レーザープラズマ(Laser plasma、laser-plasma)は、核融合・プラズマ物理学の現象。高強度レーザーの照射によって生成・駆動されるプラズマ中で、光と電子・イオンの非線形な相互作用が進行する現象である。誘導ラマン散乱や二プラズモン崩壊などの不安定性を介してエネルギーの吸収・散乱・粒子加速が起こり、慣性核融合やレーザープラズマ加速器の物理基盤を担う。この用語集が追う論文のうち、タイトルにこの主題が現れるものは423本ある。比重が最も大きかったのは2010–2014年で、その期間の論文の1.02%を占めた。直近の2025–2029年では0.61%。
解説
レーザープラズマとは、高出力レーザー光が物質に照射されることで生じる電離した状態、およびそのレーザー光とプラズマとの相互作用全般を指す。レーザー光は固体表面を瞬時に電離・加熱して密度の高いコロナプラズマをつくり、その中を伝搬しながら吸収、散乱、粒子加速といった一連の過程を駆動する。この現象は慣性核融合の駆動、レーザー粒子加速器、X線源など幅広い応用の基盤であり、その物理はミクロン・ピコ秒という極めて短い時空間スケールで展開される。

fig.1 Electron and ion acceleration from femtosecond laser-plasma peeler scheme (2023) · CC BY 4.0
Schematics of the simulation setups: a femtosecond intense laser pulse impinges on a single tape target (a), a parallel tape target (b) and a cross tape target. Note that in experiment, the target size along z-direction can be infinitely long and for the setups in (b) and (c), more parallel tapes or periodic-distributed crosses (like mesh targets) can be used.
図は、フェムト秒の強レーザー光をテープ状標的に照射する典型的な実験配置の模式図である。単一テープ、複数の平行テープ、十字テープという標的形状の違いが示されており、実際の実験ではz方向に長いテープやメッシュ状の標的も用いられる。このように、レーザープラズマ研究では目的とする加速機構や粒子線の質に応じて標的形状を工夫することが常套手段となっている。
レーザーによるプラズマの生成と加熱
強レーザー光を固体やガスに集光すると、まず表面物質が電離されてプラズマが生じる。レーザー光がプラズマ中を伝搬できるかどうかは、プラズマ周波数とレーザー周波数の大小で決まる。レーザー波長をλ₀(µm)とすると、臨界密度は n_c = 1.1×10²¹/λ₀² cm⁻³ で与えられ、この密度以下の領域(コロナ)でのみレーザー光は伝搬できる。臨界密度以下では、レーザー光は逆制動放射吸収(衝突型吸収)や共鳴吸収といった機構でエネルギーを電子に渡す。前者は電子とイオンの衝突を介した吸収で、短波長のレーザーほど効率が高い。後者は密度勾配に沿ってレーザー電場の振動方向が密度の極大点に一致したときにプラズマ波が共鳴的に励起される現象で、p偏光の斜入射で顕著になる。相対論的強度では、相対論的効果によって共鳴吸収が変調されることも知られている。
吸収されたエネルギーの一部は高温電子(ホットエレクトロン)として取り出される。ホット電子は標的内部を走行(リフラックス)し、その挙動はKα像などのX線計測で可視化される。ホット電子の生成と輸送は、後述の核融合や粒子加速の成否を左右する鍵となる。
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研究の変遷
1970–19846本 · 0.24%
診断と基礎相互作用の開拓期
レーザープラズマを主題とする論文は6本で、全タイトルの0.24%を占めるに留まった。同時に現れたのはトムソン散乱、軟X線、プラズマ診断、レーザープラズマ相互作用であり、X線顕微鏡やイオン分析器などの診断技術と刺激散乱の基礎研究が中心である。代表的なのは1975年の刺激散乱の不整合効果、1978年のトムソンパラボライオン分析器である。
同時に語られた主題トムソン散乱、軟X線、プラズマ診断、レーザープラズマ相互作用
この時代の論文から
- Effect of mismatch on stimulated scattering in laser-plasma interactionsNuclear Fusion 1975
- International conference on laser plasma: Report on the Conference, Moscow, 17–20 November 1970Nuclear Fusion 1971
- Laser Plasma Fusion (Report on the Eighth International Conference, Rynia near Warsaw, Poland 19-23 May 1975)Nuclear Fusion 1975
この数字の作り方
- 数え方 —
- 同じものが別の名前で書かれていてもまとめて数えている(Laser plasma、laser-plasma など)。綴りが変わった時期に推移が動いて見える、ということは起きない
- 割合 —
- その時代の収録論文全体に占める比率。コーパスは1970年代より2010年代のほうが9倍大きいため、本数のままではほとんどの主題が右肩上がりに見えてしまう
- 記述 —
- その時代の論文・共起する主題・登場する装置だけを根拠にAIが書いている
- 冒頭の定義 —
- 用語そのものの説明だけは、論文99本の要旨を読ませたうえでAIの分野知識で書かせている。ここだけは収録論文に書かれていることの要約ではない
- 解説 —
- では、7本の論文(うち全文4本)と2枚の図版を読ませたうえでAIが書いている
- 範囲 —
- 収録は6誌に限られる。ここで減っていることは、分野がその取り組みをやめたことを意味しない

