波動電流駆動(Wave current drive)は、核融合・プラズマ物理学の手法。プラズマ中の電磁波が電子に運動量を移すことで非誘導的にプラズマ電流を駆動する手法である。トカマクでは高速波や下部ハイブリッド波、電子バーンスタイン波などが用いられ、定常運転に向けた電流駆動と電流分布制御に重要な役割を果たす。この用語集が追う論文のうち、タイトルにこの主題が現れるものは47本ある。比重が最も大きかったのは1985–1989年で、その期間の論文の0.32%を占めた。直近の2025–2029年では0.12%。この用語集がこの主題を最初に拾うのは1985年以降で、それ以前の収録論文には現れない。
Distinct from the broader 'current drive' concept.
解説
波動電流駆動とは、トカマクなどの磁場閉じ込めプラズマに対して外部から電磁波を照射し、その波が共鳴する粒子に運動量を与えることで、トランス(変圧器)に頼らずにプラズマ電流を直接駆動する手法の総称である。トカマクのプラズマ電流は本来、変圧器が誘起する電圧によって生み出されるが、誘起電圧では定常運転ができないため、炉のような定常炉心を実現するには非誘導的な電流駆動が不可欠であり、波動電流駆動はその主要な候補の一つである。駆動に用いる波の周波数帯によって低域混成波、高速波、電子サイクロトロン波、電子バーンシュタイン波、ヘリコン波などいくつかの方式に分かれ、それぞれ到達性と吸収機構が異なる。以下ではまず物理原理を説明し、次にアンテナと波動スペクトル、伝播と到達性、周波数帯ごとの特徴、最後に駆動効率と炉への応用を述べる。
物理原理
波動電流駆動の鍵となるのは、波がプラズマ中の粒子と共鳴するときの「方向性」である。トカマクの磁場はトロイダル方向を向き、プラズマ電流も同じ方向に流れる。そこでアンテナから、トロイダル方向に位相が進む(または遅れる)ように波を励起すると、波は平行方向(磁力線に沿った方向)に一定の位相速度を持つ。この位相速度が電子の熱速度より十分大きい領域で、波と同じ向きに動く電子だけがランダウ共鳴やサイクロトロン共鳴によって波からエネルギーを吸収する。吸収した電子は一方向に速くなるが、衝突は速い電子ほど弱くなるため、電子の運動量がイオンに等しく散逸する前に長い距離を流れ、正味の電流が残る。これが「非対称な共鳴吸収が電流を駆動する」機構であり、電流駆動では加熱と違って波のスペクトルに左右の非対称性が本質的に必要となる。
駆動電流の大きさと効率は、共鳴電子の速度分布がどれだけ歪むかで決まる。波の平行位相速度が熱速度に近すぎると、衝突が激しく効率が落ち、遠すぎると吸収そのものが起きない。このトレードオフが各方式の設計指針を支配している。また、共鳴電子が捕獲粒子(バナナ軌道の電子)である場合には電流に寄与しないため、トロイダル性を考慮した効率評価が不可欠である。さらに、波が駆動する電流はプラズマの自己組織的な応答(ブートストラップ電流に似た機構)とも相互作用し、駆動電流のプロファイルが平衡の磁気流体安定性を左右するため、電流の大きさだけでなくその空間分布が重要となる。
発射構造と波動スペクトル
推移
他の項目を重ねる
研究の変遷
1985–199417本 · 0.31%
高速波と低域混成波による駆動の理論と実験の始動
この時代は、高速波電流駆動の理論がトカマクプラズマに対して定式化され、パルス自由電子レーザーによるビート波駆動や、低域混成波による内部擾乱抑制といった実験的検討が並行して行われた。ITER を念頭に置いた設計論理も登場し、MHD 平衡との関連が議論された点が特徴である。
同時に語られた主題電流駆動、低域混成波、プラズマディスラプション、電磁流体力学、レーザープラズマ、電子バーンスタイン波
よく登場する装置
この数字の作り方
- 数え方 —
- 同じものが別の名前で書かれていてもまとめて数えている。綴りが変わった時期に推移が動いて見える、ということは起きない
- 割合 —
- その時代の収録論文全体に占める比率。コーパスは1970年代より2010年代のほうが9倍大きいため、本数のままではほとんどの主題が右肩上がりに見えてしまう
- 記述 —
- その時代の論文・共起する主題・登場する装置だけを根拠にAIが書いている
- 冒頭の定義 —
- 用語そのものの説明だけは、論文26本の要旨を読ませたうえでAIの分野知識で書かせている。ここだけは収録論文に書かれていることの要約ではない
- 解説 —
- では、8本の論文(うち全文3本)と2枚の図版を読ませたうえでAIが書いている
- 範囲 —
- 収録は6誌に限られる。ここで減っていることは、分野がその取り組みをやめたことを意味しない


