全体の0.26%を占め、前時代より比率が高まっている。Current drive、Plasma diagnostics、Runaway electron、Lower hybrid current driveなどと共に現れ、TEXTORにおける赤外シンクロトロン放射の観測が行われている。電子トラップの影響や2.45GHzのlower hybrid current drive実験でのスペクトル測定も特徴的である。
Demonstration of the spectrum difference between synchrotron and ECE radiation (a) ECE emissivity spectrum from a single electron at multiple harmonics n = 1,2,3.7 from one 5 keV electron and one 50 keV electron. (b) and (c) Synchrotron emissivity spectrum n = 1,2,3….1000 from one 19.5 MeV runaway electron and one 4.5 MeV runaway electron. Both cases have the wave view angle equal to the electron pitch angle. Free space (no plasma) is assumed where the refraction index N = 1. Lines are drawn in figures to demonstrate the spectrum shape, while essentially the spectrum is discrete and there is only emission power at the discrete harmonics.
図(a)では低エネルギー電子の放射が n = 1, 2, 3 の離散的な高調波で急減衰するのに対し、図(b)(c)のメガ電子ボルト級電子ではマイクロ波帯から赤外・可視帯まで滑らかなピークを持つスペクトルが現れる。この違いこそが、後述するように二種類の放射を観測上区別する根拠となる。
Beaming effect on the synchrotron radiation. (a) The synchrotron radiation spectrum of a single electron in the whole frequency band (b) the synchrotron radiation spectrum of a single electron in the microwave frequency band.
さらに低周波側では、プラズマの屈折率が 1 からずれることが放射強度そのものを変える。屈折率が下がると放出が抑制されるラジン効果が働き、特に基本サイクロトロン周波数以下の帯域では顕著である。次の図は、単一電子の放射スペクトルに対する屈折率 N の影響を、標準的な第2高調波帯とサブサイクロトロン帯で比較したものである。
Razin effect on the synchrotron radiation, where the refraction index can sensitively change the synchrotron emissivity. The synchrotron emissivity spectrum of a single electron is modeled with respect to different wave refraction indices in the frequency region (a) near 2{f_{ce}} (b) below the fundamental cyclotron frequency.
図(a)では N が 1 から 0.94 に下がるだけで第2高調波帯の放射がほぼ消滅するのに対し、図(b)のサブサイクロトロン帯では N の低下とともに放射が抑制され、低密度でなければこの帯域の波はエバネッセントになることを示している。実際、通常の放電ではサブサイクロトロン帯の電磁波はほとんどのプラズマ中で伝播できず、この帯域の診断があまり用いられてこなかった一因となっている。レーザー照射プラズマでの研究では、放出された放射が周囲の冷たいプラズマに自己吸収される効果も指摘されており、放射を診断に使う際には放出と吸収を常にセットで扱う必要がある。
ランナウェイ電子のシンクロトロン診断
トカマクの異常終了(ディスラプション)時に生じる相対論的ランナウェイ電子は壁材料への深刻な脅威であり、その分布を非侵襲で監視することが重要である。最も広く使われている手法は可視・赤外カメラによる観測である。ランナウェイ電子の放射は進行方向に強く偏向しているため、磁力線方向から見ると放射スポットとして映り、その空間構造とスペクトルから電子のエネルギー分布、閉じ込め位置、垂直運動量が分かる。TEXTOR での観測では、赤外放射の空間構造からランナウェイ電子がプラズマ半径よりやや大きい直径 0.5〜0.6 m のトーラス状に分布すること、垂直方向の運動量が約 5 m₀c であることが初めて直接示された。また赤外信号の時間遅れから電子のランナウェイ転換率を推定でき、その値は電場と臨界電場の比から予想される理論値と一致した。ディスラプション時の観測でも同様に、放射強度から約 40 kA に相当する約 10¹⁶ 個のランナウェイ電子が存在すると評価されている。