Lモード(L-mode、l-mode plasmas)は、核融合・プラズマ物理学の現象。トカマク等の磁場閉じ込め装置において、追加熱時のエネルギー閉じ込めがHモードより劣る標準的な運転状態である。周辺に輸送障壁を持たず、閉じ込め時間は加熱パワーとともに劣化する。Lモードの閉じ込めスケーリングは装置間比較やITER予測の基準となる。この用語集が追う論文のうち、タイトルにこの主題が現れるものは220本ある。比重が最も大きいのは直近の2025–2029年で、その期間に発表された論文の0.65%を占める。この用語集がこの主題を最初に拾うのは1985年以降で、それ以前の収録論文には現れない。
解説
Lモード(L-mode、low confinement mode、低閉じ込めモード)とは、トカマク磁気閉じ込めプラズマにおいて最も基本的な運転状態を指す。加熱入力を上げてもエネルギー閉じ込めが比例して向上しない、いわば「普通の」閉じ込め状態であり、プラズマ全体が乱流輸送によって支配されていることが特徴である。1982年にASDEX装置で高閉じ込め状態(Hモード)が発見された際、従来の状態と対比するために名付けられたのがこの呼び名であり、以来、LモードはHモードやIモードなど改良閉じ込め状態との比較基準として、また乱流輸送物理を研究する最も清浄な実験系として、トカマク研究の基礎的な位置を占め続けている。

fig.1 Automatic identification of tokamak plasma confinement states (L-mode, ELM-free H-mode, and ELMy H-mode) with multi-task learning neural network (2025) · CC BY 4.0
Three plasma confinement states during a pulse shot. The green part represents L-mode, the yellow part represents ELM-free H-mode, and the red part represents ELMy H-mode. During red part, the peaks in Dα and magnetic signals represent edge localized modes.
図は1回の放電で三つの閉じ込め状態が時間的に遷移するようすを示す。左端の緑色の部分がLモードで、Dα輝度と磁気信号のいずれにも目立った変動がなく、静穏な(ただし閉じ込めの劣った)状態であることが読み取れる。その後、黄色のELMなしHモード、赤のELMy Hモードへと移行し、エッジ局在モード(ELM)に伴う周期的なスパイクが現れる。Lモードにはこうしたエッジの急峻な勾配も爆発的な不安定も存在しない。
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推移
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研究の変遷
1985–199416本 · 0.29%
Hモードとの比較で確立された基準状態
LモードはHモードやエネルギー閉じ込めと並べて扱われ、ELMや密度限界、電流分布との関係が調べられた。diii-d、jet、jt-60saなどで加熱・閉じ込め特性が比較され、electron cyclotron heatingによるL-H遷移も報告されている。閉じ込め研究の基準状態としての位置づけが明確になりつつある。
よく登場する装置
この数字の作り方
- 数え方 —
- 同じものが別の名前で書かれていてもまとめて数えている(L-mode、l-mode plasmas など)。綴りが変わった時期に推移が動いて見える、ということは起きない
- 割合 —
- その時代の収録論文全体に占める比率。コーパスは1970年代より2010年代のほうが9倍大きいため、本数のままではほとんどの主題が右肩上がりに見えてしまう
- 記述 —
- その時代の論文・共起する主題・登場する装置だけを根拠にAIが書いている
- 冒頭の定義 —
- 用語そのものの説明だけは、論文120本の要旨を読ませたうえでAIの分野知識で書かせている。ここだけは収録論文に書かれていることの要約ではない
- 解説 —
- では、6本の論文(うち全文5本)と1枚の図版を読ませたうえでAIが書いている
- 範囲 —
- 収録は6誌に限られる。ここで減っていることは、分野がその取り組みをやめたことを意味しない
