Illustration of the fuel recycle process on the horizontal target. The incoming ion flow Γion neutralizes on the recycling surface, the h-div. A portion of the resulting neutrals is pumped, Γpumped, while the fraction that re-ionizes is called the recycling flow Γrecy. The recycling particles can undergo significant neutral transport between the recycling surface and their point of ionization, in both poloidal as well as toroidal direction. Hα radiation can be used as a proxy for the ionization of particles.
リサイクリングが最も活発に起きる場所がダイバータ ターゲット板である。ダイバータは磁力線を集めてプラズマと壁の接触面を遠ざけるための磁気配置であり、主プラズマからスクレイプオフ層(SOL)に流出した粒子は沿磁力線輸送によってターゲット板へ運ばれ、そこでリサイクリングする。ここで重要なのは、リサイクリング流がどこで電離されるかである。ターゲット面のごく近くで電離が集中する場合、中性粒子は閉じ込め領域にはほとんど入らず、電離された粒子は再び SOL に沿ってターゲットへ戻る。これが高リサイクリング状態であり、ターゲット近傍のプラズマは密度が高く温度が低くなり、強い放射損失と粒子流の反転(ロールオーバー)を伴う。逆に SOL が中性粒子に対して透明で、リサイクリング流の大部分が閉じ込め領域まで達してから電離される場合は低リサイクリング状態と呼ばれる。
Greenwald density fraction, total ion current to the outer target, electron temperature and floating potential at the strike-point measured with Langmuir probes as a function of edge line-averaged density for discharge #100166. The vertical dashed lines indicate the transition from low to high-recycling regime and the roll-over of the total ion current to the outer target. Data during a transient impurity event occurred around nedge ≈ 4 × 1019 m−3 has been removed.
図は、エッジの線平均密度を上げていった際のダイバータ状態の変化を示した測定結果である。グリーンワルド密度比、外側ターゲットへの全イオン電流、ストライク点での電子温度と浮遊電位が縦の破線で示した二つの転移点を境に変化しており、低リサイクリングから高リサイクリングへの遷移、さらにイオン電流のロールオーバー(デタッチメントへの移行)が見て取れる。電子温度は高密度側で数十 eV から 10 eV 以下へ下がり、浮遊電位の変化もこの転移と同期している。
このため、壁温度を意図的に上げる高温壁の手法が重要になる。高温壁は壁内に蓄積した水素の拡散・再結合・脱離を促進し、壁インベントリを減らしてリサイクリングを速く飽和させる。大気プラズマ溶射タングステンとステンレスからなるプラズマ面壁を 393 K に制御した球状トカマクでの長時間(2 時間近い)完全非誘導放電では、高温壁が壁蓄積水素の低減とリサイクリングの促進に本質的な役割を果たし、堆積層と基板の間の水素輸送障壁を仮定した粒子収支模型が、壁温度が高いほど壁飽和が速くなるという観測結果をよく再現することが確認された。壁インベントリの制御は、将来の炉では三重水素の炉内滞留量を安全上の上限以下に保つという要求に直結する。
リサイクリングは燃料供給の効率を左右する。外部から供給された粒子が閉込めプラズマの一部になる確率は燃料供給効率と呼ばれ、ガス噴射では低く、ペレットや中性粒子入射では高い。リサイクリング流も同様に、再電離の位置が閉込め領域の内か外かでプラズマへの寄与が変わる。リミタ配置ではリサイクリング面が閉込めプラズマに直接接するためリサイクリングの燃料供給効率は高いが、ダイバータ配置ではターゲットが閉込め領域から遠く、リサイクリング流の多くが SOL やプライベート領域で電離してしまう。つまりダイバータ化は熱負荷を分散する一方、リサイクリングを「燃料」としての価値の低い循環に変える面を持つ。
Overview of processes and mechanisms determining helium exhaust in different regions in the edge of a tokamak, and sections of the text in which they are investigated. The input-output balance determines the He densities in the three relevant observable regions (core-edge interface, and the subdivertor recycling and pumping volumes). Blue colors describe ion regions/fluxes, while green colors describe neutrals regions/fluxes.
ヘリウムの場合、リサイクリングの幾何が排気の成否を左右する。ターゲットで中性化されたヘリウム原子は、その電離平均自由行程と SOL の平行イオン流の釣り合いで、ポンプへ向かうか主室へ漏れるかが決まる。この効率を表す無次元量として、サブダイバータの中性ヘリウム密度とエッジのイオン密度の比で定義されるダイバータ圧縮比があり、これは輸送とリサイクリングの相互作用を表す比較的装置に依存しない量として、現有装置から炉への外挿に用いられる。一方、リサイクリング領域とポンピング領域の中性密度比は、サブダイバータの幾何とポンプ速度に強く支配される装置依存の量である。エッジ輸送コードによるシミュレーションはこれらの過程のほとんどを再現できるが、実験値との詳細な突き合わせからは、排気全体に影響しうる未解明の物理が残ることも指摘されている。