イオンビーム(Ion beams、ion beam)は、核融合・プラズマ物理学の現象。イオンを加速して方向をそろえた粒子束であり、プラズマの加熱・診断、慣性核融合のドライバー、中性粒子入射の元となる負イオンビームなどに使われる。プラズマ中ではビームが不安定性や波動を励起し、エネルギー輸送や閉じ込めに影響を与える。この用語集が追う論文のうち、タイトルにこの主題が現れるものは338本ある。比重が最も大きかったのは1975–1979年で、その期間の論文の1.18%を占めた。直近の2025–2029年では0.42%。この用語集がこの主題を最初に拾うのは1975年以降で、それ以前の収録論文には現れない。
解説
イオンビームとは、電離した原子や分子を電場で加速し、ほぼ同一の方向に整列させて得られる荷電粒子流のことである。核融合研究においてイオンビームは二つの顔を持つ。一方では、水素や重水素のイオンを中性化してプラズマに注入する中性粒子入射(NBI)の基となる加熱・電流駆動手段であり、他方では、重イオンビームプローブやイオンビーム分析のように、プラズマや材料を外部から診断する探針として用いられる。さらに強力なレーザーを固体標的に照射して生成される超短パルスイオンビームや、慣性核融合の燃料加熱を狙った強度イオンビームの輸送研究など、ビームそのものが研究対象となる分野も広がっている。本項では、核融合とプラズマ物理の文脈におけるイオンビームの生成、伝播、不安定性、診断への利用を概説する。
イオンビームの生成と加速(負イオン源とNBI)
磁場閉じ込め核融合のプラズマ加熱では、イオンをそのまま入射すると磁場で偏向されて閉じ込め領域に入れないため、電荷を取り除いた中性粒子として注入する。中性化の効率はイオンの種類とエネルギーに強く依存し、正イオンを用いる方式では中性化率が高エネルギー域で急落するため、大型装置が要求するメガ電子ボルト級の入射には負イオンを用いる方式が必須となる。負イオンの中性化率は高エネルギーでも約55パーセントを保てる。このためITERの加熱中性粒子入射では、約1メガ電子ボルト、16.5メガワット、1時間の入射が設計目標とされている。
負イオン源では、まずプラズマ源内でを生成し、磁場フィルタによって引き出し領域近傍の電子温度と電子密度を下げたうえで、セシウムを塗布した電極表面からの表面生成によって負イオンを効率よく作る。生成された負イオンは多孔・多段グリッド加速器で高エネルギーまで加速されるが、この過程では負イオンと同時に多量の電子が共に引き出される。共抽出電子は偏向磁場で抽出グリッドへ導かれるため、その電流が不均一だとグリッドの局所発熱を招く。このためビームの均一性は90パーセント以上が要求され、プラズマ密度の空間分布、セシウム被覆の安定性、フィルタ磁場の方向と強さがビーム品質を直接左右する。実際、ITER用の実寸大負イオン源を用いた初期運転では、プラズマのドリフトに起因する上下方向だけでなく左右方向の不均一性が実験的に初めて確認されるなど、シミュレーションが予測しなかった挙動が示された。診断が困難な大型の電気陰性プラズマでは、引き出しされるビーム自体が引き出し領域の局所的な負イオン密度を知る最も確実な手段になるという点も特徴的である。
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推移
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研究の変遷
1970–198418本 · 0.73%
核融合加熱とペレット圧縮への応用
この時代のイオンビーム研究は、パルス大電流イオンビームによるトカマクプラズマ加熱や核融合ペレット圧縮、真空容器内での重イオンビーム輸送を扱っていた。同時に、高速アルファ粒子のエネルギー損失と電磁イオンビーム不安定性が議論され、プラズマ加熱、波動加熱、ピンチプラズマなどの話題と並行した。
同時に語られた主題プラズマ加熱、波動加熱、ピンチプラズマ、イオンビームプローブ、高エネルギーイオン、サイクロトロン不安定性
よく登場する装置
この数字の作り方
- 数え方 —
- 同じものが別の名前で書かれていてもまとめて数えている(Ion beams、ion beam など)。綴りが変わった時期に推移が動いて見える、ということは起きない
- 割合 —
- その時代の収録論文全体に占める比率。コーパスは1970年代より2010年代のほうが9倍大きいため、本数のままではほとんどの主題が右肩上がりに見えてしまう
- 記述 —
- その時代の論文・共起する主題・登場する装置だけを根拠にAIが書いている
- 冒頭の定義 —
- 用語そのものの説明だけは、論文120本の要旨を読ませたうえでAIの分野知識で書かせている。ここだけは収録論文に書かれていることの要約ではない
- 解説 —
- では、4本の論文(うち全文2本)と1枚の図版を読ませたうえでAIが書いている
- 範囲 —
- 収録は6誌に限られる。ここで減っていることは、分野がその取り組みをやめたことを意味しない

