磁気島(Magnetic islands、magnetic island)は、核融合・プラズマ物理学の現象。磁力線の再結合により有理面上に生じる、周囲と隔離された閉じた磁気面構造である。トカマクやヘリカル装置のプラズマ中でテアリングモード等の抵抗性不安定性や外部摂動によって成長し、内部の温度・密度分布を平坦化して輸送を劣化させる。その幅や回転を制御することは高圧力プラズマの安定維持に重要である。この用語集が追う論文のうち、タイトルにこの主題が現れるものは260本ある。比重が最も大きかったのは2005–2009年で、その期間の論文の0.61%を占めた。直近の2025–2029年では0.54%。この用語集がこの主題を最初に拾うのは1975年以降で、それ以前の収録論文には現れない。
解説
磁気島(magnetic island)とは、トーラス型核融合プラズマ中で、磁力線が本来の入れ子状磁気面から外れ、有理面を中心に島状の閉じた構造を形成する現象である。プラズマ閉じ込めの破綻や輸送の変化の主因の一つであると同時に、ダイバータとして積極的に利用される側面も持つ。
磁気島とは何か:有理面、O点、セパラトリクス
トーラスプラズマ中の磁力線は、ポロイダル方向とトロイダル方向の両方に回転しながら磁気面上を周回する。回転変換 ι(ポロイダル磁束とトロイダル磁束の比)が有理数 n/m となる磁気面では、磁力線は m 回のトロイダル周回ごとに n 回のポロイダル周回を閉じる。このような有理面に、同じモード構造を持つ半径方向磁場摂動が加わると、磁力線の軌道は分岐し、有理面を中心とした島状の磁力線軌道、すなわち磁気島が形成される。磁気島の中心には安定な周期軌道である「O点」があり、その周囲に磁気面が入れ子状に存在する。一方、不安定な周期軌道である「X点」からはセパラトリクスと呼ばれる境界面が伸び、島の内外を分ける。島の幅は、摂動磁場の強さとシア(ι の半径方向勾配)によって決まり、摂動が強いほど、またシアが弱いほど広くなる。
磁気島が閉じ込めに有害なのは、その体積充填性による。磁力線に沿って動く粒子は、島の内部では大きな半径領域を短時間で横断でき、島の幅にわたって圧力や温度が平坦化される。その結果、有限体積の「平坦化領域」が生じ、プラズマの全蓄積エネルギーが低下する。さらに隣接する島が成長して互いに重なり合うと、磁力線が領域内をランダムに歩回る「確率的(ストカスティック)領域」が形成され、閉じ込めは深刻に劣化する。図は、q = 2 の有理面(正規化小半径 0.61)に強制された m/n = 2/1 の磁気島を示したポアンカレプロットであり、左の q プロファイルは有理面の位置を示す。島の断面に O 点が並び、その周囲に入れ子状の磁気面が張り付く様子が分かる。

fig.1 Plasma self-driven current in tokamaks with magnetic islands (2025) · CC BY 4.0
q-profile of a C-MOD L-mode plasma (left); Poincare plot (right) showing an imposed 2/1 island centered at q = 2 (at the normalized minor radius r/a = 0.61) in the simulations.
推移
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研究の変遷
1970–19846本 · 0.24%
初期理論とディスラプション関連
トカマクにおける磁気島の進化や外部源による駆動について理論・数値研究が中心であり、TOSCAトカマクでのディスラプションとの関連も調べられた。高エネルギー runaway 軌道と m=2 磁気島の関係も扱われ、磁気島研究の基礎が築かれた。
同時に語られた主題プラズマディスラプション
この時代の論文から
- Evolution of magnetic islands in tokamaksNuclear Fusion 1980
- Numerical study of magnetic island suppression by RF waves in large tokamaksNuclear Fusion 1984
- Magnetic islands and disruptions in the TOSCA tokamakNuclear Fusion 1979
- Magnetic islands driven by external sourcesNuclear Fusion 1983
1985–1994
よく登場する装置
この数字の作り方
- 数え方 —
- 同じものが別の名前で書かれていてもまとめて数えている(Magnetic islands、magnetic island など)。綴りが変わった時期に推移が動いて見える、ということは起きない
- 割合 —
- その時代の収録論文全体に占める比率。コーパスは1970年代より2010年代のほうが9倍大きいため、本数のままではほとんどの主題が右肩上がりに見えてしまう
- 記述 —
- その時代の論文・共起する主題・登場する装置だけを根拠にAIが書いている
- 冒頭の定義 —
- 用語そのものの説明だけは、論文120本の要旨を読ませたうえでAIの分野知識で書かせている。ここだけは収録論文に書かれていることの要約ではない
- 解説 —
- では、7本の論文(うち全文7本)と4枚の図版を読ませたうえでAIが書いている
- 範囲 —
- 収録は6誌に限られる。ここで減っていることは、分野がその取り組みをやめたことを意味しない



