磁場反転配位(Field-Reversed Configuration、FRC、field reversed)は、核融合・プラズマ物理学の現象。ポロイダル磁場のみで構成される閉じた磁力線を持つ軸対称コンパクトトロイドで、プラズマ圧が磁気圧を超える超高ベータ状態を特徴とする。単純な形状と自然ダイバータ性から核融合炉心として有望視され、合体形成や磁気圧縮などによる研究が進む。この用語集が追う論文のうち、タイトルにこの主題が現れるものは186本ある。比重が最も大きかったのは1980–1984年で、その期間の論文の1.23%を占めた。直近の2025–2029年では0.40%。この用語集がこの主題を最初に拾うのは1975年以降で、それ以前の収録論文には現れない。
解説
磁場反転配位(Field-Reversed Configuration、FRC)は、プラズマ自身のトロイダル電流が作るポロイダル磁場だけで閉じた磁面を形成する、軸対称のコンパクトトーラス配位である。外部のトロイダル磁場コイルを一切必要とせず、プラズマ圧力と磁場圧力がほぼ釣り合う高ベータ(体積平均ベータがほぼ1)の閉じた閉じ込め領域が、鏡場のような開磁場構造の中に浮かぶ単連結の配位となる。この単純な線形幾何と高ベータ性質により、小型で経済的な核融合炉の候補として長く研究されてきた。FRCの磁場構造の概要を図に示す。図には分離面(separatrix)、磁気ミラー、O点、X点、トロイダル電流jの向きが描かれており、イオンは反磁性方向の強いトロイダル流(アルフヴェン速度に達する)を持つ。

fig.1 Observation of self-organized FRC formation in a collisional-merging experiment (2021) · CC BY 4.0
Schematic of magnetic configuration of FRC. An FRC has strong ion flow in the ion diamagnetic direction (same as the direction of jt ) which reaches the range of Alfvén velocity.
磁気平衡と幾何形状
FRCの断面は、軸上で磁場が反転するO点を中心とする楕円体状の閉磁場領域と、それを囲む分離面、さらに外側の鏡型開磁場領域からなる。分離面半径 r_s と壁(コイル)内半径 r_w が基本的な長さスケールであり、体積平均ベータは ⟨β⟩ = 1 − (1/2)(r_s/r_w)² と定義され、典型的なFRCではほぼ1に達する。つまりプラズマの圧力が自らの反磁性によって磁場をほぼ完全に押し退けた状態であり、同じ磁場強度なら単位体積あたりの核融合出力密度がB²に比例して最大化される高エネルギー密度配位である。
理想MHD平衡では圧力勾配、ポロイダル磁束、トロイダル電流が互いに釣り合う。FRCにはトロイダル磁場成分がなく、プラズマ電流は純粋にトロイダル方向を向くため、磁気ヘリシティ(一般化ヘリシティを含めて)が厳密には零という特異な性質を持つ。このため、ヘリシティ注入を前提とする多くの電流駆動法が使えず、加熱・電流駆動は本質的に接線入射の中性粒子線入射()に限られるという制約が、FRC開発の中心的課題の一つとなっている。ポロイダル磁束を増やして高速を捕捉できるだけの閉じた領域を確保することが、現段階で最も重要な開発課題とされる。
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研究の変遷
1970–198414本 · 0.57%
初期の磁場反転配位研究
この時代の論文は、定常状態、ピンチプラズマ、オーミック加熱、高エネルギー粒子といったテーマと並行して、磁場反転配位の基礎的な閉じ込めと粒子軌道を扱っている。FRX-C実験による電子温度測定、field-reversed mirrorにおける粒子軌道と古典拡散が代表的な題材である。
同時に語られた主題定常状態、ピンチプラズマ、オーミック加熱、高エネルギー粒子
この時代の論文から
- Field-reversed configurations with a component of energetic particlesNuclear Fusion 1982
- Flux and particle life-time measurements in field-reversed configurationsNuclear Fusion 1984
- Electron temperature measurements in the field-reversed configuration experiment FRX-CNuclear Fusion 1984
この数字の作り方
- 数え方 —
- 同じものが別の名前で書かれていてもまとめて数えている(Field-Reversed Configuration、FRC、field reversed など)。綴りが変わった時期に推移が動いて見える、ということは起きない
- 割合 —
- その時代の収録論文全体に占める比率。コーパスは1970年代より2010年代のほうが9倍大きいため、本数のままではほとんどの主題が右肩上がりに見えてしまう
- 記述 —
- その時代の論文・共起する主題・登場する装置だけを根拠にAIが書いている
- 冒頭の定義 —
- 用語そのものの説明だけは、論文106本の要旨を読ませたうえでAIの分野知識で書かせている。ここだけは収録論文に書かれていることの要約ではない
- 解説 —
- では、6本の論文(うち全文5本)と1枚の図版を読ませたうえでAIが書いている
- 範囲 —
- 収録は6誌に限られる。ここで減っていることは、分野がその取り組みをやめたことを意味しない
