重水素(Deuterium)は、核融合・プラズマ物理学の材料。原子核に陽子と中性子を各1個もつ水素の安定同位体。核融合燃料として、重水素プラズマや中性子ビーム、ペレットの形でトカマクなどの実験装置に供給される。重水素同士あるいはトリチウムとの反応で核融合出力と中性子を生む。この用語集が追う論文のうち、タイトルにこの主題が現れるものは735本ある。比重が最も大きかったのは2020–2024年で、その期間の論文の2.14%を占めた。直近の2025–2029年では1.96%。
Hydrogen isotope used as fuel.
解説
重水素(deuterium、記号 D)は、水素の原子核に中性子を一つ加えた同位体であり、質量数が 2 である点で普通の水素(プロチウム)と異なる。核融合研究において重水素は燃料の主役である。重水素と三重水素(トリチウム、T)の反応 D–T 反応は、核融合炉で最も低いプラズマ温度で高い反応断面積を与えるため、現在計画されているほぼすべての磁場閉じ込め炉および慣性核融合炉が D–T 燃料を前提に設計されている。一方で重水素は非放射性であり、トリチウムを扱えない装置では D–D 反応による模擬実験や、D–T 運転に向けた準備実験の標準的な作動ガスとして使われている。

fig.2 Demonstration of indirectly driven implosion experiments with cryogenic pure deuterium layered capsules on the Shenguang Laser Facility (2023) · CC BY 4.0
Phase contrast image of deuterium ice layer viewing from equator plane.
図は慣性核融合用の低温標的に用いられる重水素氷層の位相コントラスト像である。カプセル内壁(CH 層)の内側に形成された重水素氷層と、CH 層との界面が写っている。このように重水素は、極低温で固体の燃料層として標的に封入される形でも、また磁場閉じ込め装置にガスやペレットとして注入される形でも、核融合実験の物理的な出発点となる物質である。
重水素という核融合燃料
核融合燃料として重水素が選ばれる理由は、反応のしやすさと資源の両方にある。D–T 反応は 17.6 MeV のエネルギーを α 粒子(3.5 MeV)と中性子(14.1 MeV)に分けて放出し、その断面積は 10 keV 程度の温度で他の核融合反応より桁違いに大きい。重水素同士の D–D 反応は断面積が D–T 反応の約 100 分の 1 しかなく、放出中性子のエネルギーも数分の 1 に下がる。このため D–D 反応を主反応とする炉は実現がはるかに困難だが、逆にこの性質を利用して、D–T 燃料の代わりに純重水素燃料を用いれば放射化や中性子環境が大幅に緩和されるという利点が生まれる。実際、の間接駆動研究では、を含まない低温重水素層カプセルの圧縮実験が、D–T 点火設計の代理実験(サロゲート)として位置づけられている。D–T 反応と比べて α 加熱の寄与が分離できるため、点火失敗の要因を切り分ける診断手段にもなる。
推移
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研究の変遷
1970–198416本 · 0.65%
初期のトカマク実験と固体ターゲット
この時代の論文は、PLTトカマクやTFR 600といった装置での重水素ビーム注入とスクレープオフ層計測、固体重水素ターゲットへのレーザー吸収を扱っている。トリチウムや重水素-トリチウム反応と関連づけられ、核融合中性子生成の文脈で重水素が現れる。
よく登場する装置
この数字の作り方
- 数え方 —
- 同じものが別の名前で書かれていてもまとめて数えている。綴りが変わった時期に推移が動いて見える、ということは起きない
- 割合 —
- その時代の収録論文全体に占める比率。コーパスは1970年代より2010年代のほうが9倍大きいため、本数のままではほとんどの主題が右肩上がりに見えてしまう
- 記述 —
- その時代の論文・共起する主題・登場する装置だけを根拠にAIが書いている
- 冒頭の定義 —
- 用語そのものの説明だけは、論文120本の要旨を読ませたうえでAIの分野知識で書かせている。ここだけは収録論文に書かれていることの要約ではない
- 解説 —
- では、7本の論文(うち全文6本)と3枚の図版を読ませたうえでAIが書いている
- 範囲 —
- 収録は6誌に限られる。ここで減っていることは、分野がその取り組みをやめたことを意味しない


