新古典輸送(Neoclassical transport)は、核融合・プラズマ物理学の現象。磁場閉じ込めプラズマにおいて、衝突が磁力線に沿った速度分布のずれを緩和し、捕捉粒子のドリフト軌道のずれを通じて粒子・運動量・熱を輸送する現象である。衝突頻度によりバナナ、プラトー、Pfirsch–Schlüterの各領域に分類され、トカマクや恒星器の閉じ込め性能の基準となる。この用語集が追う論文のうち、タイトルにこの主題が現れるものは88本ある。比重が最も大きかったのは1980–1984年で、その期間の論文の0.66%を占めた。直近の2025–2029年では0.12%。
解説
新古典輸送とは、磁場閉じ込めプラズマにおいて、個々の粒子の衝突によって引き起こされる、磁面(フラックス面)を横切る輸送のことである。一様な磁場中のプラズマであれば衝突による拡散は単純な古典拡散に従うが、トーラス(環状)磁場では粒子が磁力線に沿って往復する軌道の性質が幾何学と結びつき、古典理論の予測を大きく上回る、あるいは質的に異なる輸送が生じる。この「古典理論の次」という意味で新古典と呼ばれ、トカマクでもヘリカル装置(ステラレータ)でも、プラズマの密度・温度分布や自発電流を理解するうえで基礎となる枠組みである。

fig.6 Evaluation of neoclassical transport in nearly quasi-isodynamic stellarator magnetic fields using MONKES (2025) · CC BY 4.0
Magnetic field strength B of an approximately pwO magnetic field (p = 10) for several values of wθ.
図は、最適化されたステラレータ磁場の一例として、磁面上の磁場強度 B の等高線を示したものである。縦軸が極角 θ、横軸が磁場に沿った座標で、色のついた閉じた領域が B の高い領域に対応し、その等高線の閉じ方(極方向に閉じるか、環方向に閉じるか)が新古典輸送の性質を直接左右する。以下では、この幾何学がなぜ輸送を決めるのか、という物理から順に説明する。
定義と物理的起源
環状プラズマの粒子は、磁力線に沿って動きながら、磁場強度の弱い領域で鏡像反射される「捕獲粒子」になることがある。トカマクでは磁場強度が主として環方向に変化するため、捕獲粒子はバナナ型の軌道を描き、磁面からバナナ幅と呼ばれる有限の距離だけ外れる。衝突がこの軌道を乱すことで、ラジアル方向の拡散が生じる。これが新古典輸送の基本像であり、拡散係数はバナナ幅の二乗に衝突頻度を掛けた程度の大きさになる。捕獲粒子の割合は磁場のリップル(環方向の磁場強度の変調)の平方根程度、バナナ幅は小半径に衝突頻度と磁場の比を掛けた量で決まり、高温ほど衝突が少なくバナナ幅が広がるため、輸送は必ずしも減らないのが古典理論との大きな違いである。
ステラレータでは磁場が完全に外部コイルで作られるため、磁場強度の分布が磁面上で二次元的に変化する。捕獲粒子は第二断熱不変量 J を保存しながらドリフトするが、一般的なステラレータでは J の等値面がフラックス面と交差するため、捕獲粒子は衝突がなくても短時間で装置外へ失われる。この損失は衝突が少ないほど速く進む(後述の 1/ν 領域)ため、汎用の磁場配置ではステラレータは炉候補として成立しない。これを回避するには、J ができる限りフラックス面の関数になるよう磁場を設計する必要があり、これが新古典最適化の核心である。
推移
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研究の変遷
1970–198410本 · 0.41%
理論基盤と多配位への適用
トーラス状軸対称プラズマの不純物を含む新古典輸送理論が構築され、トルサトロンやEBT、タンデムミラーなど様々な磁場配位で研究された。モンテカルロシミュレーションも導入され、重水素やトリチウムといった核融合燃料の話題と並行して扱われた。
同時に語られた主題不純物、トリチウム、定常状態、重水素-トリチウム、重水素
この時代の論文から
- Reduction of neoclassical transport in the l/ν regime in torsatronsNuclear Fusion 1984
- Monte-Carlo simulation of neoclassical transport in stellaratorsNuclear Fusion 1984
- Neoclassical transport in Elmo Bumpy Torus (EBT)Nuclear Fusion 1979
よく登場する装置
この数字の作り方
- 数え方 —
- 同じものが別の名前で書かれていてもまとめて数えている。綴りが変わった時期に推移が動いて見える、ということは起きない
- 割合 —
- その時代の収録論文全体に占める比率。コーパスは1970年代より2010年代のほうが9倍大きいため、本数のままではほとんどの主題が右肩上がりに見えてしまう
- 記述 —
- その時代の論文・共起する主題・登場する装置だけを根拠にAIが書いている
- 冒頭の定義 —
- 用語そのものの説明だけは、論文56本の要旨を読ませたうえでAIの分野知識で書かせている。ここだけは収録論文に書かれていることの要約ではない
- 解説 —
- では、6本の論文(うち全文4本)と3枚の図版を読ませたうえでAIが書いている
- 範囲 —
- 収録は6誌に限られる。ここで減っていることは、分野がその取り組みをやめたことを意味しない


