球状トカマク(Spherical tokamak、spherical tokamaks)は、核融合・プラズマ物理学の装置。アスペクト比(主半径と副半径の比)が1.1〜2程度と小さいトカマクで、プラズマが球状に近い形状を持つ。中心ソレノイドの容積が限られる一方、高いベータ値と自然な伸長を得やすく、コンパクトな核融合炉や中性子源として注目されている。この用語集が追う論文のうち、タイトルにこの主題が現れるものは353本ある。比重が最も大きいのは直近の2025–2029年で、その期間に発表された論文の1.07%を占める。この用語集がこの主題を最初に拾うのは1990年以降で、それ以前の収録論文には現れない。
解説
球状トカマクは、プラズマトーラスの主半径と副半径の比(アスペクト比)を従来トカマクの3程度から2以下、多くの場合1.2〜1.6まで下げた磁気閉じ込め装置である。断面形状はドーナツというより「芯を抜いたリンゴ」に例えられ、中心柱にトロイダル場コイルを集中させることで、小さな機械体積で高いプラズマ性能を狙う。図はその典型例として、高磁場球状トカマクST40の断面を示す。細くねじられた24枚のくさび材からなる中心柱のトロイダル場コイルを軸に、内側・外側の真空容器、極向き場コイル、ダイバータ組立体がコンパクトに配置されている様子が分かる。

fig.1 Overview of recent results from the ST40 compact high-field spherical tokamak (2024) · CC BY 4.0
A cross-section of the ST40 high-field spherical tokamak showing (1) in-vessel merging compression coils, (2) inner vacuum chamber, (3) outer vacuum chamber, (4) TF centre column consisting of 24 twisted wedges and overwound solenoid, (5) TF flexible joints, (6) TF return limbs, (7) pre-tensioned carbon bands, (8) BVL coils, (9) BVU coils, (10) DIV coils and (11) the divertor assemblies.
概念と幾何:低アスペクト比の利点
アスペクト比 A = R/a は、トーラスの主半径 R と副半径 a の比であり、ITER(3.1)やJT-60SA(2.5)のような通常トカマクでは工学上の理由から3前後に取られてきた。球状トカマクは A < 2、代表機では1.3前後まで下げる。これが本質的に重要なのは磁場構造の側である。トロイダル場の強さは主半径に反比例して減衰するため、低アスペクト比では磁場線が内側(曲率が安定な強磁場側)に長く留まり、外側の不安定な弱磁場側を短く通る。このためプラズマは磁場圧力に対して高い圧力を安定に保持できる。圧力と磁場圧力の比であるベータ値でいえば、通常トカマクの2倍以上、実験では30%台という値が維持できることが初期の装置で示された。
推移
他の項目を重ねる
研究の変遷
1985–19942本 · 0.04%
球状トカマクの概念確立と初期進展
この時代の論文はわずか2本であり、球状トカマクの概念的な特徴と実験の進捗を報告している。1992年の論文は「自然伸長」を扱い、1994年の論文は球状トカマク全体の進展を総括しており、装置名としてはまだ特定のマシンは登場しない。
この時代の論文から
- 'Natural elongation' of spherical tokamaksNuclear Fusion 1992
- Progress on spherical tokamaksPlasma Physics and Controlled Fusion 1994
1995–200457本 · 0.58%
MASTによる装置的確立と統合研究
球状トカマクはMAST装置を中心に実験的・理論的に発展し、磁気リコネクション、定常運転、中性粒子ビーム、Hモード、 energetic particle などと併せて議論された。代表的な論文として、Culhamの球状トカマク計画やSTARTでの中性粒子ビーム加熱、TS-3でのリコネクション加熱実験における高ベータ特性が挙げられる。また、統合プラズマモデリングによる発電炉設計も現れ始めた。
よく登場する装置
この数字の作り方
- 数え方 —
- 同じものが別の名前で書かれていてもまとめて数えている(Spherical tokamak、spherical tokamaks など)。綴りが変わった時期に推移が動いて見える、ということは起きない
- 割合 —
- その時代の収録論文全体に占める比率。コーパスは1970年代より2010年代のほうが9倍大きいため、本数のままではほとんどの主題が右肩上がりに見えてしまう
- 記述 —
- その時代の論文・共起する主題・登場する装置だけを根拠にAIが書いている
- 冒頭の定義 —
- 用語そのものの説明だけは、論文120本の要旨を読ませたうえでAIの分野知識で書かせている。ここだけは収録論文に書かれていることの要約ではない
- 解説 —
- では、8本の論文(うち全文4本)と2枚の図版を読ませたうえでAIが書いている
- 範囲 —
- 収録は6誌に限られる。ここで減っていることは、分野がその取り組みをやめたことを意味しない

