませんでした。本研究では、酸化被膜を複数の酸化物層からなる動的システムとして扱う多層界面追跡モデルを改良し、微分進化遺伝的アルゴリズムを用いて13次元のパラメータ空間を実験データに合わせて最適化しました。その結果、実験の酸化速度を正確に再現し、温度依存の酸化物相の変化も正しく予測できました。このモデルは新しい実験データを取り込んで継続的に改善可能で、核融合材料の極限環境下での性能評価に役立つ信頼性の高いツールとなります。
2026
この研究は、核融合炉のプラズマ対向部品から放出される分子の特性を分子動力学シミュレーションで調べたものです。まず、JETトカマクのベリリウムリミターの分光データと比較して手法を検証し、その手法をタングステン表面に適用しました。その結果、衝突するプラズマ粒子のエネルギーや入射角、同位体の種類、表面温度によって、放出されたタングステン分子の回転・振動状態が大きく変化することが分かりました。また、重水素の放出量や放出分子のエネルギー・角度分布も詳しく解析しました。これらの成果は、輸送コードEIRENEやERO2.0の精度向上に役立ちます。
2026
核融合炉の実現に向け、磁場で閉じ込めた高温プラズマを効率よく加熱する技術が重要です。この研究では、球状トカマクST40で2つのプラズマを合体させて圧縮する「合体/圧縮方式」を用い、磁気リコネクションという現象で発生するエネルギーがイオンと電子をどのように加熱するかを詳しく調べました。96チャンネルのイオン温度計測と30チャンネルの電子密度・温度計測によって、リコネクション下流でイオンが加熱され、電子は磁気軸付近で加熱されてピーク状の温度分布になることを発見。さらに、プラズマ電流とイオン温度を準定常に維持できることや、エネルギーの一部がイオン熱に変換されること、加熱性能の記録を大幅に更新したことも示されました。
2026
大型ヘリカル装置(LHD)の中心電子温度約4 keVのプラズマで、タングステン(W)不純物の高電荷イオンからのX線スペクトルを測定しました。Flexible Atomic Code(FAC)計算と衝突輻射モデル、ADASの電離・再結合率を組み合わせ、3.7–4.0 Åの波長域でW43+からW47+までの発光線を同定しました。W47+の3.7691 ÅはLHDで観測された最高電荷状態の線です。X線結晶分光の高い分散特性を活かし、(1)複数電荷状態の同時観測によるW荷電状態分布の時間発展のモニタリング、(2)W46+ 3.8784 Å線のドップラー幅を用いたイオン温度推定、(3)W46+ 3.8784/3.8956 Åの強度比に基づく電子温度指標(3–5 keVで感度)の3つの診断法を実証しました。これらの手法はITER級の周辺/ペデスタルプラズマ診断に直接役立ちます。
2026
核融合発電所の実現には、限られた診断機器でプラズマの状態を把握する技術が重要です。この研究では、プロファイル反射計(PR)のデータを機械学習で解析し、プラズマの閉じ込め状態を分類するモデルを開発しました。PR単独では97%の精度を達成し、既存のECE診断と組み合わせたアンサンブルモデルでは99%の精度に向上しました。これにより、原子炉環境で使える限られた診断機器でも、高精度にプラズマ状態を監視・制御できる可能性が示されました。
2026
球状トカマク(ST)は低アスペクト比のトカマクで、高ベータと高ブートストラップ電流分率を同時に実現できると期待されています。しかし、コンパクトなST炉には大型のソレノイドを設置できないため、定常運転に必要な電流を非誘導的に立ち上げる必要があります。本研究では、NSTX-Uの研究プログラムの一環として、自由境界TRANSPシミュレーションを用いて、中性粒子ビームとブートストラップ電流駆動の組み合わせによる非誘導電流ランプアップシナリオを開発しました。その結果、Lモード配置でプラズマ電流が250ミリ秒で900kAまで立ち上がり、規格化内部インダクタンス約0.45、最小安全係数2以上、わずかに逆転シアのqプロファイルを持つことが示されました。これらの放電は、次期NSTX-U実験で低ソレノイド磁束消費の堅牢なLモード基準シナリオを生成するのに適しています。
2026
この論文は、機械学習を使った予測・制御を統合するシステム「PACMAN」をDIII-Dに導入した設計と応用を紹介しています。従来の制御では難しかったプラズマ状態を実現するため、診断から最終的な作動指令まで一貫した仕組みを構築し、強化学習や予測モデルなど複数のML制御実験が成功しました。学生向けに、核融合の複雑な制御がAIでどう改善されるかを分かりやすく解説しています。
2026
この研究は、最適化されたHSXステラレーターの周辺部におけるプラズマ乱流を、世界で初めて3次元の2流体シミュレーションで再現したものです。GBSコードを大型のねじれと楕円率を持つ3D磁場に適応させました。実験(ラングミュアプローブとトムソン散乱)との比較では、時間平均の密度・電子温度・静電ポテンシャル分布が良く一致し、乱流の周波数スペクトルや空間相関も実験結果と一致しました。乱流は曲率駆動で有限ベータで発生することが分かりました。また、HSX周辺部での有効輸送係数を初めて提供しました。ただし、ゆらぎの大きさはシミュレーションが過小評価しています。この研究は、ステラレーターの境界乱流の理解と将来の予測に役立つ成果です。
2026
負三角形度(NT)は将来の核融合炉に有望な形状ですが、排熱が課題です。本研究ではTCVトカマクでダイバータの閉鎖性を高めると、外側ターゲットの冷却は促されるものの、正三角形度(PT)に比べてデタッチメントが起こりにくいことが分かりました。NTではプラズマの広がりが少なく輸送が低いためで、イオンドリフトの向きを工夫しても完全なデタッチメントには至りませんでした。
2026
JET-ILW装置での重水素(D)とトリチウム(T)の核融合実験において、Tリッチプラズマに高エネルギーのDビームを注入し、Dイオンのイオンサイクロトロン共鳴加熱(ICRH)を組み合わせることで、核融合反応が最適化されることが実証されました。これにより、14MeVの中性子生成が増大し、世界記録となる核融合エネルギーを達成。5秒間で平均12MW以上の核融合出力を維持しました。D-NBIとICRFの物理を数値モデルで解析し、その効果を明らかにしています。
2026
トカマクの周辺部(ペデスタル)の構造を予測するEPEDモデルについて、その運動論的バルーニングモード(KBM)による制約を、理想バルーニングモードの閾値を使って近似することの精度を調べた研究。低アスペクト比トカマクでは局所理想MHDとジャイロ運動論の差が大きくなる。新開発のジャイロ流体コードGFSを用いてKBM安定性境界を計算し、DIII-DやNSTXのペデスタルを再現できることを示した。さらに、高次(高n)の大域的バルーニングモードが第2安定領域へのアクセスを制限し、ペデスタルの発展に影響を与えることを発見。ELITEコードを使った規格化により、EPEDモデルの精度が向上し、DIII-Dの実験データとより良く一致することを示した。
2026
この研究では、ADITYA-Uトカマクにおける短波長イオン温度勾配(SWITG)モードの性質を、ジャイロ運動論的粒子シミュレーションを用いて調べました。磁気シアが通常の方向(単調)と逆向き(反転)の場合を比較し、反転磁気シアでは通常のITGモードの成長率は低下する一方、SWITGモードの成長率は上昇することが分かりました。これは、反転磁気シアの効果で曲率ドリフト項の寄与が増すためです。非線形計算では、反転磁気シアの方が帯状流のシア速度は小さくなりますが、全体的なイオン熱輸送はむしろ低下しました。平衡磁場のシアが輸送制御に重要であることを示しています。
2026
COMPASS Upgradeトカマクのプラズマ開始(立ち上げ)のために、真空磁場の数値モデルと最適化を行いました。電磁モデルをFIESTAで構築し、受動安定板を組み込み、YFactoryという最適化ツールで全コイルの電流波形を設計しました。フィードバックなしでプラズマを開始し、初期ランプアップまで維持できる戦略を初めて提示しました。DYONコードで様々な中性ガス充填密度を検証し、バーン・スルー時間や消費電流、構造的な応力を最小化する最適な開始条件を特定しています。さらに、トロイダル磁場コイルのスライディングジョイントの応力も評価し、電磁気的・構造的制約に整合した運転領域を示しました。
2026
2つのプラズマの塊(プラズモイド)が、ミラー磁場の軸に垂直な方向から高速で衝突・合体すると、磁場が閉じた構造を持つ高ベータ状態(FRC様)が自己組織的に形成されることを実験で示しました。この手法は、従来の軸対称な合体とは異なり、ミラーの両端を原子炉に必要な機器(ダイバータや直接エネルギー変換装置)の設置に使える可能性があります。実験では、重水素プラズモイドを毎秒約150kmに加速し、相対速度毎秒約300kmで合体させ、閉じた磁力線に伴う粒子閉じ込めの向上を示す高密度領域を観測しました。単純ミラーでの理論的な拡散時間よりも長い約130マイクロ秒の持続時間も確認されました。この結果は、ミラーとFRCのハイブリッド運転への道を開くものです。
2026
ASDEX Upgradeトカマクで見られるフラックスポンピングを、JOREKコードによる3次元MHDシミュレーションで解析しました。中心部の電流密度と安全係数が一定に保たれる現象が、圧力勾配駆動の1/1モードによるダイナモ効果で説明できることを再現。散逸係数とベータ値を変えると、フラックスポンピング、鋸歯状振動、単発クラッシュ、磁気アイランドの4状態に分岐することも発見しました。これにより、フラックスポンピングの動作条件が明らかになり、将来の核融合炉でのプラズマ制御に貢献します。
2026
トカマクプラズマで観測される測地線音響モード(GAM)のスペクトルは、変調やピーク分裂、間欠性など標準理論では説明が難しい特徴を示します。本研究では、GAMと低周波の帯状流(ZF)の結合した時間発展を記述する流体モデルを開発しました。線形近似では周波数が大きく異なる2つの固有モード(GAMとZF)が現れますが、非線形効果を入れると実験で見られるような豊かなスペクトル構造が現れ、観測と定性的に一致します。このモデルはGAMの複雑な挙動を理解する新しい枠組みを与え、乱流輸送や閉じ込め改善の研究に役立ちます。
2026
EASTの3次元外部磁場摂動に対するプラズマ応答を、深層学習でリアルタイム監視・最適化する枠組みを提案。FNN、CNN-LSTM、iTransformerの3モデルを比較し、iTransformerが最良の性能を示した。iTransformerは133,157の実験サンプルと4回対称位相拡張で学習し、RMPコイルと電磁気センサーからプラズマ応答への非線形写像を直接獲得できる。推論が高速で、柔軟な3D磁場下でのリアルタイム応答監視が可能。さらに12,080のフィルタリング済みデータで物理特徴量ベースのiTransformerを学習し、SHAP分析と組み合わせて応答振幅の主要パラメータ依存性を解釈、実験最適化に直接役立てる。誤差磁場ロックモードやELMの能動制御への応用が期待される。
2026
球状トカマク核融合炉では、2つのプラズマを合体させて磁気リコネクションで加熱する手法が有望です。このとき、プラズマ電流の向きが重要で、合体中に逆向きの電流が発生します。本研究では、UTST装置で実験し、合体中に電場が形成され、その電場が電子の動きを制御し、最終的にプラズマの平衡を支える電流分布を作ることを明らかにしました。この発見は、核融合炉の運転方法の改善につながります。
2026
ICRF加熱トカマクプラズマをMEGAコードで減速時間スケールまで包括的にシミュレーション。少数種イオン輸送を自己無撞着に含めた。磁場が低く、共鳴層が磁気軸または内側にあるとバースティングするTAEが現れ、外側では非バースティング。バースティングではトロイダル高調波ごとに異なる周波数のモードが出現し隣接モードと空間的に重なる。非バースティングでは同一モード数で同じ周波数の単一構造を形成。少数種粒子はバースティングで共鳴層から遠いが、非バースティングでは近くに留まりICRF速度空間拡散を強く受ける。ICRFによる速度空間拡散がTAEバースティングを抑制し高エネルギー粒子ベータを維持することを示す。共鳴位置がAEダイナミクスに敏感で、制御戦略に利用可能。
2026
本論文では、将来の核融合装置での定常運転に向けて、プラズマ境界(スクレイプオフ層)の密度を能動的に制御する手法としてヘリコン波に着目。3次元の多物理シミュレーションコードTHEMISを開発し、ヘリコン波の伝搬と電力吸収を詳細に解析しました。その結果、ヘリマク装置では遅波(Trivelpiece-Gould波)と電子ランダウ減衰が支配的であること、アンテナ形状と窓の配置が結合効率を大きく左右することを発見。さらに、凹型窓とレーストラックスパイラルアンテナを組み合わせることで、従来比10倍以上の吸収効率向上を実現しました。これにより、トカマクでのSOL密度制御とRF結合強化の指針が得られます。
2026
トカマクやヘリカル型の核融合装置では、磁気島を伴うMHD不安定性がエネルギー閉じ込めを劣化させ、プラズマの急激な喪失(ディスラプション)を引き起こす可能性があります。従来、モード回転周波数の変化は、外部磁場摂動による電磁トルクとプラズマの駆動トルクの釣り合いで説明されてきました。しかし、JT-60UやLHDでの最近の実験では、回転周波数が一旦減速した後に再び加速するという特徴的な時間発展が観測されました。この振る舞いは単一のトルクバランスモデルでは説明できません。本研究は、この新たに観測された現象の特性を報告しています。
2026
核融合炉の次期装置では、プラズマ対向機器(PFC)に極めて高い熱負荷と粒子照射が長時間加わります。本論文では、WESTとAUGトカマクで行われたタングステン(W)PFCの総合的な試験を報告しています。WESTではITER級のアクティブ冷却ダイバータを2022年から4年間運転し、AUGでは専用のマニピュレータで様々な形状の試料をELMを伴うHモード放電で曝露しました。Wの損傷モード、トロイダルギャップでの溶融、逃走電子の影響を調べ、加熱・割れ・溶融に関する新たな知見を得ました。これらの結果はITERのPFC設計と運転に重要な情報を提供します。
2026
この研究は、核融合炉向けタングステン系多主元素合金(MPEA)で、ヘリウム気泡の成長がどのように抑制されるかを大規模原子シミュレーションで調べました。化学的複雑さが気泡内圧力を下げ、純タングステンで「ファズ」形成を引き起こす転位ループの打ち出しを抑えることを発見しました。その背後には、①熱力学的不均一性が欠陥エネルギーの分布を広げてループ結合を弱める、②原子サイズミスマッチによる格子歪みが転位の動きを妨げる、という2つの相乗的機構があります。さらに気泡周囲に元素の偏析が現れ、欠陥を安定化させます。これらの結果は、耐照射性合金の設計指針を与える重要な知見です。
2026
核融合炉のダイバータ材料として期待されるタングステン(W)にヘリウム(He)プラズマを照射すると、表面に「ファズ」と呼ばれる多孔質層が形成されます。本研究では、分子動力学(MD)とモンテカルロ(MC)を組み合わせたハイブリッド手法でファズ形成の初期過程を再現し、その構造がスパッタリングや水素(H)の透過・保持に与える影響を調べました。結果、ファズ層はある厚さで成長が止まること、表面から内部へのHe拡散が抑制されること、高エネルギー照射で多孔度が増すこと、平坦面よりファズ面の方が正味のスパッタ率が低いこと、He照射がファズ構造のカールを促進すること、ファズ層が内部への水素侵入を抑え表面保持を高めることを明らかにしました。
2026
DIII-DとKSTARの共同研究で、タングステン(W)プラズマ対向機器を備えた長時間パルス高性能運転を目指し、ハイブリッドシナリオをKSTARに適用しました。その結果、規格化ベータ2.4で30秒の長時間運転に成功し、4/3モードは良性で、Wの蓄積も抑制されました。しかし、熱閉じ込めはDIII-D比で25%以上低下しました。予測的なTGYRO検証により、KSTARの密度ペデスタルが高く狭いために温度ペデスタルが低くなり、閉じ込めが劣化したことが示唆されます。また、閉じ込め低下に伴い不純物蓄積が増加し、さらに閉じ込めを悪化させます。長時間の定常運転には、一貫した燃料供給と壁調整が重要で、将来の定常運転に向けたリアルタイム壁調整法を提案しています。
2026
共鳴磁気摂動(RMP)はELM制御に有効ですが、ダイバータへの粒子・熱負荷に螺旋状の縞模様を生じさせます。本研究ではKSTARのELM抑制Hモードプラズマに対し、GPEC、MARS-F、M3D-C1、JOREKの各コードで磁気フットプリントを計算し、そのサイズが2cmから14cmとモデル間で大きく異なることを示しました。EMC3-EIRENEによる熱負荷シミュレーションは、赤外線カメラの測定と比較するとピーク値または広がりを過大評価することが分かりました。最も小さいフットプリントの場合に、低入力パワー・低輸送、または高密度・高放射損失で測定と妥当な一致が得られました。これは、プラズマ応答モデルの選択がダイバータ熱負荷予測の信頼性に強く影響することを示しています。
2026
核融合炉ブランケット第一壁には、プラズマ対向材料のタングステン(W)と構造材料の鋼を接合する必要があります。しかし熱膨張差による残留応力や脆い金属間化合物の生成が問題です。本研究では、Cu-Geろう材を用いてW/CuスライスとRAFM鋼をろう付けし、強固な接合を実現しました。W/Cu界面には約10nmの体心立方構造の拡散層が形成され、Cu/鋼界面には網目状の金属組織が形成されました。接合部はすべてCu層内で破断し、最大せん断強度240MPaと良好な延性を示しました。これにより、原子レベルでの界面拡散機構や接合挙動が解明され、第一壁製造への効率的な手法が示されました。
2026
この研究は、核融合プラズマの乱流輸送を理解するため、ADITYA-Uトカマクを対象に、電磁ジャイロ運動論シミュレーションを行いました。衝突が乱流と輸送に与える影響を調べたところ、衝突により捕捉電子モードが抑えられ、イオン温度勾配モードが主要な不安定性となることが分かりました。また、磁気幾何学の非円形化と電磁効果、衝突によって輸送がそれぞれ約25%、10%、25-30%減少しました。この結果は、高衝突領域での乱流輸送の理解と予測に重要です。
2026
この研究では、核融合プラズマにおける高速イオンが引き起こすフィッシュボーン不安定性に対する、中性粒子ビーム注入とICRF波の相乗効果の影響を調査しました。コンピューターシミュレーションを用いて、相乗効果で生成される高速イオンのエネルギーや密度が高い場合、不安定性を安定化することを発見しました。ただし、プラズマの平衡状態を変える効果を考慮すると、条件によっては不安定化することもあります。これは、断熱的な効果と運動論的な効果のバランスによるものです。この研究は、将来の核融合炉でプラズマを安定に保つための重要な知見を提供します。
2026
HL-2Aトカマクの内部輸送障壁(ITB)の維持機構を、数値リープ変換コードによるジャイロ運動論シミュレーションで調べました。イオン温度勾配乱流が帯状流(ZF)を駆動し、ZFが乱流を抑える自己調整サイクルがITBを維持します。ZFの主な駆動源は乱流的イオンエネルギー流束であり、古典的なポロイダル・レイノルズ応力ではないことを発見。これはHL-2A実験と整合し、Wangら(2017)の理論を検証します。また、ECRHが捕捉電子モード(TEM)乱流への遷移を誘発し、短波長TEMはZF駆動が非効率なためITBが崩壊します。コアのイオン加熱強化で線形成長を抑えZFシアを強めればITBは回復します。ITBのライフサイクル全体像を示し、核融合プラズマのITB制御への指針を与えます。
2026
HL-2Aトカマクの周辺プラズマ乱流では、異なるスケールの揺動間でエネルギーが非線形に移動します。実験で得られたゆらぎのスペクトルをバイスペクトル解析したところ、小スケール(高周波)から大スケール(低周波)への逆エネルギーカスケード、低周波乱流の約25%が高周波へと輸送される順カスケード、そして低周波と高周波の両方から中間周波数へのカスケードという3つの経路が見つかりました。これらは乱流輸送の全体像を理解する上で重要な知見です。
2026
トカマクプラズマの周辺部では、乱流が粒子や熱の輸送を左右します。本研究では、TCVトカマクの改良された熱ヘリウムビーム診断を用い、プラズマ断面の三角形度が正と負のプラズマで周辺乱流に与える影響を調べました。三角形度のみを変えた放電を多数比較し、電子温度・密度分布とゆらぎを計測。その結果、負三角形度(NT)プラズマではスクレイプオフ層での乱流レベルが系統的に低く、輸送が抑制されることが分かりました。NT形状が乱流を抑え、高性能化に有効であることを示す新たな知見です。
2026
TGLFモデルはトカマクの乱流輸送を高速に予測できますが、数千回の評価が必要で計算コストが高くなります。ニューラルネットワークによるサロゲートは高速ですが、多くのデータが必要です。TGLF-WINNは、特徴量エンジニアリング、物理に基づく波数分解正則化、ベイズ能動学習の3つの工夫で、少ないデータで高精度を実現しました。完全なデータセットでは誤差を12.5%削減し、まばらなデータでも安定。能動学習により、わずか25%のデータで従来法の完全データ精度に匹敵します。さらに、TGLFと比べて45倍高速で、下流のフラックス整合ワークフローでも有効です。
2026
ヘリウム照射によるタングステンの劣化は核融合炉の材料課題です。この研究では、引張ひずみがヘリウムバブルの発生と成長を促進することをシミュレーションで示し、その原因として電子構造の変化やフレンケル対生成の促進を明らかにしました。また、長期的にはバブルの合体や破断、ファズ形成を早めることも分かりました。さらに、バブルが周囲にひずみを作り、それがさらにバブル成長を促す正のフィードバック機構も提案しています。
2026
核融合プラズマでは、乱流による異常輸送が閉じ込め性能を悪化させます。LHDでは、イオン温度勾配モードと抵抗性交換モードという2つの主要な乱流が存在し、その切り替わり点で乱流と輸送が最小になります。本研究では、機械学習のサポートベクターマシンと網羅的探索を用いて、この遷移条件を外部制御パラメータの線形関係として特定しました。さらに、この境界をリアルタイムで追跡するフィードバック制御を実装し、乱流が抑制された状態を維持することに成功しました。この手法は将来の核融合装置での性能最適化に貢献すると期待されます。
2026
この研究では、高速イオンと安全係数の有理面の相互作用が乱流に与える影響を、グローバル非線形ジャイロ運動論シミュレーション(GENEコード)で調べました。高速イオンによる帯状流の不安定化閾値の低下が乱流抑制に非常に有効で、乱流輸送が最大90%減少する領域が形成されることを発見しました。さらに、プラズマ内部でフィッシュボーン不安定性が励起され、そのモードが作るビート駆動帯状構造が乱流をさらに抑制しますが、温度分布を平坦化する場合にはその効果が弱まります。高速イオンとフィッシュボーンが乱流輸送に及ぼす複合的な影響を明らかにした研究です。
2026
この論文では、ASDEX Upgradeプラズマにおける鋸歯状振動とフィッシュボーン振動の統合モデルが提案されています。鋸歯状サイクルの全位相をモデル化し、クラッシュ後の電流・圧力分布や回復過程をTGLFとNCLASSで計算します。しかし、TGLFは乱流輸送を過大評価するため、高速粒子効果による追加の安定化機構が必要であるとしています。クラッシュ時にはMHD駆動の異常拡散を適用し、高速粒子の再分布や回転もモデル化されます。フィッシュボーンの発生条件、誘起される径方向輸送と電場も予測されますが、それらが乱流へ与える影響は小さいと報告されています。中性粒子ビーム加熱と電子サイクロトロン加熱を用いたAUG実験で検証され、モデルの妥当性が示されています。
2026
W7-X核融合装置では、磁場のわずかな誤差が熱負荷の偏りを生じさせます。本研究では、補正コイルを用いてダイバータの熱分布を対称化し、1/1および2/2誤差磁場を補償しました。赤外線カメラとシミュレーションで効果を確認し、2/2の補償は初めての成功です。また、1/1の大きさは7年前と一致し、装置の再現性も確認できました。
2026
将来の核融合炉では、炉心性能を保ちながらダイバータへの熱負荷を下げる「ダイバータ剥離」が重要です。本研究では、KSTAR装置のHモードプラズマで窒素とネオンのガス注入を比較し、実験とシミュレーションで調べました。その結果、窒素の方がダイバータ部での放射冷却が強く、炉心への不純物混入が少ないのに対し、ネオンは炉心放射が増えてHモードが失われやすいことが分かりました。また、窒素のダイバータへの閉じ込めが良い理由も解明されました。この結果は、KSTARでは窒素がネオンより有効であることを示し、他の装置での観測とも一致します。
2026
核融合炉の実現に向けて、TCVトカマクでは新しいダイバータ構造の試験が計画されています。密閉型バッフルを備えた長脚ダイバータ(TBLLD)は、プラズマの排気能力を10倍近く向上させる可能性があります。シミュレーションにより、バッフルが中性粒子の密度を高め、プラズマのエネルギー散逸を促進することが示されました。設計は既存の診断装置と両立しつつ、シンプルな垂直構造で進められています。2026年に実験が予定されています。
2026
本稿は、学術ジャーナルの編集長が読者に向けて発信するエディトリアル(編集者からのメッセージ)です。具体的な研究成果は含まれませんが、ジャーナルの現在の状況、読者・投稿者への感謝、今後の展望や編集方針について述べられています。編集長の言葉を通じて、ジャーナルの目指す方向性や、研究コミュニティへの貢献への思いが伝えられます。学生や若手研究者にとっても、学術出版の現場の考え方を知るきっかけとなるでしょう。
2026
LHD実験で観測された高速プロトンと高速重陽子によるアルフヴェン固有モード(AE)のハイブリッドシミュレーションを実施。シミュレーションでは、高速イオンの蓄積エネルギーが定常状態に達した後のAEバースト振幅が大きくなり、高速イオン損失率が増加することが分かった。得られたAE周波数は実験とよく一致。複数の高速イオン種が存在する場合、単一種では現れない追加のAEが出現し、これにより高速プロトンと高速重陽子の両方の損失率が増加した。複数種の相乗効果が高速イオン輸送と損失を強化することを示した。
2026
DIII-Dの高ポロイダルベータプラズマにおいて、ペデスタル規格化ベータが2を超え、ペデスタル上部密度がグリーンワルド密度以上となる高圧ペデスタルを実現しました。高いベータ値により、低いトルク注入でも高密度・高圧力のペデスタルが可能です。MHDモデリングにより、実験プロファイルはピーリングモード不安定性境界付近にあることが確認されました。強いショフラノフシフト、高いα、高いエッジq、弱い/負の磁気シアがペデスタル安定性を向上させ、ピーリング・バルーニングモードの第2安定領域へのアクセスを可能にします。これにより、超Hモード様の状態を強い成形やトルク注入なしで実現できます。ペデスタル密度がグリーンワルド値を超えても圧力は増加し、理想MHD不安定性境界で巨大ELMが発生します。ELM後も高密度状態を維持します。また、内部輸送障壁との相互作用も観測されました。
2026
