破砕ペレット入射(Shattered pellet injection、shattered pellet)は、核融合・プラズマ物理学の手法。冷凍固化した重水素・ネオン等のペレットをガスガンで加速し、入射管途中の破砕管で砕いてプラズマへ入射する手法である。深い粒子侵入と大きな粒子束により大量ガス入射より効率的な放射冷却が可能で、ITER等の核融合炉におけるディスラプション緩和の有力候補とされる。この用語集が追う論文のうち、タイトルにこの主題が現れるものは64本ある。比重が最も大きかったのは2020–2024年で、その期間の論文の0.43%を占めた。直近の2025–2029年では0.38%。この用語集がこの主題を最初に拾うのは2015年以降で、それ以前の収録論文には現れない。
解説
破砕ペレット入射(Shattered Pellet Injection, SPI)は、トカマクプラズマのディスラプション(急激な閉じ込め喪失)がもたらす被害を緩和するため、低温固体ペレットを飛翔中に破砕して微細な氷片の雲としてプラズマに入射する手法である。重不純物(ネオン、アルゴン等)と重水素の混合ペレットをプラズマ中心部まで侵入させ、希釈と放射によって熱エネルギーを第一壁全体に分散させて放出させる。従来の大量ガス入射(MGI)に比べて侵入が深く不純物の同化率が高いことが各装置の実験で示され、ITERのディスラプション緩和システムの基本技術に選定されている。以下、EAST装置の入射系の全体像を示す。

fig.1 First results of Ne shattered pellet injection for mitigating plasma disruption with full metal wall in EAST tokamak (2023) · CC BY 4.0
Images of the shattered pellet injection system (a) and the shatter tube (b) in EAST; (c) the structure of the cold head in the pellet injector and the location of the heat sinks and heat wire.
図は入射システム全体(a)、真空容器内に取り付けられた屈曲した破砕管(b)、ペレット生成用コールドヘッドの構造(c)を示す。
原理
ディスラプションでは、熱相(thermal quench, TQ)でプラズマの熱エネルギーが数ミリ秒から数ミリ秒程度の短時間に局所的に放出され、その後の電流相(current quench, CQ)で電磁力、さらに相対論的「逃走電子」の生成という三つの脅威が生じる。SPIの原理は、高Z不純物をプラズマに急速に注入して電子温度を下げ、放射と希釈によって熱エネルギーを第一壁全体に広く分散させることにある。ペレットを破砕する理由は二つある。第一に、固体ペレットのまま入射すると破片の大塊が局所的な熱負荷や擾乱の源となるため、第二に、破砕によって表面積の大きい微細片の雲となり、プラズマとの相互作用面積が増えて同化(assimilation、注入物質のプラズマへの取り込み)が向上する。
ペレットはパイプガンと呼ばれる細管内で原位置凍結させ、高圧ヘリウムガスで加速して入射する。飛行経路上に置かれた屈曲した破砕管(シャッターチューブ)内で管壁に衝突させて破砕し、破片のスプレーとして真空容器内へ入射する。破砕片のサイズはペレット速度に強い逆相関を持ち、速いペレットほど細かく砕ける。破砕片の雲は入射点から磁力線に沿って主に平行方向に広がるため、放射は入射点周囲にトーラス方向に偏る。この放射の非対称性は、入射点の放射をトーラス平均で割ったトロイダル・ピーキング係数(TPF)で評価され、JET実験では電流相前で平均1.6–1.9、放射ピーク時で2.0–2.6が報告されている。
MGIとの比較はSPIの利点を明確に示している。J-TEXTでのアルゴン入射の比較では、MGIの冷たいフロントがq=2面で止まるのに対し、SPIではq=1面まで到達し、核心部の密度上昇も大きい。すなわちSPIは不純物をプラズマ中心まで深く運べるため、同じ注入量でもより多くの熱エネルギーを放射できる。ペレット速度を変えることでTQとCQの進行を制御でき、適度な速度域では同化率が向上することも示されている。
入射器技術:ペレットの生成・加速・破砕
SPI入射器の核心は、パイプガンによるペレット原位置凍結、高圧ガスによる加速、破砕管による制御破砕の三段階からなる。ペレットは細管内で冷却して管壁に氷結させ、パンチ機構やバルブで管から分離した後、推進ガスで加速する。J-TEXTの系では150–300 m/s、より大型の系ではさらに高速での入射が行われる。ペレット組成は重水素(D₂)、ネオン、アルゴン、あるいはNe/D混合など自由度が高く、ORNL開発の三銃身(スリーバレル)設計では銃身を使い分けることでペレットサイズと組成を選択できる。複数の銃身を一つの入射ラインに集束するファネルや、ポンプ領域をまたぐ導管の性能も衝突試験で評価されている。
破砕管は真空容器内に取り付けられた屈曲したステンレス管で、JETでは垂直、KSTARでは水平に取り付けられ、破砕プルームをプラズマ磁軸に向けている。破砕片のサイズ分布がペレット速度に依存するため、速度選択は破砕片の細かさ、ひいては同化と侵入の制御手段となる。推進ガスバルブの応答特性など入射器の信頼性を支える要素技術の開発・試験も進められており、ITER向けには大径ペレットの加速と破砕の再現性が課題となっている。
熱相緩和、同化と放射の非対称性
SPI入射後、破片の到達からTQ開始までの時間(pre-TQ時間)は緩和設計の鍵となる。JETの重水素ペレット入射では数十ミリ秒のpre-TQ時間が得られたが、わずか1%のネオン混合でpre-TQ時間が一桁短縮された。これはネオンの強い放射が冷却を加速し、早期にTQを誘発するためである。この性質を利用したのが段階入射(staggered injection)方式で、まず純D₂ペレットでプラズマを冷却・密度を上げて逃走電子の種となる高温電子の生成を抑え、その後Ne/D混合ペレットで熱エネルギーを放射する。両者のタイミングは、D₂の同化と冷却に要する時間と、放射前にTQが始まるリスクのバランスで決める必要がある。
放射は入射点周囲に強く偏る。破片は磁力線に沿って平行方向に広がるため、初期の放射は入射点を通る磁束管に集中し、JETのモデル計算では混合D–Neペレットの方が純Neペレットより深く核心部に到達してトロイダル・ピーキングが緩和されることが示されている。放射の非対称性は第一壁の局所熱負荷を左右するため、AXUVアレイなどの測定で入射点周囲の放射分布を実験的に評価する研究が進められている。また、入射前に不純物シード(例えば窒素シード)された高性能プラズマでは同化やpre-TQ時間が変化することがJETで調べられており、ITER運転を想定した条件での検証が進んでいる。
数値モデルの開発も活発である。M3D-C1、NIMROD、JOREKなどのMHDコードにペレットアブレーション・電離・放射モデル(KPRAD等)を結合し、DIII-D、KSTAR、ASDEX Upgrade、JETの実験と比較することで予測能力の検証が行われている。JETのモデル計算では、ペレットがq=1面に達するまでは比較的穏やかなディスラプションであり、そこでMHD不安定化が起こることが示されている。ITERへの外挿は規模の点で大きく(JETのプラズマ体積75 m³、熱エネルギー3–4 MJに対し、ITERは830 m³、350 MJと推定)、多装置データベースに基づくエネルギー損失時間やペレット侵入のスケーリングの構築が進められている。
逃走電子プラトーの消散
ディスラプション後に残る相対論的電子の高電流ビーム(逃走電子プラトー)は、数百kAから最悪の場合MA級に達し、制御不能な終息は第一壁とコイルを損傷しうる。SPIはこのプラトーの消散にも用いられる。DIII-Dで初めて、完全にアバランシェ成長した後の逃走電子ビームのSPIによる消散が実証された。注入種による依存性は強く、純NeまたはNe主体の注入は不純物イオンとの衝突によるピッチ角散乱で電子の閉じ込めを悪化させ、電流を減衰させる。一方、重水素の注入は逆効果で、高Z不純物含有量を下げて消散を弱め、背景熱プラズマを完全に再結合させてしまう。混合注入では、全注入原子の約10%の重水素が混入するだけで消散が悪化するため、逃走電子緩和用のペレットから重水素を除くことが最適化の要点となる。
ペレットとガスの消散効果を比較すると有意な差はなく、破砕ペレットは相対論的電子によって radial 方向へ有意に侵入する前に表面が急速にアブレーションされると考えられている。それでもSPIが選ばれるのは、入射量の制御性と信頼性による。JET、DIII-D、ASDEX Upgradeでは、重水素リッチ(80%超)ペレットの入射によりMA級の逃走電子ビームを無害に終息させることが示された。終息の機構は、入射による電流減衰でエッジ安全係数が低下したところでキンク型MHD不安定が発生し、磁気カオス化によって高速電子の接する壁面積が拡大して熱流束が許容レベルまで下がるというものである。JETではエッジ安全係数が3以上でも無害な終息が観測され、中規模装置(DIII-D、ASDEX Upgrade、TCV)でのエッジ安全係数2未満という条件と異なる描像が示されている。
多点入射とITERディスラプション緩和システム
ITERのディスラプション緩和システムは複数の入射器を異なるトロイダル位置から用いる計画であり、その原型実験がDIII-Dで行われた。異なるトロイダル位置から2つのペレットを入射したところ、同時入射ではペレット同士の同化が相互に影響を受け、同量のネオンを単一ペレットで入射した場合に比べてTQ放射、CQ時間、ダイバータ熱負荷のいずれも緩和効果が低下した。これは、複数の磁束管が同時に冷却されることで全体的なMHD不安定がより早く誘発され、冷却時間が短くなってTQ終了までに同化されるネオン量が減るためと説明されている。一方、電子密度の上昇はペレット追加で約2倍に達し、その効果は両ペレットがTQ開始前に到達する場合に最大となる。入射タイミングの制御が多点入射の成否を分けることを示す結果である。
KSTARでは同一仕様の2系統をミッドプレーンのトロイダル方向180度離れた位置に設置し、同一の入射ラインと破砕管で磁軸を狙う構成として、多点入射実験と系統的なパラメータ掃引を可能にしている。EASTでは2022年にSPIシステムが導入され、全金属壁・高電子温度条件下での初期的なNe入射による緩和実験が開始されている。JET、KSTAR、EAST、J-TEXT、ASDEX Upgrade、DIII-D、HL-2Aといった装置での実験蓄積が、ITERのディスラプション緩和システム設計の信頼性を支えるデータベースを形成している。ITERでは、プラズマ体積と蓄積エネルギーの点で現有装置を大きく上回る外挿が必要であり、段階入射を含む運転シナリオの妥当性を数値モデルと多装置実験の両面から検証することが当面の中心的課題となっている。破砕ペレット入射(Shattered Pellet Injection, SPI)とは、トカマクプラズマのディスラプション(崩壊終了)がもたらす被害を緩和するため、低温固体ペレットを飛翔中に破砕して微細な氷片の雲としてプラズマに入射する手法である。重い不純物(ネオン、アルゴン等)と重水素の混合ペレットをプラズマ中心部まで侵入させ、放射と希釈によって熱エネルギーを第一壁全体に分散させて放出させる。従来の大量ガス入射(MGI)に比べて侵入が深く不純物の同化率が高いことが各装置の実験で示され、ITERのディスラプション緩和システムの基本技術に選定されている。以下、EAST装置の入射系の全体像を示す。

fig.1 First results of Ne shattered pellet injection for mitigating plasma disruption with full metal wall in EAST tokamak (2023) · CC BY 4.0
Images of the shattered pellet injection system (a) and the shatter tube (b) in EAST; (c) the structure of the cold head in the pellet injector and the location of the heat sinks and heat wire.
図は入射システム全体(a)、真空容器内に取り付けられた屈曲した破砕管(b)、ペレット生成用コールドヘッドの構造(c)を示す。
原理
ディスラプションでは、熱相(thermal quench, TQ)でプラズマの熱エネルギーが短時間に局所的に放出され、その後の電流相(current quench, CQ)で電磁力、さらに相対論的「逃走電子」の生成という三つの脅威が生じる。SPIの原理は、高Z不純物をプラズマに急速に注入して電子温度を下げ、放射と希釈によって熱エネルギーを第一壁全体に広く分散させることにある。ペレットを破砕する理由は二つある。第一に、固体ペレットのまま入射すると破片の大塊が局所的な熱負荷や擾乱の源となるためであり、第二に、破砕によって表面積の大きい微細片の雲となり、プラズマとの相互作用面積が増えて同化(assimilation、注入物質のプラズマへの取り込み)が向上するためである。
ペレットはパイプガンと呼ばれる細管内で原位置凍結させ、高圧ヘリウムガスで加速して入射する。飛行経路上に置かれた屈曲した破砕管(シャッターチューブ)内で管壁に衝突させて破砕し、破片のスプレーとして真空容器内へ入射する。破砕片のサイズはペレット速度に強い逆相関を持ち、速いペレットほど細かく砕ける。破砕片の雲は入射点から磁力線に沿って主に平行方向に広がるため、放射は入射点周囲にトーラス方向に偏る。この放射の非対称性は、入射点の放射をトーラス平均で割ったトロイダル・ピーキング係数(TPF)で評価され、JET実験では電流相前で平均1.6–1.9、放射ピーク時で2.0–2.6が報告されている。
MGIとの比較はSPIの利点を明確に示している。J-TEXTでのアルゴン入射の比較では、MGIの冷たいフロントがq=2面で止まるのに対し、SPIではq=1面まで到達し、核心部の密度上昇も大きい。すなわちSPIは不純物をプラズマ中心まで深く運べるため、同じ注入量でもより多くの熱エネルギーを放射できる。ペレット速度を変えることでTQとCQの進行を制御でき、適度な速度域では同化率が向上することも示されている。
入射器技術:ペレットの生成・加速・破砕
SPI入射器の核心は、パイプガンによるペレット原位置凍結、高圧ガスによる加速、破砕管による制御破砕の三段階からなる。ペレットは細管内で冷却して管壁に氷結させ、パンチ機構やバルブで管から分離した後、推進ガスで加速する。J-TEXTの系では150–300 m/s、より大型の系ではさらに高速での入射が行われる。ペレット組成は重水素(D₂)、ネオン、アルゴン、あるいはNe/D混合など自由度が高く、ORNL開発の三銃身(スリーバレル)設計では銃身を使い分けることでペレットサイズと組成を選択できる。複数の銃身を一つの入射ラインに集束するファネルや、ポンプ領域をまたぐ導管の性能も衝突試験で評価されている。
破砕管は真空容器内に取り付けられた屈曲したステンレス管で、JETでは垂直、KSTARでは水平に取り付けられ、破砕プルームをプラズマ磁軸に向けている。破砕片のサイズ分布がペレット速度に依存するため、速度選択は破砕片の細かさ、ひいては同化と侵入の制御手段となる。推進ガスバルブの応答特性など入射器の信頼性を支える要素技術の開発・試験も進められており、ITER向けには大径ペレットの加速と破砕の再現性が課題となっている。
熱相緩和、同化と放射の非対称性
SPI入射後、破片の到達からTQ開始までの時間(pre-TQ時間)は緩和設計の鍵となる。JETの重水素ペレット入射では数十ミリ秒のpre-TQ時間が得られたが、わずか1%のネオン混合でpre-TQ時間が一桁短縮された。これはネオンの強い放射が冷却を加速し、早期にTQを誘発するためである。この性質を利用したのが段階入射(staggered injection)方式で、まず純D₂ペレットでプラズマを冷却・密度を上げて逃走電子の種となる高温電子の生成を抑え、その後Ne/D混合ペレットで熱エネルギーを放射する。両者のタイミングは、D₂の同化と冷却に要する時間と、放射前にTQが始まるリスクのバランスで決める必要がある。
放射は入射点周囲に強く偏る。破片は磁力線に沿って平行方向に広がるため、初期の放射は入射点を通る磁束管に集中し、JETのモデル計算では混合D–Neペレットの方が純Neペレットより深く核心部に到達してトロイダル・ピーキングが緩和されることが示されている。放射の非対称性は第一壁の局所熱負荷を左右するため、AXUVアレイなどの測定で入射点周囲の放射分布を実験的に評価する研究が進められている。また、入射前に不純物シードされた高性能プラズマでは同化やpre-TQ時間が変化することがJETで調べられており、ITER運転を想定した条件での検証が進んでいる。
数値モデルの開発も活発である。M3D-C1、NIMROD、JOREKなどのMHDコードにペレットアブレーション・電離・放射モデル(KPRAD等)を結合し、DIII-D、KSTAR、ASDEX Upgrade、JETの実験と比較することで予測能力の検証が行われている。JETのモデル計算では、ペレットがq=1面に達するまでは比較的穏やかなディスラプションであり、そこでMHD不安定化が起こることが示されている。ITERへの外挿は規模の点で大きく(JETのプラズマ体積75 m³、熱エネルギー3–4 MJに対し、ITERは830 m³、350 MJと推定)、多装置データベースに基づくエネルギー損失時間やペレット侵入のスケーリングの構築が進められている。
逃走電子プラトーの消散
ディスラプション後に残る相対論的電子の高電流ビーム(逃走電子プラトー)は、数百kAから最悪の場合MA級に達し、制御不能な終息は第一壁とコイルを損傷しうる。SPIはこのプラトーの消散にも用いられる。DIII-Dで初めて、完全にアバランシェ成長した後の逃走電子ビームのSPIによる消散が実証された。注入種による依存性は強く、純NeまたはNe主体の注入は不純物イオンとの衝突によるピッチ角散乱で電子の閉じ込めを悪化させ、電流を減衰させる。一方、重水素の注入は逆効果で、高Z不純物含有量を下げて消散を弱め、背景熱プラズマを完全に再結合させてしまう。混合注入では、全注入原子の約10%の重水素が混入するだけで消散が悪化するため、逃走電子緩和用のペレットから重水素を除くことが最適化の要点となる。
ペレットとガスの消散効果を比較すると有意な差はなく、破砕ペレットは相対論的電子によって半径方向へ有意に侵入する前に表面が急速にアブレーションされると考えられている。それでもSPIが選ばれるのは、入射量の制御性と信頼性による。JET、DIII-D、ASDEX Upgradeでは、重水素リッチ(80%超)ペレットの入射によりMA級の逃走電子ビームを無害に終息させることが示された。終息の機構は、入射による電流減衰でエッジ安全係数が低下したところでキンク型MHD不安定が発生し、磁気カオス化によって高速電子の接する壁面積が拡大して熱流束が許容レベルまで下がるというものである。JETではエッジ安全係数が3以上でも無害な終息が観測され、中規模装置(DIII-D、ASDEX Upgrade、TCV)でのエッジ安全係数2未満という条件と異なる描像が示されている。
多点入射とITERディスラプション緩和システム
ITERのディスラプション緩和システムは複数の入射器を異なるトロイダル位置から用いる計画であり、その原型実験がDIII-Dで行われた。異なるトロイダル位置から2つのペレットを入射したところ、同時入射ではペレット同士の同化が相互に影響を受け、同量のネオンを単一ペレットで入射した場合に比べてTQ放射、CQ時間、ダイバータ熱負荷のいずれも緩和効果が低下した。これは、複数の磁束管が同時に冷却されることで全体的なMHD不安定がより早く誘発され、冷却時間が短くなってTQ終了までに同化されるネオン量が減るためと説明されている。一方、電子密度の上昇はペレット追加で約2倍に達し、その効果は両ペレットがTQ開始前に到達する場合に最大となる。入射タイミングの制御が多点入射の成否を分けることを示す結果である。
KSTARでは同一仕様の2系統をミッドプレーンのトロイダル方向180度離れた位置に設置し、同一の入射ラインと破砕管で磁軸を狙う構成として、多点入射実験と系統的なパラメータ掃引を可能にしている。EASTでは2022年にSPIシステムが導入され、全金属壁・高電子温度条件下での初期的なNe入射による緩和実験が開始されている。JET、KSTAR、EAST、J-TEXT、ASDEX Upgrade、DIII-D、HL-2Aといった装置での実験蓄積が、ITERのディスラプション緩和システム設計の信頼性を支えるデータベースを形成している。ITERでは、プラズマ体積と蓄積エネルギーの点で現有装置を大きく上回る外挿が必要であり、段階入射を含む運転シナリオの妥当性を数値モデルと多装置実験の両面から検証することが当面の中心的課題となっている。
この解説が根拠にした論文から
- Shattered pellet injection technology design and characterization for disruption mitigation experimentsNuclear Fusion 2019
- Dissipation of post-disruption runaway electron plateaus by shattered pellet injection in DIII-DNuclear Fusion 2018
- Injection of multiple shattered pellets for disruption mitigation in DIII-DNuclear Fusion 2019
- Comparison of disruption mitigation from shattered pellet injection with massive gas injection on J-TEXTNuclear Fusion 2021
- Design and performance of shattered pellet injection systems for JET and KSTAR disruption mitigation research in support of ITERNuclear Fusion 2021
- MHD modeling of shattered pellet injection in JETNuclear Fusion 2023
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推移
研究の変遷
2015–202664本 · 0.26%
破砕ペレット入射の実験・設計とMHD応答研究
破砕ペレット入射はこの時代に初めて出現し、ペレット入射、プラズマディスラプション、ディスラプション緩和と並んで研究されている。特にITER、KSTAR、JET、DIII-D、EASTといった装置を対象としており、DIII-Dにおける熱急冷緩和の実証、ランアウェイ電子の消散、3D非線形MHDシミュレーションによる密度増加とMHD応答の解析などが代表的である。
この記述以降に論文が追加されている
同時に語られた主題ペレット入射、プラズマディスラプション、電磁流体力学、ディスラプション緩和、逃走電子、不純物
この時代の論文から
- First demonstration of rapid shutdown using neon shattered pellet injection for thermal quench mitigation on DIII-DNuclear Fusion 2016
- Shattered pellet injection technology design and characterization for disruption mitigation experimentsNuclear Fusion 2019
- Dissipation of post-disruption runaway electron plateaus by shattered pellet injection in DIII-DNuclear Fusion 2018
- 3D non-linear MHD simulation of the MHD response and density increase as a result of shattered pellet injectionNuclear Fusion 2018
よく登場する装置
この数字の作り方
- 数え方 —
- 同じものが別の名前で書かれていてもまとめて数えている(Shattered pellet injection、shattered pellet など)。綴りが変わった時期に推移が動いて見える、ということは起きない
- 割合 —
- その時代の収録論文全体に占める比率。コーパスは1970年代より2010年代のほうが9倍大きいため、本数のままではほとんどの主題が右肩上がりに見えてしまう
- 記述 —
- その時代の論文・共起する主題・登場する装置だけを根拠にAIが書いている
- 冒頭の定義 —
- 用語そのものの説明だけは、論文40本の要旨を読ませたうえでAIの分野知識で書かせている。ここだけは収録論文に書かれていることの要約ではない
- 解説 —
- では、9本の論文(うち全文4本)と1枚の図版を読ませたうえでAIが書いている
- 範囲 —
- 収録は6誌に限られる。ここで減っていることは、分野がその取り組みをやめたことを意味しない
