磁気シア(Magnetic shear)は、核融合・プラズマ物理学の現象。磁力線の傾きが半径方向にどれだけ変化するかを表す量で、安全係数qの動径勾配として定義される。プラズマの安定性と乱流輸送を強く左右し、負の磁気シアや弱い磁気シアの領域では内部輸送障壁が形成されて閉じ込めが改善される。この用語集が追う論文のうち、タイトルにこの主題が現れるものは149本ある。比重が最も大きかったのは1995–1999年で、その期間の論文の0.79%を占めた。直近の2025–2029年では0.30%。この用語集がこの主題を最初に拾うのは1975年以降で、それ以前の収録論文には現れない。
解説
磁気シア(magnetic shear)とは、トカマクなどの軸対称磁気閉込めプラズマにおいて、安全係数 q の半径方向変化、すなわち磁力線がプラズマ中を周回するときの「ねじれ」の強さが半径位置によってどう変わるかを表す量である。安全係数は磁力線がトロイダル(周方向)に一周する間にポロイダル(断面内)に何周するかを示す無次元数で、その勾配を無次元化した量 ŝ ≡ (r/q)(dq/dr) が磁気シアと定義される。磁気シアは磁力線の配位の幾何学を決める基本的パラメータであり、MHD安定性、微視的乱流、輸送、そして内部輸送障壁(ITB)の形成といった、磁気閉込め融合の性能を左右するほぼすべての現象に影響を与える。このため、q プロファイル(安全係数の半径分布)の制御は先進的運転シナリオ設計の中心課題となっている。
定義と q プロファイルの幾何
トカマクの磁場は、トロイダル磁場とプラズマ電流が作るポロイダル磁場の合成であり、磁力線は断面内を回りながら周方向にも進む螺旋を描く。この螺旋の「ピッチ」が安全係数 q であり、中心から外に向かって q がどう変化するかが磁気シア ŝ である。標準的なオーム加熱プラズマでは電流密度が中心にピークを持ち、q は中心で 1 以下から外側に向かって単調に増加する(正のシア、PS)。一方、電流分布を外部で操作すると、q が中心付近で平坦になる弱シア(WS)、あるいは中心で q が極大を持ち外側に向かって一度下がる負のシア(NCS、逆シアとも呼ぶ)という配位も作れる。負のシアのプラズマでは q が極小値 q_min を持つ有理面が存在する。
図に、同一装置内で電子加熱を用いて Te/Ti ≈ 1 の条件にそろえながら q プロファイルだけを走査した例を示す。正シアでは q が中心の 1 付近から外縁の 4 を超えるまで単調に伸びているのに対し、弱シアでは中心付近の立ち上がりが緩やかになり、負の中心シアでは q が中心で 3 を超えた後、半径 0.3〜0.4 付近で極小値 2 以下まで下がってから再び増加する、という非単調な形をしている。

fig.1 (2021) ·
推移
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研究の変遷
1970–19843本 · 0.12%
理論的不安定性における磁気シアの基礎解析
理論計算により、不均一プラズマ中の臨界磁気シアの改良計算と、磁気シアを伴うドリフト回旋・低混成ドリフト不安定性が解析された。また、衝突性電流駆動イオン回旋不安定性への磁気シアの影響も調べられた。
同時に語られた主題サイクロトロン不安定性、電流駆動
この時代の論文から
- An improved calculation of critical magnetic shear in an inhomogeneous plasmaNuclear Fusion 1975
- Drift cyclotron and lower-hybrid drift instabilities with magnetic shearNuclear Fusion 1978
- Influence of magnetic shear on the collisional current driven ion cyclotron instabilityPlasma Physics and Controlled Fusion 1984
1985–19944本 · 0.07%
トカマク実験と負の磁気シアの萌芽
よく登場する装置
この数字の作り方
- 数え方 —
- 同じものが別の名前で書かれていてもまとめて数えている。綴りが変わった時期に推移が動いて見える、ということは起きない
- 割合 —
- その時代の収録論文全体に占める比率。コーパスは1970年代より2010年代のほうが9倍大きいため、本数のままではほとんどの主題が右肩上がりに見えてしまう
- 記述 —
- その時代の論文・共起する主題・登場する装置だけを根拠にAIが書いている
- 冒頭の定義 —
- 用語そのものの説明だけは、論文110本の要旨を読ませたうえでAIの分野知識で書かせている。ここだけは収録論文に書かれていることの要約ではない
- 解説 —
- では、8本の論文(うち全文5本)と1枚の図版を読ませたうえでAIが書いている
- 範囲 —
- 収録は6誌に限られる。ここで減っていることは、分野がその取り組みをやめたことを意味しない
