トロイダル磁場コイル(Toroidal field coils)は、核融合・プラズマ物理学の工学。トーラス状のプラズマ閉じ込め装置においてトロイダル磁場を生成する電磁石コイルであり、トカマクやヘリカル装置の主磁場を担う。通常は装置の周方向に沿ってD型などで配置され、プラズマの安定閉じ込めに必須である。この用語集が追う論文のうち、タイトルにこの主題が現れるものは35本ある。比重が最も大きかったのは1970–1974年で、その期間の論文の0.36%を占めた。直近の2025–2029年では0.02%。
解説
トロイダル磁場コイル(toroidal field coils、略してTFコイル)は、トカマクやヘリカル装置などの環状磁気閉鎖装置において、プラズマを周回する方向(トロイダル方向)の磁場を発生させる主磁場コイルである。プラズマ中の荷電粒子は磁力線に沿ってラーマー運動をするため、トロイダル方向の強い磁場はプラズマを環状に閉じ込めるための基礎となる。コイル電流とプラズマ電流の合力として働くローレンツ力は極めて大きく、TFコイルの設計・製造・支持構造は核融合炉工学の中心課題の一つとなっている。

fig.1 Lessons learned from European and Japanese production of ITER toroidal field coils (2024) · CC BY 4.0
ITER TF coil and assembly between winding pack and structures.
図は、ITERで実際に製造されたTFコイルの全体形状と、巻線パック(winding pack、WP)と支持構造との組み立て関係を示す。コイルは高さ約17.7メートル、幅約9.2メートル、総重量約310トンのD字形超伝導磁石であり、そのうち巻線パックが約110トン、ステンレス鋼製の支持構造が約200トンを占める。ITERではこのコイルが18基と予備1基でトロイダル方向に並べられ、コイル内を流れる68キロアンペアの電流によって、コイル上で最大約11.8テスラ、プラズマ主半径位置で約5.3テスラの磁場を発生させる。
トカマクにおける役割と動作原理
トカマクでは、プラズマ電流が作るポロイダル磁場とTFコイルが作るトロイダル磁場とを重ね合わせて螺旋磁力線を形成し、粒子の閉じ込めを確保する。トロイダル磁場の強さはコイル電流にほぼ比例し、環の中心軸からの距離に反比例して減衰する。このためプラズマ側(内側)ほど磁場が強くなり、この不均一性が後述の構造荷重やリップルの起源となる。
超伝導コイルの採用により、放電中のコイル発熱の問題は解消されたが、代わりに超伝導体が臨界磁場を超えられないという新たな制約が加わった。低温超伝導体では、コイル内側(高磁場側)で磁場が最大となるため、軸上のプラズマ磁場はこの臨界値によって実質的に上限を定められる。すなわち、TFコイルの性能がそのまま装置の磁場強度、ひいては閉じ込め性能の上限を規定する。
さらに、TFコイル電流は放電時間全体を通じてほぼ一定に保たれる。超伝導装置では運転中にトロイダル磁場を切ることは通常なく、この定常性がコイル系の設計思想の基本となっている。
推移
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研究の変遷
1970–19842本 · 0.08%
トルサトロンにおけるトロイダル磁場コイル省略の提案
この時代の2件はいずれもトルサトロン配位でトロイダル磁場コイルを省く構成を扱い、ダイバータ問題への解決策として提案している。関連する概念はダイバータ問題のみであり、装置名は明示されない。
この時代の論文から
- The torsatron without toroidal field coils as a solution of the divertor problemNuclear Fusion 1971
- Torsatron without toroidal field coils II. configuration ℓ = 2Nuclear Fusion 1972
1985–19942本 · 0.04%
逆転磁場ピンチとITER遮蔽設計への応用
この時代はトロイダル磁場コイルが並列接続の補助コイルとして逆転磁場ピンチ放電改善に用いられ、またITER設計における中性粒子入射ダクト周辺の放射線遮蔽という工学的課題に現れる。遮蔽、逆転磁場ピンチ、中性粒子入射の各概念と並行して扱われる。
この時代の論文から
よく登場する装置
この数字の作り方
- 数え方 —
- 同じものが別の名前で書かれていてもまとめて数えている。綴りが変わった時期に推移が動いて見える、ということは起きない
- 割合 —
- その時代の収録論文全体に占める比率。コーパスは1970年代より2010年代のほうが9倍大きいため、本数のままではほとんどの主題が右肩上がりに見えてしまう
- 記述 —
- その時代の論文・共起する主題・登場する装置だけを根拠にAIが書いている
- 冒頭の定義 —
- 用語そのものの説明だけは、論文9本の要旨を読ませたうえでAIの分野知識で書かせている。ここだけは収録論文に書かれていることの要約ではない
- 解説 —
- では、3本の論文(うち全文2本)と2枚の図版を読ませたうえでAIが書いている
- 範囲 —
- 収録は6誌に限られる。ここで減っていることは、分野がその取り組みをやめたことを意味しない

