(Left) 2D density snapshot in the poloidal cross section for the quasi-steady state at 4 ms of the reference simulation. See supplementary movie 1 for the dynamics. (Right) Mean deuterium radiation density.
図は、ポロイダル断面内の密度スナップショット(左)と重水素放射率分布(右)である。左図では、セパラトリックス(白破線)の内側に高い密度の閉じ込め領域が広がり、その外側の に向かって密度が下がる様子、また からダイバータに向かって磁力線に沿った構造が見て取れる。右図は中性ガスのイオン化に伴う放射が X 点近傍やダイバータ面上で強くなることを示し、が中性粒子との相互作用と強く結合した領域であることを物語っている。
実験的な特徴付けは主にラングミュアプローブ、遠赤外レーザー散乱、反射計、そして高速可視カメラによって行われてきた。これらの測定が明らかにした普遍的な性質のひとつは、SOL に入るにつれて密度ゆらぎの歪度(skewness)が増大することである。これは密度の正のスパイク、すなわち「ブロブ」が SOL に存在することの足跡であり、複数の装置のデータを統合した国際周辺乱流データベースの解析によって、すべての装置で再現された。ゆらぎの相関長・相関時間は巨視的なドリフト波パラメータに対してべき乗則に従うが、その依存性は純粋なドリフト波乱流から期待されるものより弱く、結果として乱流拡散係数は磁場強度の逆数でスケールする。これはギャロ・ボーム型よりもボーム型に近いスケーリングであり、周辺乱流の輸送を予測する上で重要な指針となっている。また、閉じ込め領域端と SOL でほぼ同一のスケーリング則が得られたことは、閉じ込め領域内のドリフト波乱流と SOL のブロブとが強く結合していることを示している。
Snapshots for instantaneous (a) density n and (b) potential fluctuation \phi_1 = \phi-\langle\phi\rangle_\varphi, taken at t = 2.38 \,\mathrm{ms}, comparing the model without flutter (left) and with flutter (right). The white dashed lines in (a) denote the separatrix. n with flutter shows weaker turbulence in the edge and fewer filaments propagating into the SOL. φ1 with flutter exhibits lower intensity and larger eddies.
乱流拡がりは密度限界近傍でも重要な役割を果たす。グリーンウォルド密度限界に近づくと、乱流拡がりの指標となる乱流内部エネルギーのラジアルフラックスが増大し、エッジ冷却と同時に観測される。この場合、乱流粒子フラックス自体は顕著に変化しないこともあり、乱流拡がりはエッジ冷却の指標として粒子輸送よりも優れている可能性がある。間欠的な対流イベント(ブロブとホール)が乱流拡がりの運び手として機能していることが示唆されており、エッジと SOL をつなぐ物理として注目されている。
ただし、乱流遷移やせん断流崩壊は密度限界の十分条件ではない可能性がある。せん断層の崩壊や静電的から電磁的 RBM への遷移が、実際の密度限界よりかなり低い密度で観測された例もあり、密度限界に至るまでの過程には複数の段階があると考えられている。また、中性ガスの役割も無視できない。リサイクリング(壁での中性化と再イオン化)は密度・温度プロファイルの形成に本質的であり、シミュレーションに中性ガスモデルを組み込むと、イオン化源の非一様な分布がポロイダル方向の密度非対称性を生み、乱流の駆動モードがバルーニング型からイオン温度勾配型へと変わることが示された。中性粒子による希釈と放射冷却はダイバータに向かう電子流体を冷やし、衝突性の増大を通じて平行熱伝導を弱め、その結果として垂直乱流輸送がラジアル温度プロファイルを平坦化する。ダイバータ中性密度がさらに上がると遠方 SOL の密度が上昇し、「密度ショルダー」が形成される。このように周辺乱流は、中性粒子、放射、せん断流、電磁効果が絡み合う複合系の一部として密度限界物理を支配しており、その完全な理解と予測が次世代融合炉の排熱・排粒子設計の鍵となっている。