サイクロトロン波(Cyclotron wave、cyclotron waves)は、核融合・プラズマ物理学の現象。磁場中の荷電粒子のサイクロトロン運動と結合して伝播する波動で、電子サイクロトロン波とイオンサイクロトロン波に大別される。プラズマの加熱や非誘導電流駆動、あるいは波動励起による粒子加速・輸送現象の原因となり、核融合実験装置から宇宙プラズマまで広く現れる。この用語集が追う論文のうち、タイトルにこの主題が現れるものは145本ある。比重が最も大きかったのは1985–1989年で、その期間の論文の0.83%を占めた。直近の2025–2029年では0.16%。
解説
サイクロトロン波とは、磁場中の荷電粒子が磁力線の周りで行うラーモア回転(サイクロトロン運動)の周波数に近い周波数を持つ電磁波・静電波の総称である。磁化プラズマ中では、波の周波数が電子またはイオンのサイクロトロン周波数(あるいはその高調波)と共鳴すると、波のエネルギーが選択的に粒子へ移渡される。この共鳴性を利用して、サイクロトロン波は核融合プラズマの加熱と電流駆動の中心的な手段となっており、波を担う粒子の種類に応じて電子サイクロトロン波とイオンサイクロトロン波の二つの大きな系に分けられる。
磁化プラズマ中のサイクロトロン波
一様な磁場中に置かれた荷電粒子は、磁場に垂直な面内でサイクロトロン周波数 ωc = qB/m(q は電荷、B は磁束密度、m は質量)で回転する。電子はイオンに比べて質量が小さいため、同じ磁場で数千倍高い周波数で回転する。この回転運動と位相の合った波の電場が粒子に作用すると、エネルギーのやり取りが共鳴的に強められる。これがサイクロトロン波とプラズマの相互作用の基本であり、共鳴条件には波数の平行成分 k∥ と粒子の平行速度 v∥ によるドップラー効果が入り、実効的な共鳴周波数は ω − k∥v∥ = nωc/γ(n は高調波の次数、γ は相対論的補正因子)の形で書かれる。
波の性質は周波数帯域によって大きく異なる。電子サイクロトロン周波数帯(トカマクでは通常 100 GHz 前後)の波は波長が短く、細いビームとして伝播させることができ、真空中も伝播するためプラズマ端の条件に結合が左右されない。一方、イオンサイクロトロン周波数帯(数十 MHz)の波は波長が装置サイズに近く、アンテナから近接場としてプラズマに結合される。また、密度が波のカットオフ密度を超えた「過密度」プラズマに対しては、通常の電磁波が届かないため、静電波であるバーンスタイン波が高域側から注入されるという別経路が使われる。
電子サイクロトロン波による加熱と電流駆動
電子サイクロトロン共鳴加熱(ECRH)は、ジャイロトロンと呼ばれる高周波源から発生させたマイクロ波を、鏡系を介して細いガウスビームとしてプラズマに注入するものである。波は共鳴層と呼ばれる磁場が特定の値をとる薄い面で局所的に吸収され、電子を垂直方向に加速した後、衝突を通じて一括のプラズマを加熱する。吸収位置はビームの射出角度とトーラスの磁場分布によって決まり、可動鏡の角度を変えることで加熱位置をプラズマ中心から端まで連続的に制御できる。例えば では 140 GHz のジャイロトロン 4 基(1 基あたり 1 MW、1000 秒動作)が備えられ、第 2 高調波 X モードで B = 2.5 T の共鳴層に吸収させる。次の図は、このようなシステムの全体構成とビームの伝播を示したものである。
推移
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研究の変遷
1970–19845本 · 0.20%
初期のサイクロトロン波研究
この時代のサイクロトロン波は全タイトルの0.2%と小規模であり、電子サイクロトロン波による電流駆動、イオンサイクロトロン波の生成、二イオンプラズマ中の波動励起、静電イオンサイクロトロン波の励起における電子捕集ディスクの役割などが研究された。ティアリングモードやコイル・プラズマ結合といった課題と並んで論じられている。
同時に語られた主題電子サイクロトロン波、テアリングモード、電流駆動
この時代の論文から
よく登場する装置
この数字の作り方
- 数え方 —
- 同じものが別の名前で書かれていてもまとめて数えている(Cyclotron wave、cyclotron waves など)。綴りが変わった時期に推移が動いて見える、ということは起きない
- 割合 —
- その時代の収録論文全体に占める比率。コーパスは1970年代より2010年代のほうが9倍大きいため、本数のままではほとんどの主題が右肩上がりに見えてしまう
- 記述 —
- その時代の論文・共起する主題・登場する装置だけを根拠にAIが書いている
- 冒頭の定義 —
- 用語そのものの説明だけは、論文92本の要旨を読ませたうえでAIの分野知識で書かせている。ここだけは収録論文に書かれていることの要約ではない
- 解説 —
- では、8本の論文(うち全文3本)と2枚の図版を読ませたうえでAIが書いている
- 範囲 —
- 収録は6誌に限られる。ここで減っていることは、分野がその取り組みをやめたことを意味しない


