三角形度(Triangularity)は、核融合・プラズマ物理学の現象。トカマクなどの磁気閉じ込め核融合装置で、プラズマのポロイダル断面の形状を特徴づける量であり、通常δで表される。断面がD字型に外側へ張り出すほど正、内側へ窪むほど負となり、閉じ込め性能・MHD安定性・周辺プラズマ輸送に大きな影響を与える。この用語集が追う論文のうち、タイトルにこの主題が現れるものは137本ある。比重が最も大きいのは直近の2025–2029年で、その期間に発表された論文の0.77%を占める。この用語集がこの主題を最初に拾うのは1990年以降で、それ以前の収録論文には現れない。
Plasma shape parameter; negative triangularity is a separate concept.
解説
トカマクの三角形度(triangularity、記号 δ)とは、プラズマ断面の「D字型」の歪みの度合いと向きを表す形状パラメータである。断面を真円からどれだけ三角形に近づけたかを測り、D字の膨らみがトーラス外側を向く従来型の形状を正の三角形度(positive triangularity、PT)、逆向きに反転させた「逆D字型」を負の三角形度(negative triangularity、NT)と呼ぶ。δ は、プラズマ断面の最大半径位置と磁気軸の半径位置の差を小半径で規格化した量として定義され、D字型では正、逆D字型では負の値をとる。近年、負の三角形度がプラズマの微視的乱流を弱め、Hモードに頼らずに高い閉じ込め性能を得られる可能性があることが実験と理論の両面から示され、炉設計の選択肢として注目を集めている。
定義と形状
トカマクは軸対称装置であり、磁気面の小断面(ポロイダル断面)の形を極場磁場コイルで自由に制御できる。最も一般的なのは「D字型」(dee shape)で、断面の膨らみがトーラス軸の外側を向く。この形状はプラズマ電流と圧力を円断面より高く安定に流せるうえ、トロイダル磁場コイルへの電磁力も最小化できるため、ITER や SPARC をはじめとする次世代装置はすべてこの形状を採用している。三角形度はこの D 字の「尖り」を定量化する指標であり、正の値は通常の D 字、負の値は凸部を内側に向けた逆 D 字(reversed-dee)に対応する。

fig.1 Power handling in a highly-radiative negative triangularity pilot plant (2024) · CC BY 4.0
Comparison of an example positive vs. negative triangularity plasma. Negative triangularity moves the divertor to a larger major radius.
図は同じプラズマを正の三角形度と負の三角形度で並べて比較したものである。左側の正の三角形度では D 字の膨らみが外側を向き、右側の負の三角形度では逆 D 字となり、とがより大きな大半径側へ移動している。図中の R^PT_div と R^NT_div が示すように、負の三角形度では排熱領域が外側に置かれることが、この形状の重要な幾何学的特徴となっている。
推移
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研究の変遷
1985–19941本 · 0.02%
理想MHD安定性における形状パラメータとしての出現
この時代、三角形度は理想MHDベータ限界に対する形状・圧力分布の影響を調べる単独の論文に現れるにすぎない。MagnetohydrodynamicsやIdeal MHDと並んで論じられ、トカマク配位の安定性指標の一つとして扱われている。
この時代の論文から
- Influence of triangularity and plasma profiles on ideal MHD beta limitsNuclear Fusion 1990
1995–200411本 · 0.11%
Hモード周辺部とELM研究における重要なパラメータへ
JETやASDEX UpgradeにおけるELMy H-mode放電の周辺部密度、閉じ込め、密度限界、プロファイル剛性に対する三角形度の影響が系統的に調べられた。Edge localized modeやH-mode、Pedestal、MHD stabilityと並んで現れ、JT-60Uの高三角形度放電での巨大ELM消失とgrassy ELM出現も報告されている。三角形度は閉じ込め性能とELM挙動を結ぶ制御変数として位置づけられる。
よく登場する装置
この数字の作り方
- 数え方 —
- 同じものが別の名前で書かれていてもまとめて数えている。綴りが変わった時期に推移が動いて見える、ということは起きない
- 割合 —
- その時代の収録論文全体に占める比率。コーパスは1970年代より2010年代のほうが9倍大きいため、本数のままではほとんどの主題が右肩上がりに見えてしまう
- 記述 —
- その時代の論文・共起する主題・登場する装置だけを根拠にAIが書いている
- 冒頭の定義 —
- 用語そのものの説明だけは、論文117本の要旨を読ませたうえでAIの分野知識で書かせている。ここだけは収録論文に書かれていることの要約ではない
- 解説 —
- では、8本の論文(うち全文7本)と1枚の図版を読ませたうえでAIが書いている
- 範囲 —
- 収録は6誌に限られる。ここで減っていることは、分野がその取り組みをやめたことを意味しない
