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日本の核融合/周辺プラズマとダイバータ

周辺プラズマとダイバータ

直近5年度45件 · 全国15機関 · 科研費全体の11.2% · 通算182件

核融合炉のダイバータ板への熱・粒子負荷を低減するため、非接触(detached)プラズマの形成・制御に関する研究が活発に進められている。筑波大、名古屋大、東北大などの大学に加え、核融合科学研究所(NIFS)や量子科学技術研究開発機構(QST)が、直線型プラズマ装置やトーラス装置を用いた実験、および輸送コードやシミュレーションによる理論研究を推進している。また、タングステン不純物輸送や水素同位体の分子過程、リサイクリングなどの周辺プラズマ物理の解明も重要なテーマとなっている。

この領域が扱うのは スクレイプオフ層、ダイバータ剥離、ダイバータープラズマ、周辺プラズマ、周辺乱流、リミッター、リサイクリング、不純物、不純物輸送、熱負荷、ダイバータターゲット、プラズマシース といった主題です。

主な研究テーマ

この領域の課題の概要からまとめた、いま取り組まれているテーマ。

  • 非接触プラズマの物理と制御

    ダイバータ熱負荷低減のため、非接触プラズマの形成機構や再結合フロントの動的挙動、能動制御手法を実験とシミュレーションで研究している。

  • 不純物輸送と放射冷却

    タングステン等の重金属不純物の輸送を運動論的・流体コードで解析し、放射冷却による熱負荷制御や炉心への混入抑制を目指している。

  • 周辺乱流と輸送増大

    非接触プラズマ中の磁場を横切る対流輸送や不安定性の機構解明、トカマクや直線装置での乱流計測が行われている。

  • 水素分子の原子分子過程

    分子活性化再結合(MAR)などに着目し、水素同位体分子の振動・回転状態を考慮した衝突輻射モデル・輸送コードを開発している。

  • プラズマ対向壁とリサイクリング

    壁からの水素放出やヘリウム効果、液体金属壁など、プラズマと壁の相互作用とリサイクリング過程を調べている。

この領域の特徴

直線型プラズマ装置と大型トーラス装置を組み合わせ、非接触プラズマの基礎物理から原型炉条件への外挿までを実験・モデリング両面から追究している点に特徴がある。また、水素分子の内部状態を区別した衝突輻射モデルなど、原子分子過程に踏み込んだ研究が多い。

研究機関

直近5年度にこの領域の課題を持っている機関。括弧内は課題数で、ページのある機関はリンクしています。

  • NIFS10
  • 名大8
  • 東北大5
  • 筑波大4
  • QST3
  • 九大3
  • 京大2
  • 信州大2
  • 東大2
  • 東海大1
  • 同志社大1
  • 九州工業大学1
  • 山形大1
  • 慶應義塾大学1
  • 仙台高等専門学校1

よく出てくる言葉

この領域の課題に登録されたキーワードの頻出順。用語ページがあるものはリンクしています。

  • 非接触プラズマ16
  • 核融合12
  • ダイバータ12
  • 周辺プラズマ8
  • 衝突輻射モデル5
  • タングステン5
  • 磁場閉じ込め核融合5
  • 分子活性化再結合5
  • 高周波プラズマ5
  • ダイバータプラズマ5
  • 不純物輸送4
  • 核融合プラズマ4
  • 原子分子過程4
  • 水素リサイクリング4
  • 水素3
  • 中性粒子輸送コード3
  • プラズマ輸送3
  • シミュレーション3
  • 不純物3
  • 非接触ダイバータ3

直近5年度の研究

2022年度以降に期間が続いている45件。概要は研究代表者本人が科研費に登録した文章です。

NIFS10件

  • 2026–2028年度基盤研究(C)

    液体金属自由表面流によるプラズマへの影響の解明

    代表 浜地 志憲研究部

    本研究は、液体金属自由表面流とプラズマの相互作用、特にプラズマが受ける影響について明らかにすることを主眼とした研究である。既存の直線型プラズマ装置TPD-IIの改造により高密度化(10^19 /m^3 以上)したプラズマを溶融スズ自由表面流に曝露し、プラズマへの影響を分光計測によって明らかにする。期間中前半はコイル増設による照射部でのプラズマ高密度化を行い、後半は実験と分析を行う。

    プラズマー材料相互作用 · プラズマー液体金属相互作用 · 核融合炉ダイバータ

    KAKEN 26K07051
  • 2023–2027年度基盤研究(C)分担者5人

    水素分子の振動回転準位を考慮した壁・周辺・炉心を繋ぐ粒子輸送コード群の開発

    代表 中村 浩章研究部

    非接触プラズマの生成には周辺領域での中性粒子輸送が影響する。また、炉心プラズマを高い効率で閉じ込め状態(Hモード)を維持するためには、壁からの中性粒子発生を低減する必要がある。非接触プラズマ・Hモードの両立条件を求める手法は未だ確立されていない。本研究では、(1)衝突輻射モデルを組み込んだ中性粒子輸送コード(2)分子動力学法と熱伝導方程式のハイブリッドコード、(3)ジャイロ運動論PICコードの改良も重ねてきた。これら3つのコードを紡ぎあい「壁の水素リサイクリング状態と分子の振動回転状態が、周辺の非接触プラズマ/炉心プラズマ閉じ込めにどのような影響を与えるか?」という課題に取り組む

    反応動力場 · 分子動力学 · タングステン · 空孔 · 水素 · ボイド · 合体 · 分子動力学法

    KAKEN 23K03362
  • 2020–2023年度基盤研究(C)

    エルゴディック層における運動論的プラズマダイナミクスの研究

    代表 森高 外征雄研究部

    らせん状の大型コイルによって生成するトーラス状の磁力線によって燃焼プラズマを閉じ込めるヘリカル核融合炉は、核融合発電を実現するための有力な方法の一つである。ヘリカル核融合炉の周辺部分には、トーラス構造を持たない開いた磁力線が複雑に絡み合って存在しており、この領域での燃焼プラズマの振る舞いは明確にはなっていない。本研究では、プラズマのダイナミクスを詳細に調べるジャイロ運動論シミュレーションをヘリカル核融合炉周辺部分に適用し、トーラス状の磁力線から炉壁に至るまでのプラズマ輸送メカニズムを調べる。

    ヘリカル型核融合炉 · ジャイロ運動論シミュレーション · 磁気島 · 水素同位体プラズマ · 非構造格子 · プラズマ輸送解析 · ジャイロ運動論モデル · 核融合炉周辺プラズマ

    KAKEN 20K03912
  • 2020–2025年度基盤研究(C)

    磁気面が壊れたコアからエッジにわたる領域のタングステン不純物輸送シミュレーション

    代表 菅野 龍太郎研究部

    磁場閉じ込め核融合炉において、背景プラズマと比べ極めて希薄なタングステン不純物が、核融合プラズマのエネルギー閉じ込め性能を劣化させるため、タングステン不純物のエッジからコアへの流入を抑制することが重要な課題となっている。大型ヘリカル装置(LHD)プラズマのエッジ領域において観測される「コア領域への不純物流入を抑制する不純物スクリーニング現象」は、この課題に対する1つの解決法を示唆するため、そのメカニズムに対する物理的な理解を深め、LHDとは異なる磁場配位への普遍性を調べる。

    確率論的モデリング · モンテカルロシミュレーション · 不純物輸送 · モンテカルロ法 · 新古典輸送 · タングステン不純物 · ポアソンソルバ · ドリフト運動論

    KAKEN 20K03908
  • 2019–2022年度若手研究

    非接触プラズマにおける再結合フロントの動的挙動とその制御に関する研究

    代表 林 祐貴ヘリカル研究部

    核融合炉のダイバータ領域における非接触プラズマ中の再結合フロント領域は、プラズマの熱流制御と粒子制御の両面から重要な役割を担う。再結合フロントを定常維持し、その位置を適切に制御する必要がある。本研究は外部制御が容易な磁場配位の制御によりプラズマ-中性粒子相互作用の実効的断面積を局所的に変化させ、再結合フロントの磁力線方向位置を制御する新たな手法の実証を行う。さらに、炉心プラズマから流出した間欠的熱負荷が再結合フロントに流入した際の再結合フロントの動的挙動(崩壊・回復の時定数や電位構造の動的変化)を明らかにする。

    非接触プラズマ · 再結合フロント · 熱パルス · 直線型装置 · リサイクリング · 流体コード · 体積再結合

    KAKEN 19K14686
  • 2019–2023年度基盤研究(C)分担者3人

    非接触核融合プラズマモデリングを目指した周辺プラズマ・中性粒子輸送コード開発

    代表 河村 学思研究部

    本研究課題の目的は、3次元的な装置形状や磁場形状を取り扱うことのできるEMC3-EIRENEコードを用いて、非接触プラズマの数値モデル開発を行うことである。非接触プラズマは、プラズマが壁に達する前に再結合して中性ガス戻る状態にあり、核融合炉の壁への熱負荷軽減のために必須である。しかし、体積再結合を含めた計算は世界的にもまだ開発途上で、コード開発や実験による検証が必要である。そこで、再結合プラズマ実験に実績のある直線装置で研究開発を行い、その後により核融合炉に近い大型装置での検証を行う計画である。

    非接触プラズマ · 中性粒子 · 輸送 · 不純物 · モデリング · ダイバータ · 磁場閉じ込め核融合 · 輸送モデリング

    KAKEN 19K03802
  • 2019–2023年度基盤研究(C)分担者3人

    非接触プラズマ中性粒子輸送解明のための対向壁水素リサイクルモデリング構築

    代表 中村 浩章研究部

    ダイバータ板への熱負荷軽減のために非接触ダイバータが考えられている。この非接触ダイバータは、「プラズマがダイバータ板へ流れ込む前に、プラズマと中性粒子を相互作用させて、プラズマ熱・粒子負荷を低減させる」という仕組みである。この過程で生成されるプラズマを非接触プラズマと呼ぶ。この非接触プラズマの挙動を解明するためには、プラズマ対向壁から生じる水素原子・分子の情報が必要である。本研究では、分子動力学シミュレーションにより(1)対向壁から放出される水素原子・分子の量(比率)(2)放出される水素原子・分子の運動エネルギー分布と振動・回転励起分布(3)高い振動励起状態の水素分子生成過程の解明を目指す。

    プラズマ壁相互作用 · 分子動力学法 · 水素リサイクリング · 衝突輻射モデル · 中性原子分子 · 炭素 · タングステン · 振動回転状態

    KAKEN 19K03800
  • 2019–2024年度基盤研究(C)分担者1人

    電流機構の異なる磁化プラズマ結合系モデルによる非接触プラズマ径方向動力学の解明

    代表 長谷川 裕記研究部

    本課題では、非接触プラズマ(磁場閉じ込め核融合装置の周辺領域では磁力線終端部に受熱板(ダイバータ板)があり、そこに至るプラズマの熱流を低減させるために、中性ガスの導入によってプラズマをダイバータ板から離すプラズマ非接触化が提案されている。このときのプラズマを「非接触プラズマ」と呼ぶ)を電流機構の異なる磁化プラズマ結合系としてとらえた理論モデルを構築し、先進的な数値シミュレーション、そして、直線型装置実験との相互検証を重ねることにより、非接触プラズマにおける径方向ダイナミクスの解明をめざす。

    非接触プラズマ · 径方向輸送 · 直線型装置実験 · 粒子シミュレーション · フィードバック不安定性

    KAKEN 19K03787
  • 2022–2026年度国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))分担者4人

    磁場トポロジーによる環状プラズマ周辺放射冷却法の世界展開とその安定化機構の一般化

    代表 小林 政弘研究部

    核融合炉の実現に向けて、装置壁への過大な熱負荷の軽減は必須の解決課題である。もっとも有力な解決手段として、水素燃料以外の粒子(不純物と呼ばれる)を導入し、不純物多価イオンの放射冷却効果を利用する方法が試行されている。本研究課題では、閉じ込め磁場のトポロジーを変移させ、放射冷却効果を倍増させる新手法を用いる。この手法を異なる閉じ込め磁場配位の装置に応用し、高温プラズマ周辺部のより効率的な放射冷却手法の確立とそのメカニズムの一般化を行う。これによって核融合炉の装置壁熱負荷軽減に寄与するとともに、磁場構造と高温プラズマの熱的不安定性を連結するプラズマ物理の体系化を目指す。

    磁場トポロジー · 熱的不安定性 · 熱平衡 · 放射冷却 · トロイダルプラズマ · 装置間比較 · 世界展開

    KAKEN 22KK0039
  • 2021–2024年度挑戦的研究(萌芽)

    超高温プラズマ閉じ込め装置における革新的なダイバータ部の熱負荷低減方法の創出

    代表 庄司 主研究部

    核融合炉の実現を妨げている課題として、高温のプラズマと真空容器壁とが直接接する場所(ダイバータ部)にかかる熱負荷が高すぎることがある。これを解決するために、不純物の気体をダイバータ部付近に大量に放出させることによって、ダイバータ部の熱負荷を下げる試みがなされてきた。ただし、この方法ではダイバータ部だけでなく、高温プラズマの温度も低下させてしまうことが大きな欠点となっている。本研究の目的は、不純物の固体の粒を用いて、高温プラズマの温度を低下させることなく、ダイバータ部にかかる熱負荷を大幅に低下させる新手法を見出すことである。

    大型ヘリカル装置 · 不純物粒子ドロッパー · 高速カメラ · 周辺プラズマ · ステレオ視計測 · ダスト輸送シミュレーション · 熱負荷低減 · 不純物ダスト落下装置

    KAKEN 21K18620

名大8件

  • 2026–2029年度基盤研究(B)分担者2人

    次元拡張トモグラフィと多装置展開によるプラズマ輸送増大現象の解明

    代表 田中 宏彦未来材料・システム研究所

    熱核融合発電において『非接触ダイバータ』は炉壁への熱負荷低減の切り札である。非接触プラズマ中の磁場を横切る対流プラズマ輸送の増大現象を理解・制御できれば、炉実現を阻む熱負荷問題を解決できる可能性がある。本研究では“条件付き抽出・移動トモグラフィ解析”を光学計測と組み合わせることで、5次元以上の時空間+波長・速度場計測へと発展させるとともに、国内外・異分野にわたる複数の直線プラズマ装置へと展開する。これらを通して輸送増大現象の物理機構の解明を目指す。

    非接触プラズマ · プラズマ輸送 · トモグラフィ · 次元拡張 · 多装置展開

    KAKEN 26K00684
  • 2024–2025年度基盤研究(B)分担者1人

    非接触再結合プラズマ中における不安定性・対流輸送の能動制御に関する研究

    代表 田中 宏彦未来材料・システム研究所

    熱核融合発電において『非接触ダイバータ』は炉壁への熱負荷低減の切り札である。申請者は過去の一連の研究で、非接触再結合プラズマ中の不安定性と磁場を横切る対流プラズマ輸送が連動して発生することを見出し、これをむしろ増幅することで、熱負荷問題を解決する着想を得た。本研究では直線プラズマ装置に多様な摂動を印加して、不安定性・輸送の振幅増大を決定付けるキーパラメータを同定するとともに、能動的な制御手法を開発する。さらに、超伝導直線装置およびトーラス装置を用いて、原型炉条件での制御性を外挿評価することを目的とする。

    非接触プラズマ · 対流輸送 · 非拡散的輸送 · 不安定性 · 能動制御 · ダイバータプラズマ

    KAKEN 23K22474
  • 2024–2025年度基盤研究(B)分担者2人

    ダイバータ配位プラズマの境界層におけるプラズマ流と不純物輸送へのドリフトの効果

    代表 藤田 隆明工学研究科

    内部コイルを用いてダイバータ配位の環状プラズマを生成し、その境界層におけるプラズマ流や不純物イオンの流速などを詳細に計測する。三角形度などプラズマ断面形状を様々に変えた実験を実施し、ダイバータプラズマシミュレーションコードの結果と比較する。これにより、プラズマ流に対するイオンドリフトの効果を明らかにするとともに実験的な裏付けのある不純物輸送モデルを提案する。

    ダイバータ配位 · 境界層プラズマ · プラズマ流 · 不純物輸送 · トロイダルドリフト · 不純物イオン流速 · 熱力

    KAKEN 23K22473
  • 2021–2022年度特別研究員奨励費

    ガス種依存性に着目した核融合非接触プラズマ中の輸送増大機構の解明

    代表 夏目 祥揮工学研究科

    環状磁場閉じ込め核融合発電炉において磁場閉じ込め領域から装置壁へ拡散するプラズマ熱流束・粒子束は、排熱・排気を担う機器「ダイバータ」へと磁力線によって導く。しかし将来の発電炉ではダイバータ材料の工学的許容熱負荷を著しく上回る高温プラズマの流入が予想されることから、ダイバータは致命的な損傷を受ける可能性がある。そのため、プラズマと中性ガスとの相互作用を利用して、プラズマをダイバータ材料前面で消滅させる非接触プラズマの採用が検討されている。近年の非接触プラズマ研究では、磁場を横切る非拡散的プラズマ輸送が増大することが、種々の磁場閉じ込め装置で観測されている。本研究では、この増大機構を解明する。

    核融合 · 非接触プラズマ · ダイバータ · 分光計測 · 統合コード · 中性粒子輸送 · 高速分光 · 流体シミュレーション

    KAKEN 21J11557
  • 2024–2027年度基盤研究(A)分担者6人

    励起粒子の生成と輸送に伴うエネルギー・運動量損失の理解と非接触再結合プラズマ制御

    代表 大野 哲靖工学研究科

    磁場閉じ込めプラズマ核融合炉の実現のためには,炉心プラズマから周辺領域に流出する膨大な粒子流および熱流を制御し,直接プラズマと接触するプラズマ対向材(ダイバータ板)の損傷を低減することが最重要課題の一つとなっている。熱負荷低減法として,非接触再結合プラズマ(Detached Recombining Plasmas)形成による熱流制御法の確立の重要性が指摘されている。本研究では,直線型高密道プラズマ発生装置を用いた実験と流体コード,中性粒子輸送コードをカップリングした統合コードによる解析により,非接触再結合プラズマの生成機構と制御手法を確立し,核融合発電の早期実現に資する。

    核融合 · ダイバータ · 非接触再結合プラズマ · 熱流制御 · 境界プラズマ · 周辺プラズマ

    KAKEN 24H00201
  • 2022–2025年度挑戦的研究(萌芽)

    リュードベリ原子状態を介した新しいプラズマ輸送過程の実験的検証

    代表 田中 宏彦未来材料・システム研究所

    古典輸送、新古典輸送、乱流輸送などの磁場を横切る方向のプラズマ輸送過程は、一般に電子温度が高い環境で輸送係数が大きくなる。一方、核融合装置の炉壁前面に生成される低温高密度プラズマ中では、1 eV以下の低温で増幅するプラズマ輸送現象が観測される。本研究では、電子-イオン再結合過程により多量に生成される“高励起状態原子(リュードベリ原子)”に着目し、電子-イオン-リュードベリ原子の共存系における、全く新しいプラズマ輸送過程の解明を目指す。パルス状電子ビームと高時間分解能レーザートムソン散乱計測を用いて、輸送増大現象へのリュードベリ原子の寄与を実験的に検証する。

    リュードベリ原子 · プラズマ輸送 · 再結合プラズマ · 電子ビーム · 電子-イオン-リュードベリ原子共存系

    KAKEN 22K18701
  • 2020–2023年度基盤研究(A)分担者5人

    消えるプラズマの時空間構造を支配する物理・化学機構の解明と制御

    代表 大野 哲靖工学研究科

    プラズマプロセッシングや核融合研究において重要な課題となっている気相中で消えるプラズマの物性を明らかにする。電子・イオン再結合(三体再結合,放射再結合)が主要な過程となる再結合プラズマ中の非熱平衡性,電位構造に関連した熱・粒子輸送過程を,直線型高密度プラズマ発生装置を用いた基礎実験とシミュレーションとの相補的な研究により明らかにする。また,振動励起水素分子により駆動される再結合(分子駆動再結合)プラズマ生成に関して,固体壁で生成される振動・回転励起水素分子の影響と同位体効果を明らかにする。さらに,再結合プラズマのパルス応答を高時間分解で調べ,時空間変化を決定する物理・化学過程を明らかにする。

    非接触再結合プラズマ · 分子活性化再結合(MAR) · 電子-イオン再結合(EIR) · ダイバータプラズマ · トムソン散乱計測 · 2次元分光計測 · 多成分プラズマ輸送コード · 同位体効果

    KAKEN 20H00138
  • 2019–2023年度国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))

    ITER級パラメータ条件における非接触プラズマ中の非拡散的輸送研究

    代表 田中 宏彦未来材料・システム研究所

    本国際共同研究では、ITERダイバータ領域に匹敵するプラズマパラメータ・磁場強度を有する直線型超電導装置Magnum-PSI(オランダ、DIFFER研究所)に各種計測機器を持ち込み、揺動データセットを取得した。装置壁への熱負荷低減に有望視される“非接触ダイバータ条件”で増幅する非拡散的輸送の発生の有無、ならびに輸送特性を調査した。パラメータ領域や磁場構造の異なる国内複数装置と類似する現象が観測されたことから、将来の核融合装置においても発生しうる現象であることがわかった。

    非拡散的輸送 · 非接触プラズマ · Magnum-PSI · 揺動解析 · 静電プローブ · 高速カメラ · 再結合フロント · ダイバータプラズマ

    KAKEN 18KK0410

東北大5件

  • 2025–2026年度特別研究員奨励費

    分子活性化再結合による粒子バランスの解明で目指すダイバータ熱負荷の完全制御

    代表 吉村 渓冴工学研究科

    ダイバータの熱負荷を低減するために形成される非接触ダイバータにおいて、体積再結合が重要な役割を担っている。本研究ではイオン交換を起点とした分子活性化再結合(IC-MAR)に着目し、東北大学のDT-ALPHA装置を用いてIC-MARが強く進行するプラズマを生成する。プラズマパラメータの計測だけでなく、分光計測と衝突・輻射解析を組み合わせて水素原子・分子の密度計測を試みる。得られたパラメータを用いて、IC-MARプラズマ中の粒子生成・消滅バランスを定量的に明らかにする。

    KAKEN 25KJ0579
  • 2025–2027年度特別研究員奨励費

    核融合炉設計の高度化を目指した非接触プラズマにおけるエネルギー分布のゆがみの解明

    代表 加賀谷 重考工学研究科

    非接触プラズマ全体を網羅的に計測できる革新的な計測システムを新たに構築し, 未だ計測例がほとんどない, 非接触プラズマにおける電子・イオンのエネルギー分布形状を詳細に計測する. これにより, プラズマの非接触化と電子・イオンのエネルギー分布形状のゆがみの関連性およびその重要性を解き明かす. 得られた結果と, 非接触プラズマを対象とした流体シミュレーションコードとの比較を通し, 従来のダイバータシミュレーションモデルの検証および物理モデルの高度化を図り, ダイバータ熱制御・予測性能の発展に貢献する.

    KAKEN 25KJ0528
  • 2024–2027年度基盤研究(B)分担者2人

    励起分子から始まるプラズマ消滅特性の解明とダイバータ熱制御シナリオ高度化への挑戦

    代表 高橋 宏幸工学研究科

    東北大学の高周波プラズマ装置DT-ALPHAにて水素MARによる非接触プラズマを生成する.本研究では特にIC-MAR反応に着目する.電子,イオン,水素分子の振動・回転分布など,MARに関連する複数のパラメータを計測するための環境を構築する.水素MARプラズマの計測と衝突・輻射コードによる解析を通してIC-MARが強く進行するプラズマ内部の粒子生成・消滅バランスを明らかにする.高強度かつ高エネルギーの水素イオンビームを生成する環境を構築する.水素非接触プラズマに対するビーム入射実験を行い,高エネルギーイオンの衝突によってIC-MARの反応率がどのように変化するかを定量的に明らかにする.

    非接触ダイバータ · 磁場閉じ込め核融合 · 分子活性化再結合 · イオン温度 · 高周波プラズマ · DT-ALPHA · Retarding field analyzer · 高エネルギーイオン

    KAKEN 24K00607
  • 2020–2023年度基盤研究(B)分担者3人

    実験室プラズマで解き明かす非接触ダイバータの構造形成過程と非定常ダイナミクス

    代表 高橋 宏幸工学研究科

    本研究はプラズマプロセスやプラズマ推進の分野で広く利用されている高周波プラズマ源をダイバータプラズマ研究に応用するものである。(1)高周波プラズマに特有である単一マックスェル分布から逸脱した電子の生成、(2)波動加熱を利用する事によるイオン温度計測の容易化、および(3)体積再結合プラズマに対するイオンビームの重畳を行う事で実環境のダイバータに近い環境を実験室プラズマ内に作り出し、非接触ダイバータの構造形成過程における粒子・エネルギーバランスや体積再結合反応率に対して高エネルギーイオン衝突が及ぼす影響を実験的に調査するものである。

    磁場閉じ込め核融合 · 非接触ダイバータ · 電子–イオン再結合 · 分子活性化再結合 · 高周波プラズマ · DT-ALPHA · 高エネルギーイオン · 励起水素原子

    KAKEN 20H01883
  • 2022–2023年度挑戦的研究(萌芽)

    消えゆくプラズマの空間構造と電子エネルギー分布の歪みとの関わり

    代表 高橋 宏幸工学研究科

    非接触プラズマ(消えゆくプラズマ)中の電子温度は磁力線に沿って単調減少するという理解が一般的であるが、再結合フロント下流で電子温度が増加する兆候が放電形態・プラズマ診断手法・放電ガスを問わずに観測されている。このような結果は様々な装置で見られているが、そのメカニズムの理解には至っていない。再結合フロントでは熱化した電子のうち低エネルギーの電子が優先的に枯渇するため、電子エネルギー分布に歪みが生じうる。本研究は静電プローブ計測、分光計測および衝突・輻射モデルを駆使して電子エネルギー分布の歪みと消えゆくプラズマの空間構造との関わりを、特に電子温度に焦点をあてて明らかにする試みである。

    磁場閉じ込め核融合 · 非接触ダイバータ · 体積再結合 · 電子エネルギー分布 · 高周波プラズマ · DT-ALPHA · 再結合プラズマ · Retarding field analyzer

    KAKEN 22K18699

筑波大4件

  • 2026–2027年度特別研究員奨励費

    分子性ガスが介在する非接触プラズマに関する研究

    代表 岡本 拓馬理工情報生命学術院

    本研究は、磁場閉じ込め核融合炉での重要課題であるダイバータ板への熱負荷の効率的な低減に向けた研究である。ダイバータへの熱流束低減手法として、ダイバータに届くまでにプラズマのエネルギーを低下させ消滅を促し、プラズマ粒子束を低減させる手法が検討されている。本研究では、窒素および水素分子が関与するプラズマ消滅過程に着目し、従来研究より高温のプラズマを生成可能な装置を用いて実験的にメカニズムを解明する。更に、計測結果に基づき制御手法を検討し、有効性の確認を目的とする。ダイバータへの熱・粒子負荷を高効率に低減するための物理理解と制御指針を確立し、将来の核融合炉での安定運転技術の発展に貢献する。

    KAKEN 26KJ0645
  • 2025–2027年度基盤研究(C)

    大電力ジャイロトロンを用いたELM様熱負荷による非接触プラズマの動的応答

    代表 南 龍太郎数理物質系

    大電力ジャイロトロンを、直線磁場配位のGAMMA 10/PDX ECHシステムに適用し、MWレベルのパワー伝送での課題抽出を行う。併せて、非接触プラズマ生成形成の基礎データ取得を行う。 高熱流束生成に適した伝送ミラー・アンテナの放射分布形状の最適化設計を行う。新規アンテナを用いたMWレベルのマイクロ波入射を行い、強力な電子加熱実験を実施し、生成された高熱流パルス負荷と非接触プラズマの相互作用の基礎データ取得を行う。 ECHパワーを変調することにより生成・制御されたELM様パルス高熱流負荷を非接触プラズマに入射し、高エネルギー電子の特性と非接触プラズマとの相互作用のデータを系統的に整理する。

    大電力ジャイロトロン · 間欠的高熱流束 · 非接触プラズマ

    KAKEN 25K07259
  • 2024–2025年度基盤研究(B)

    窒素-水素複合ガス入射による非接触プラズマ形成過程の解明

    代表 江角 直道数理物質系

    磁場閉じ込め核融合炉の実現において、プラズマとガスとの相互作用によりダイバータ領域に形成される非接触プラズマ挙動の理解とその制御方法の確立は重要な課題である。本研究では窒素-水素複合ガス入射による非接触プラズマの形成過程を明らかにするため、a) 窒素-水素複合ガス入射による非接触プラズマの時空間構造の精密観測、b)分子性ガスの介在するプラズマ再結合反応過程の理解、c)分子の振動・回転状態が非接触プラズマに与える影響の検証を行う。本研究の遂行により、窒素-水素ガス入射時の非接触プラズマ形成に関わる原子分子反応過程の詳細を明らかにし、ITER/原型炉への外挿性の高い物理モデルの構築にも寄与する。

    ダイバータ · 非接触プラズマ · プラズマーガス相互作用 · 分子活性化再結合 · 原子分子反応過程 · プラズマ-ガス相互作用 · 原子分子過程 · プラズマ

    KAKEN 23K22469
  • 2022–2026年度若手研究

    磁力線に沿って流れるプラズマ熱流束の能動的な制御に関する研究

    代表 東郷 訓数理物質系

    核融合プラズマでは核燃焼プラズマから周辺プラズマに定常的に熱流が流入する。熱流の広がり幅が小さいほど狭い受熱面積に熱流が集中し、熱流制御がより困難になる。しかし熱流の広がり幅を能動的に変化させる手法は発見されていない。そこで本研究では、周辺プラズマへのガスパフやペレットの入射に伴うプラズマ揺動が熱流の広がり幅に与える変化とその物理機構、将来装置での熱流制御にもたらす効果をシミュレーションで解明することを目的とする。第一原理的なプラズマ輸送コードと、中性粒子/不純物粒子の挙動を解く周辺プラズマ統合コードのカップリングにより、ガスパフやペレット入射の際のプラズマ揺動のシミュレーションを行う。

    周辺プラズマ · ダイバータ熱負荷制御 · 運動論的シミュレーション · 時間発展シミュレーション · ジャイロ運動論的シミュレーション · ジャイロ位相 · 熱流束広がり幅 · 乱流輸送

    KAKEN 22K14022

QST3件

  • 2025–2027年度若手研究

    核融合周辺プラズマ中の重金属不純物輸送の運動論的モデリング

    代表 矢本 昌平那珂フュージョン科学技術研究所 先進プラズマ研究部

    本研究は、タングステン(W)不純物の輸送制御手法の確立を見据えて、W不純物の輸送過程の理解を深めることを目的とする。将来の核融合装置のITERやそれに続く原型炉では、除熱性能の高さからWが炉壁の候補材となっている。炉壁から叩き出されるWは、不純物としてスクレイプオフ層(SOL)という炉心を取り巻く薄いプラズマ層中を輸送され、その一部が炉心に侵入することで炉心プラズマの性能を劣化させる。本研究では、重金属不純物輸送コードIMPGYROによるITERプラズマを対象としたW不純物輸送解析を行う。さらに、不純物のドリフト効果や新古典輸送効果を含めた世界唯一のプラズマ-不純物統合計算基盤の構築を進める。

    核融合 · 周辺プラズマ · 不純物輸送 · タングステン · シミュレーション

    KAKEN 25K17373
  • 2020–2024年度若手研究

    原型炉に向けた2.5次元統合輸送コードによるダイバータ熱負荷評価の研究

    代表 瀬戸 春樹六ヶ所フュージョンエネルギー研究所 核融合炉システム研究開発部

    原型炉に代表される将来の磁気閉じ込め核融合装置では、プラズマ対向材の許容熱負荷と両立する運転シナリオの構築には周辺領域における熱輸送機構の理解が重要となる。本研究ではイオンの熱伝導によるダイバータ上の定常熱負荷が飽和するまでの長時間に渡る乱流計算を現実的な計算コストで行うためにマルチフェイズ法を用いた2.5次元統合輸送コードを開発する。統合輸送コードによる数値計算により、既存装置の実験データベースに基づいたダイバータ上の定常熱流束幅のスケール則が原型炉のパラメータ領域に外挿可能かを明らかにする。

    核融合学 · 周辺プラズマ乱流 · 周辺プラズマ安定性 · 非線形数値計算 · 周辺局在化モード · トカマクプラズマ · 簡約化MHDモデル · 大規模数値計算

    KAKEN 20K14448
  • 2019–2024年度若手研究

    高性能核融合炉心プラズマ維持のための多種不純物輸送制御に関する研究

    代表 矢本 昌平那珂フュージョン科学技術研究所 先進プラズマ研究部

    核融合発電実現に向けては、高性能な炉心プラズマの長時間維持のために、ダイバータというプラズマ対向機器への熱負荷低減が必須である。熱負荷低減には不純物入射による放射冷却が有効である一方、不純物の炉心プラズマ混入は長時間維持を妨げる。したがって、プラズマ中の不純物の輸送制御手法の確立は必須の課題であるが、プラズマ-不純物間の相互作用は非常に複雑で詳細は明らかではない。本研究では、既存の核融合装置実験の数値シミュレーション解析、及びシミュレーションモデルの妥当性検討を通じてプラズマ-不純物間の複雑な相互作用とその特性を明らかにし、将来の核融合装置の運転に向けた多種不純物輸送制御手法の確立を目指す。

    核融合 · 境界層プラズマ · 不純物輸送 · シミュレーション · モデリング · 不純物

    KAKEN 19K14695

九大3件

  • 2022–2023年度特別研究員奨励費

    実機高温プラズマ装置における粒子リサイクリングに対するヘリウムの影響に関する研究

    代表 岳 其霖総合理工学府

    将来の重水素、三重水素を用いた核融合炉では反応後に生じるヘリウムの挙動が核融合反応効率に大きな影響を与える。実機プラズマに試料を曝露して粒子リサイクリングを直接観測可能な高速試料搬送装置(FESTA)を用い、ヘリウムリサイクリングに重要な水素プラズマによるヘリウム誘導脱離効果と表面近傍に形成されるヘリウム集合体の水素リサイクリングへの影響を検証する。昇温脱離装置の活用で試料内の吸蔵量を評価することで反射率の温度依存性及び再堆積層の有無の違いを明確にする。特に核融合装置の運転温度領域で水素・ヘリウム混合プラズマへの曝露実験を行い、水素・ヘリウムの複合効果の温度依存性を評価する。

    水素リサイクリング · FESTA · 表面再結合係数 · プラズマ長時間放電 · ヘリウムリサイクリング · 表面再結合 · 表面障壁 · QMSガス絶対感度校正

    KAKEN 22KJ2395
  • 2022–2024年度基盤研究(C)

    高温電子が存在する定常トカマクスクレイプオフ層の勾配長及び乱流計測

    代表 永島 芳彦応用力学研究所

    九州大学応用力学研究所のQUEST装置では、第一壁温度制御による粒子バランス制御という、世界的に未踏の運転領域で核融合プラズマ研究を行っている。核融合炉のダイバーターへの熱負荷低減を目指すため、QUESTでも周辺プラズマの乱流輸送とスクレイプオフ層勾配長の観測と制御が希求されている。一方QUESTでは、電流駆動時に生成された高速電子が周辺プラズマへ間欠的に到達し、周辺プラズマの理解を複雑にしている。本研究では、QUEST定常トカマクを対象に、近年配備された耐熱プローブを用いてバルクプラズマと高温電子の情報を分別し、壁温度制御実験時の勾配長と乱流輸送の制御性の探索を目的とする。

    球状トカマク · 高周波加熱・電流駆動 · 周辺プラズマ · 定常運転 · 乱流輸送 · 高速電子 · 波動・粒子相互作用 · 高周波プラズマ

    KAKEN 22K03576
  • 2021–2023年度若手研究

    トカマク周辺プラズマの高・低磁場側における乱流輸送特性の同時計測

    代表 文 贊鎬応用力学研究所

    磁場閉じ込め核融合研究において,周辺プラズマの熱・粒子輸送機構の解明とその抑制は緊急の課題である. 最近,トカマク周辺プラズマの高・低磁場側における乱流揺動及び輸送の特性が大きく異なることをシミュレーション研究で示した. 大型トカマク装置では一般的に高・低磁場側の乱流揺動の同時計測が難しく,これまでミュレーションと理論の予測の詳細な検証が困難であった. そこで本研究では, 小型トカマク装置PLATO (PLAsma Turbulence Observatory) に高時間分解能の温度・電位揺動計測法を確立して, トカマク周辺プラズマの高・低磁場側の乱流輸送の同時評価を実現する.

    核融合プラズマ · プラズマ診断 · 乱流揺動 · ボールペンプローブ · 乱流輸送 · 周辺プラズマ · PANTA · PLATO

    KAKEN 21K13898

京大2件

  • 2026–2029年度基盤研究(C)

    1~10keV低電離タングステンイオンと水素・重水素原子・分子の電荷変換断面積測定

    代表 今井 誠工学研究科

    熱核融合実現に向けてプラズマ中のタングステン不純物の挙動解明が重要な課題となっており、挙動解明のためのシミュレーション精度向上に資するべく、プラズマ中のタングステンイオンと水素・重水素中性粒子(原子・分子)の衝突反応データが求められている。特に、実験データが不足しているため理論的に解明することが困難となっている低エネルギー (1~10 keV) 低電離タングステンイオンの衝突断面積を精密測定する。

    電荷変換断面積 · 周縁プラズマシミュレーション

    KAKEN 26K07047
  • 2025–2027年度基盤研究(C)

    分光学的トレーサブルな不純物導入による磁化プラズマ中の多価イオン挙動の解明

    代表 門 信一郎エネルギー理工学研究所

    フュージョンエネルギー(核融合)を目指したプラズマ中の不純物(燃料となる水素同位体以外の元素)は、放射冷却作用により、プラズマの高温可を妨げる一方、余分な熱を除去する「最適化」にも用いられます。本研究では、不純物ガスを意図的に導入して、不純物が放つ光を追跡(トレーシング)し、シミュレーションと合わせて、プラズマの状態や磁場構造が不純物の輸送に及ぼす影響を解明します。

    核融合プラズマ · フュージョンエネルギー · 分光診断 · 不純物

    KAKEN 25K07261

信州大2件

  • 2026–2029年度基盤研究(C)

    水素同位体の衝突輻射モデル・中性粒子輸送コードの開発とRF放電の分光計測による検証

    代表 澤田 圭司学術研究院工学系

    核融合周辺プラズマでは分子活性化再結合等の分子反応が重要であり、その反応速度係数は分子の電子・振動・回転状態により何桁も変化する。本研究では申請者が開発したこれらの状態を区別した軽水素の水素分子衝突輻射モデル・中性粒子輸送コードを元に、核融合で必要となる水素同位体コードの開発を行う。具体的には、D2, HD, T2, DT 分子の衝突輻射モデルと H+D 放電・D+T 放電の中性粒子輸送コードの開発を行う。本研究では実験室で可能な H+D のRF放電を行い、原子分子スペクトルの分光計測データと中性粒子輸送コード・原子分子衝突輻射モデルで計算したスペクトルを比較しながらコード開発を進める。

    水素 · 同位体 · 衝突輻射モデル · 中性粒子輸送コード · 振動状態・回転状態

    KAKEN 26K07046
  • 2018–2022年度基盤研究(C)

    水素分子の電子・振動・回転状態を区別した中性粒子輸送コードの構築とその検証

    代表 澤田 圭司学術研究院工学系

    核融合ダイバータプラズマ中の荷電粒子と水素分子の衝突では、分子活性再結合過程など、反応速度係数が水素分子の振動・回転状態により数桁もかわるものがあり、水素分子の電子・振動・回転状態を考慮した詳細なモデルが必要となっていた。本研究では申請者が開発する電子・振動・回転状態を考慮した水素分子の衝突輻射モデルを組み込んだ中性粒子輸送コードを開発した。プラズマ中の水素分子の振動・回転ポピュレーション分布、および分子の振動・回転励起を引き起こすことによるプラズマ中の荷電粒子のエネルギー損失が計算できるようになった。また、申請者が有する高周波放電装置にコードを適用してコードの検証を行った。

    水素分子 · 振動状態 · 回転状態 · 衝突輻射モデル · 中性粒子輸送コード · 非接触プラズマ · 分子活性化再結合 · ダイバータプラズマ

    KAKEN 18K03581

東大2件

  • 2023–2026年度若手研究

    非接触プラズマにおける過渡的熱負荷のエネルギー損失過程解明と原型炉への外挿評価

    代表 林 祐貴新領域創成科学研究科

    熱核融合発電の実現に向けて、炉心からの過渡的な熱粒子放出現象に伴う炉壁への熱負荷を低減することが必須である。申請者はこれまでの研究で、定常熱負荷低減の切り札とされる非接触ダイバータにおいて、パルスプラズマ自身が発生させるリサイクリング粒子束が後続のパルスを減衰させる現象を見出した。この現象に注目し、本研究では直線型装置を用いた実験およびモデリングから、リサイクリング粒子束が関与するパルスプラズマのエネルギー損失過程を明らかにする。さらに、原型炉において過渡的熱負荷の減衰に要する輸送距離を外挿評価する。非接触プラズマを用いた過渡的熱負荷の緩和手法を確立させ、熱核融合発電の早期実現に貢献する。

    非接触プラズマ · 熱パルス · 直線型装置 · リサイクリング

    KAKEN 23K13088
  • 2021–2025年度国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))分担者3人

    熱パルスと共堆積層が共存する核融合部分非接触ダイバータにおける複合物理現象の解明

    代表 梶田 信新領域創成科学研究科

    核融合炉の材料への熱負荷低減のために,ITERにおいては部分的非接触プラズマを利用したプラズマ制御が導入される。そこでは,熱パルス流入と共堆積層(金属とガスを含む堆積層)形成が共存する複合的なプラズマ材料相互作用が起こることになる。本研究では,核融合炉壁近傍のプラズマ模擬が世界で唯一可能なオランダの直線装置Magnum-PSIで,定常+熱パルスプラズマを利用し,これまで申請者らが取り組んできた部分的非接触プラズマ環境における,①非接触プラズマの時空間分布計測による動的挙動の理解と,②ヘリウム共堆積層の形成とその熱パルス応答に関する研究を,国際共同研究の枠組みのもとで強力に推進する。

    NTB · タングステン · ファズ · ナノ構造 · ダイバータ · ヘリウム · アーキング · ホットスポット

    KAKEN 21KK0048

東海大1件

  • 2025–2027年度基盤研究(B)分担者1人

    直線型模擬装置による原型炉ダイバータでの非接触プラズマの原子・分子過程の基盤研究

    代表 利根川 昭理学部

    原型炉ダイバータでの熱負荷を低減させるには、非接触プラズマを制御する必要がある。そのため原型炉ダイバータプラズマに近い温度・密度条件を模擬し、ダイバータプラズマ内での分子性再結合(MAR)を考慮した原子・分子過程の解明が不可欠である。本研究では、直線型ダイバータ模擬装置(TPDsheet-ICR)でプラズマ密度~10^20m^-3、イオン温度~20eVを実現し、その際の水素分子の振動温度を真空紫外分光器で、各種イオン密度をオメガトロン質量分析器で計測し、非接触プラズマでの原子・分子過程を解明する。またシミュレーション結果との比較検証により、原型炉ダイバータへのスケーリング手法を確立する。

    核融合 · ダイバータ · 原子・分子過程 · シートプラズマ · 非接触プラズマ

    KAKEN 25K00985

同志社大1件

  • 2024–2025年度基盤研究(B)分担者1人

    低エネルギー水素の固体表面反射と吸着

    代表 和田 元研究開発推進機構

    核融合装置のダイバータ部や,イオン源電極表面での粒子反射・吸着データは,二体衝突近似模型にもとづいた解析により,数10 eVから数keVまでのエネルギー範囲で,ある程度の精度で予測可能である.また,このエネルギー範囲であれば,実験から得られるデータとも比較できる.本研究ではデータの取得が困難な,5~100 eVの水素正・負イオンをCs-Moや12CaO-7Al2O3エレクトライドなどの分子構造体表面に入射し,反射粒子に占める負イオン量がどのように変化するか実験的に調査する.その上で得られたデータを定量的に説明する物理モデルの構築を試み,低エネルギー粒子―表面相互作用の物理機構を明らかにする.

    仕事関数 · 粒子反射係数 · エネルギー反射係数 · 負イオン · プラズマー固体壁相互作用 · 粒子反射 · 表面吸着 · スパッタリング

    KAKEN 23K25855

九州工業大学1件

  • 2022–2024年度基盤研究(C)

    磁力線と壁面の接点を有するマイクロスケールRFシースモデルの開発

    代表 河野 晴彦情報工学研究院

    RF(radio frequency)プラズマが導体壁面に接することにより壁面上に生じるRFシースの制御は,高周波波動加熱を採用する核融合炉において重要な課題である.本研究では,まず,磁力線と壁面の接点を有する場合に対しても適用可能なマイクロスケールRFシースモデルを構築するために,電子に関する物理量を求めるための式を再考し,影領域を導入するための方法を考案する.そして,開発した数値計算コードを用いて,接点近傍で大きく変化することが予想されるシースの性質を解明することを目指す.

    シース · 高周波加熱 · 磁場核融合 · 有限要素法 · RFシース · 磁場閉じ込め核融合 · プラズマ物理学 · 数値解析

    KAKEN 22K03577

山形大1件

  • 2022–2025年度基盤研究(C)分担者1人

    深層学習による分子動力学を基盤とする複合照射条件下リサイクリングモデルの開発

    代表 齋藤 誠紀理工学研究科

    プラズマの非接触化に伴い、分子活性再結合が周辺プラズマの挙動理解に重要であることが知られてきた。分子過程を考慮した中性粒子輸送を計算実施するためには、炉壁での水素リサイクリング過程を境界条件として課する必要がある。そこで、放出される水素原子・分子の情報(振動・回転・並進エネルギー分布、放出角、放出率の原子・分子比など)を分子動力学に基づき計算する。しかし、入射エネルギー・入射角・材料温度などの膨大なパラメータ域を分子動力学のみで網羅することは計算コストの観点から現実的ではない。そこで、本研究では、照射条件・材料条件を入力し、放出粒子情報を出力する深層学習モデルを分子動力学に基づいて構築する。

    分子動力学法 · 深層学習 · 敵対的生成ネットワーク · タングステン · 水素リサイクリング · 機械学習 · 並進エネルギー · 振動・回転準位

    KAKEN 22K03572

慶應義塾大学1件

  • 2019–2023年度基盤研究(C)分担者1人

    運動論的統合モデリングによる非接触ダイバータプラズマの動的応答特性の解明

    代表 星野 一生理工学部(矢上)

    核融合原型炉に向けた最重要課題であるダイバータにかかる熱・粒子負荷の低減には、非接触ダイバータプラズマの形成と制御が必須である。本研究課題では、この非接触ダイバータプラズマの物理機構と動的応答特性の解明を目的とする。まず、プラズマPIC(Particle in Cell)モデルと先進的中性粒子輸送コードを用いて、ダイバータプラズマの基本的な動特性の理解を進める。その後、これらのモデルを結合した運動論的統合シミュレーションコードを開発する。開発した統合コードを用いて、非接触ダイバータプラズマの動的応答特性について総合的な理解を進め、その物理機構を明らかにする。

    核融合 · 非接触ダイバータプラズマ · 運動論的モデル · PICシミュレーション · 非平衡 · 核融合プラズマ · ダイバータ · PICモデル

    KAKEN 19K03794

仙台高等専門学校1件

  • 2021–2025年度基盤研究(A)分担者3人

    MHD流動制御による4相連続ダイバータシステムの構築

    代表 橋爪 秀利その他

    従来から考えられている2つの方式であるガスダイバータ(固体壁の表面にガスを噴射する方法)と液体ダイバータ(液体金属を用いる方法)で問題となる、一部の荷電粒子がガス領域を突き抜けてしまうことによる固体壁の重大な損傷の発生・液体の蒸発によるプラズマへの不純分の侵入によるプラズマの不安定化といった工学的課題を解決するため、両者の方法を統合し、世界初の「MHD効果を利用した4相連続型の革新的なダイバータシステム」の基盤研究を遂行することによって、合理的なダイバータの実現に向けたブレイクスルーを示す。

    MHD流れ · 核融合炉ダイバータ · MHD流れの制御 · ダイバータ · 核融合炉 · ダイバーター · 液体ダイバータ · MHD効果

    KAKEN 21H04449

出典: KAKEN 科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)。 領域の振り分けは課題の概要をLLMに読ませて行っており、一つの課題は最も中心的な1領域にだけ 数えています。集計の考え方は 日本の核融合 を参照してください。

世界の論文で見た「周辺プラズマとダイバータ」の50年→