宮城県仙台市 · 直近5年度22件 / 通算163件 · 1978–2026年度
直近5年度の課題の題目・キーワード・概要に登場する装置です。括弧内はその装置に言及している課題の数。
課題に登録されたキーワードの頻出順。FusionPapersの用語ページがあるものはリンクしています。
2022年度以降に期間が続いている22件。概要は研究代表者本人が科研費に登録した文章です。
代表 波多野 雄治
将来のエネルギー源として期待される核融合炉では、高融点金属であるタングステンで覆われた真空容器の内部で、水素の同位体である重水素と三重水素を反応させる。タングステンに三重水素の一部が入射すると、結晶中の格子欠陥に強く捕捉され、内部に滞留する。三重水素は希少な資源であり、かつ放射性同位体であるため、この滞留量を極力小さい値に保つ必要がある。そこで本研究では、中性子照射により格子欠陥を導入した試料を用い、捕捉されている三重水素を他の水素同位体と置換(同位体交換)することで脱離させることを試みる。小型プラズマ装置を用いた同位体交換実験と詳細な分析を通して、脱離速度を記述するモデルを構築する。
プラズマ壁相互作用 · 核融合炉材料 · タングステン · 照射損傷 · 水素同位体
KAKEN 26K00681代表 西村 涼汰
タングステンはITERや原型炉プラズマに存在する主要な不純物の1種であり、高い放射パワーが核融合反応を阻害すると考えられているため、不純物制御が重要なテーマとなっている。タングステンはイオン価数毎に異なる放射をし、中でも最外殻電子が 4f 軌道にある 20価前後の低価数イオンスペクトルは複雑な構造であるため参照可能なデータが乏しい。本研究では、低価数タングステンイオンのスペクトルの同定を行い、核融合プラズマ診断へ適用することを目的とする。
代表 吉村 渓冴
ダイバータの熱負荷を低減するために形成される非接触ダイバータにおいて、体積再結合が重要な役割を担っている。本研究ではイオン交換を起点とした分子活性化再結合(IC-MAR)に着目し、東北大学のDT-ALPHA装置を用いてIC-MARが強く進行するプラズマを生成する。プラズマパラメータの計測だけでなく、分光計測と衝突・輻射解析を組み合わせて水素原子・分子の密度計測を試みる。得られたパラメータを用いて、IC-MARプラズマ中の粒子生成・消滅バランスを定量的に明らかにする。
代表 伊藤 悟
磁場閉じ込め核融合炉において制約のない磁場配位設計を可能とする三次元形状・配置の超伝導マグネットを実現する先進構想として、組立・分解を可能とする分割型高温超伝導マグネットを提案している。申請者らは当該構想のためにREBCO高温超伝導線材・導体をインジウムを用いて接合する技術を研究開発している。本研究は、1) 接合界面金属間化合物の形成制御法確立と、界面金属間化合物が接合の電気・機械特性へ与える長期影響評価、2) REBCO高温超伝導線材内部の層間抵抗の測定法高度化、層間抵抗発生因子の解明、およびその制御・修復法の確立、を通して当該接合技術の信頼性を高め、当該構想の実現に資するものである。
核融合マグネット · 分割型マグネット · 高温超伝導 · 接合 · 界面抵抗
KAKEN 25K00980代表 加賀谷 重考
非接触プラズマ全体を網羅的に計測できる革新的な計測システムを新たに構築し, 未だ計測例がほとんどない, 非接触プラズマにおける電子・イオンのエネルギー分布形状を詳細に計測する. これにより, プラズマの非接触化と電子・イオンのエネルギー分布形状のゆがみの関連性およびその重要性を解き明かす. 得られた結果と, 非接触プラズマを対象とした流体シミュレーションコードとの比較を通し, 従来のダイバータシミュレーションモデルの検証および物理モデルの高度化を図り, ダイバータ熱制御・予測性能の発展に貢献する.
代表 波多野 雄治
核融合炉の炉心を構成する材料(タングステン)は、水素のプラズマにさらされると同時に、核融合反応で発生する高エネルギー中性子の照射を受けます。中性子の照射を受けると、結晶格子中の本来原子があるべき位置に原子が存在しない「空孔」やその集合体等の「格子欠陥」が導入され、徐々に性能が劣化していく恐れがあります。また、プラズマからタングステン中に溶け込んだ水素は、これら照射欠陥と結合することがわかっています。本研究では、世界で初めて水素が存在する環境下で中性子照射したタングステン中の格子欠陥の密度や大きさ、および水素蓄積量を詳細に調べ、核融合炉環境下での照射欠陥と水素の挙動を明らかにします。
核融合炉 · プラズマ対向材料 · タングステン · 水素同位体 · 照射損傷
KAKEN 23K22471代表 高橋 宏幸
東北大学の高周波プラズマ装置DT-ALPHAにて水素MARによる非接触プラズマを生成する.本研究では特にIC-MAR反応に着目する.電子,イオン,水素分子の振動・回転分布など,MARに関連する複数のパラメータを計測するための環境を構築する.水素MARプラズマの計測と衝突・輻射コードによる解析を通してIC-MARが強く進行するプラズマ内部の粒子生成・消滅バランスを明らかにする.高強度かつ高エネルギーの水素イオンビームを生成する環境を構築する.水素非接触プラズマに対するビーム入射実験を行い,高エネルギーイオンの衝突によってIC-MARの反応率がどのように変化するかを定量的に明らかにする.
非接触ダイバータ · 磁場閉じ込め核融合 · 分子活性化再結合 · イオン温度 · 高周波プラズマ · DT-ALPHA · Retarding field analyzer · 高エネルギーイオン
KAKEN 24K00607代表 松本 あずさ
核融合炉では水素の放射性同位体であるトリチウム(T)の漏洩防止が必要である.そのため,高温高圧配管からのT透過漏洩を抑制する技術,および炉心から取り出される使用済み材料中に溶解しているTを材料廃棄前に回収する技術を確立しなければならない.本研究では,この目的を軽水素(H)とTの同位体交換の制御により達成することを目指す.高温高圧水環境下でのT透過は,配管材料の酸化腐食によるHTガス発生や材料中に溶解しているHとHTO中のTの同位体交換を制御することで抑制する.炉心材料に関しては,機器が炉内に設置されている状態でHまたは重水素(D)プラズマに曝露し,同位体交換によりTを除去することを目指す.
核融合 · トリチウム · 同位体交換
KAKEN 24KJ1183代表 高橋 宏幸
非接触プラズマ(消えゆくプラズマ)中の電子温度は磁力線に沿って単調減少するという理解が一般的であるが、再結合フロント下流で電子温度が増加する兆候が放電形態・プラズマ診断手法・放電ガスを問わずに観測されている。このような結果は様々な装置で見られているが、そのメカニズムの理解には至っていない。再結合フロントでは熱化した電子のうち低エネルギーの電子が優先的に枯渇するため、電子エネルギー分布に歪みが生じうる。本研究は静電プローブ計測、分光計測および衝突・輻射モデルを駆使して電子エネルギー分布の歪みと消えゆくプラズマの空間構造との関わりを、特に電子温度に焦点をあてて明らかにする試みである。
磁場閉じ込め核融合 · 非接触ダイバータ · 体積再結合 · 電子エネルギー分布 · 高周波プラズマ · DT-ALPHA · 再結合プラズマ · Retarding field analyzer
KAKEN 22K18699代表 清野 智大
トカマク型核融合炉では、プラズマ中を流れる電流の生成(電流駆動)が必要不可欠である。電子サイクロトロン電流駆動(ECCD)は電流駆動手法の一つであり、ミリ波帯の高周波を入射することで電流駆動を行なう。ECCDは他手法と比較して工学的な利点を持つが、電流駆動効率が低いという課題がある。本研究では入射波による電子の速度分布関数の変形に着目し、(1)入射条件の最適化、(2)高パワー入射、および(3)複数入射波による多段階加速によって電流駆動を担う高エネルギー電子を増大させ、ECCDの電流駆動効率を改善することを目的とする。
電子サイクロトロン電流駆動 · 電流駆動効率 · 原型炉 · パラメータスキャン · 上部入射 · 速度分布関数
KAKEN 22KJ0179代表 KUMAR HARIHARA SUDHAN
The interaction of a high intensity laser with an ultra-thin (few nm thin) graphene target generates extremely energetic ions. Ions with such high energies have not been observed before in any other materials and the mechanism behind this energetic ion generating property of graphene remains unknown even with the help of conventional electromagnetic (EM) simulations. Hence, a new simulation method is proposed where atomic physics is combined with the conventional EM simulation by numerical schemes. This new method is expected to clarify the mechanism of energetic ion generation from graphene.
Laser plasmas · Laser acceleration · RPA acceleration · TNSA acceleration · Hybrid acceleration · Hybrid simulation · Molecular Dynamics · Particle-in-cell
KAKEN 22KJ0236代表 Aparicio Luis
代表 大石 鉄太郎
ITERのプラズマ中心部等高電子温度のプラズマ中に分布し放射損失の担い手になると考えられる,極めて価数の高いタングステンイオンの空間分布計測手法を確立する.具体的には,核融合科学研究所の大型ヘリカル装置LHDで極端紫外分光を用いて,高電離タングステンイオンの発光波長同定と空間分布計測を行う.電子密度及び電子温度の空間分布とタングステン不純物輸送の関係を調べ,不純物蓄積を抑制する条件を探索する.
不純物輸送 · タングステン · 極端紫外分光 · ITER · 多価イオン · プラズマ・核融合
KAKEN 20K03896代表 高橋 宏幸
本研究はプラズマプロセスやプラズマ推進の分野で広く利用されている高周波プラズマ源をダイバータプラズマ研究に応用するものである。(1)高周波プラズマに特有である単一マックスェル分布から逸脱した電子の生成、(2)波動加熱を利用する事によるイオン温度計測の容易化、および(3)体積再結合プラズマに対するイオンビームの重畳を行う事で実環境のダイバータに近い環境を実験室プラズマ内に作り出し、非接触ダイバータの構造形成過程における粒子・エネルギーバランスや体積再結合反応率に対して高エネルギーイオン衝突が及ぼす影響を実験的に調査するものである。
磁場閉じ込め核融合 · 非接触ダイバータ · 電子–イオン再結合 · 分子活性化再結合 · 高周波プラズマ · DT-ALPHA · 高エネルギーイオン · 励起水素原子
KAKEN 20H01883代表 伊藤 悟
核融合炉の巨大で複雑な超伝導マグネットの製作課題を解決する先進設計案として、組立・分解を可能とする分割型高温超伝導マグネットを提案している。本研究では、1) 強磁場・照射環境を踏まえた接合特性詳細分析、2) 強磁場用超伝導センサー製作とクエンチ検出特性影響因子の解明、3) 放射化計算に基づく分割型高温超伝導マグネット保全シナリオ検討、を通して、強磁場・照射特性を踏まえた分割型高温超伝導マグネットの建設・運用・保全シナリオの構築を行う。
核融合学 · 分割型高温超伝導マグネット · REBCO線材 · 接合抵抗 · クエンチ検出 · 照射特性 · 電磁・マグネット · 高温超伝導
KAKEN 20H01884代表 野上 修平
結晶粒微細化W合金とWフォイルラミネートの利点を融合し、さらにCr添加により耐酸化性を付与した耐酸化性結晶粒微細化W合金ラミネートの開発を実施した。開発した結晶粒微細化W合金は耐酸化性を示したものの、Cr添加により硬さが高くなっていることから、延性を調整することができないことが明らかとなった。よって、Cr添加した場合に目標達成は困難であると判断した。一方、Crの低減や製造条件の調整により特性改善の見通しが得られたとともに、高硬度かつ低延性の材料を基材として延性を有するWラミネートが実現可能であることも明らかになったため、さらなる研究を実施することで、当初目的が達成可能性あるとの見通しを得た。
タングステン · 複合材料 · 延性 · 耐酸化性 · 再結晶
KAKEN 18H01196代表 Park Minha
核融合炉で非常に高い熱流束にさらされるプラズマ対向材料機器用の材料のWはダイバータなどの主要部の材料として現在最も有力は材料として注目されている。しかし、Wは体心立方金属であることから低温での低温脆性破壊や高温での再結晶脆化によって機械的特性が劣化するという課題がある。これを改善するために高温環境や照射環境下における動的再結晶挙動や変形メカニズムに関する体系的・定量的研究は依然として不足している。本研究では、Wおよびその合金を対象に、高温・照射環境下での動的再結晶挙動を解明し、微細組織と機械的特性の定量的相関を明らかにすることで、動的再結晶に基づく変形メカニズムを解明することを目的とする。
Tungsten · Fusion reactor material · Recrystallization · Mechanical property · Deformation mechanism
KAKEN 26K17117代表 余 浩
The purpose of the research is to create a novel short-time mechanical alloying (MA) technology for the mass-production of ODS-Cu alloys. The introduction methods of Y and O and the MA time on improving the performance of the ODS-Cu will be investigated. This study focused on solving the key problem that the Cu powders are difficult to be mechanical alloyed via traditional MA methods, which can facilitate the practical application of ODS-Cu alloys as heat sink materials of the divertors of future fusion reactors.
ODS-Cu · Mass-production
KAKEN 25K07258代表 長谷川 晃
発電を目指した核融合炉の建設には、炉の長期安定運転に不可欠なプラズマからの不純物排気装置であるダイバータ用に開発されたタングステン材料の発電炉レベルの温度や、はじき出し損傷を生ずる中性子照射環境下における耐照射性のデータが不可欠である。本研究では高速実験炉の常陽を使って、常陽ではこれまでに経験のない高い温度条件範囲で10dpa程度の重照射が安全に実施可能なキャプセル設計や製作を行う。26年度以降に計画されている常陽の再稼働時には、これまでの研究で開発されてきた耐照射性が期待される新しいタングステン合金の評価を、本研究で開発・製作した照射キャプセルで行えるように準備する。
核融合炉材料 · ダイバータ材料 · タングステン材料 · 中性子照射効果 · 高速炉照射
KAKEN 24K00608代表 笠田 竜太
核融合炉に用いられるフェライト系鉄鋼材料の照射脆化耐性の向上のために、微量添加元素による析出物の強靭化という冶金学的方法論の妥当性と、析出物の強度・破壊靭性が鉄鋼材料全体の破壊靭性に及ぼす影響について、超微小試験技術を用いた析出物単体の力学特性評価と、破壊力学におけるローカルアプローチの観点から明らかにする。これまでに代表者らが超微小試験技術によって見出した鋼中炭化物単体の合金元素置換による強靭化現象を他の析出物に応用するとともに照射材に展開し、これまで未解明だった鉄鋼材料の照射脆化耐性発現機構を明らかにしようとする研究である。
低放射化フェライト鋼 · 照射硬化 · 照射脆化 · ラーベス相 · ローカルアプローチ · ナノインデンテーション · 破壊靭性 · 超微小試験技術
KAKEN 23K25849代表 嶋田 雄介
核融合炉ダイバータは耐照射性や除熱性といった機能性をもつ金属バルクをブレージング接合した構造体であるが、その界面は実機環境において高い照射および温度影響下にさらされることから、複雑な組織変化を起こすことが予想される。本研究では、将来的な材料組織学に基づいたダイバータの寿命予測への基礎とすべく、照射欠陥を導入したブレージング接合界面における熱的な組織変化の現象解明を試みる。最終的には界面における照射欠陥を伴う熱的組織変化のナノスケール追跡により異種金属接合材への照射効果を材料組織学的に追求・解明することを目的としている。
核融合材料 · 三次元組織 · 電子顕微鏡 · 界面 · 核融合炉材料 · マルチスケール組織 · その場観察 · その場加熱観察
KAKEN 20K03899代表 廣田 真
磁気流体力学(MHD)は磁場閉じ込め核融合プラズマや宇宙プラズマの巨視的なスケールの現象を理解するために広く用いられている。しかし、プラズマが真空領域と接しているような自由境界問題、あるいはプラズマ密度がほぼゼロである領域を含む問題は現実に数多く存在するが、数値計算でMHD方程式を解くのが技術的に困難とされる。本研究ではMHD方程式において無視されている微視的スケールの物理(二流体効果)を取り入れた拡張MHD方程式を解くことにより、このような真空中のプラズマの運動を適切にシミュレーションをする技法を構築する。
磁気流体力学 · 自由境界問題 · 二流体プラズマ · 数値シミュレーション
KAKEN 21K03498直近5年度の課題で研究代表者を務めている人。所属・職名は最新の課題が採択された時点の記載で、現在と異なる場合があります。
同じ課題に分担者・研究協力者として参加している機関。通算の課題数です。
出典: KAKEN 科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)。 科研費以外を財源とする研究はこの一覧に現れません。 集計の考え方は 日本の核融合 を参照してください。