直近5年度94件 · 全国27機関 · 科研費全体の23.4% · 通算555件
本領域では、核融合炉の実現に不可欠な材料と炉工学の研究が進められている。プラズマ対向材料としてのタングステンの水素同位体挙動や、増殖ブランケットの液体金属・機能性被覆、トリチウムの透過・除去、超伝導マグネット材料など、多岐にわたる課題に取り組む。東北大学、核融合科学研究所(NIFS)、量子科学技術研究開発機構(QST)などが中心となり、中性子照射や高温・高熱負荷環境を模擬した実験とシミュレーションを組み合わせて研究を推進している。
この領域が扱うのは タングステン、第一壁、プラズマ対向機器、増殖ブランケット、ブランケットモジュール、テストブランケットモジュール、増殖ブランケット、中性子工学、トリチウム、リチウム、鉛リチウム共晶、ベリリウム、液体金属、液体リチウム、低放射化フェライト/マルテンサイト鋼、遠隔操作、真空容器、超伝導磁石、熱水力、遮蔽、核融合発電所 といった主題です。
この領域の課題の概要からまとめた、いま取り組まれているテーマ。
プラズマ対向壁材料のタングステンについて、水素同位体との相互作用、照射損傷、表面ナノ構造形成、再結晶抑制などの研究が行われている。
トリチウムの透過漏洩を防ぐ被覆材の開発、同位体交換による除去、非破壊定量手法の確立など、炉内トリチウム管理技術が研究されている。
液体鉛リチウムブランケットの機能性被覆、MHD圧力損失の抑制、リチウム6濃縮、ベリリウムリサイクルなどの研究が進められている。
高温超伝導線材やNb3Sn導体について、強磁場特性、接合技術、非破壊検査手法の開発、照射損傷の評価が行われている。
中性子照射による脆化や弾き出し・堆積現象のモデル化、高速炉を利用した照射試験、複合環境下でのその場計測などの研究がある。
核融合炉の過酷環境に直接さらされる材料に焦点を当て、実機設計を見据えた要素技術開発が特徴。特にタングステンや液体金属、超伝導材料など、プラズマ・中性子・高温・強磁場の複合環境下での挙動解明が中心で、NIFSやQSTなどの共同研究機関が多くの課題を牽引している。
直近5年度にこの領域の課題を持っている機関。括弧内は課題数で、ページのある機関はリンクしています。
この領域の課題に登録されたキーワードの頻出順。用語ページがあるものはリンクしています。
2022年度以降に期間が続いている94件。概要は研究代表者本人が科研費に登録した文章です。
代表 増崎 貴研究部
核融合炉のプラズマ対向壁で特に熱負荷が大きいダイバータ板を自由表面液体金属流で形成することを検討している。本研究では、①電子ビーム照射装置を用いて、磁場と粒子負荷が無い条件で、液体金属流に熱負荷だけを印加する実験から、液体金属流における熱輸送を明らかにする。②水素同位体およびヘリウムのガスおよびプラズマを、流動しない静置した液体金属に照射し、液体金属の拡散係数、透過係数を評価する。③核融合炉の10分の1程度の磁場中で液体金属流にプラズマを照射し、①、②で得られる知見を基に、プラズマ照射された液体金属流における熱・粒子輸送を明らかにする。これにより、自由表面液体金属流ダイバータの検討を進める。
液体金属 · ダイバータ · 核融合炉 · 熱輸送 · 粒子輸送
KAKEN 25K00990代表 菱沼 良光研究部
核融合炉における超伝導マグネットの低コスト化を図るために、本質的に機械歪み印加耐性の高いNb3Al高磁場超伝導線材をミクロンオーダーの線径まで超極細線材加工した可撓性に富む素線及びそれによる縮小導体の試作と特性評価を行い、将来的にフレキシブルな素線によるリアクト&ワインド(R&W)法による革新的な核融合導体の実現に向けた学術的知見を得ることを目的とする。フレキシブルでR&W法の適用可能な化合物系高磁場超伝導線材の出現は、核融合超伝導マグネットだけでなく各種超伝導機器の製造方法を抜本的に簡素化して化合物系超伝導線材の応用範囲を拡大する方向に資する。
Nb3Al超伝導線材 · 極細加工線材 · 核融合マグネット · 縮小導体 · リアクト&ワインド法
KAKEN 25K00988代表 今川 信作研究部
高温超伝導テープ線(REBCO線)を核融合マグネットに適用するためには,冷却方法とコイル保護に関する研究が重要である。本研究の目的は,水素で直接冷却されたREBCO線の熱暴走を開始する発熱(電圧)の挙動を実験で明らかにし,熱暴走を回避する条件を具体的に導出することである。局所的な劣化部を導入したコイル形状の試験体を用いて,高負荷領域における電圧特性や熱暴走特性を明らかにし,解析モデルを構築する。
超伝導マグネット · 液体水素 · REBCO · 冷却安定性 · 熱暴走
KAKEN 25K00987代表 矢嶋 美幸研究部
プラズマ対向壁からスパッタリングにより弾き出された壁材料原子は、水素同位体やヘリウム等のプラズマ粒子を巻き込みながらプラズマ対向壁に堆積し、共堆積層を形成する。共堆積層が形成されると放電中の粒子バランスに影響を及ぼす。しかし、プラズマ照射環境下における共堆積層形成材料の“動的な”水素同位体吸蔵に関する基礎データおよび水素同位体交換時の水素同位体深さ分布については未だ明らかになっていない。そこで本研究では、プラズマ照射とイオンビーム解析を同時に実施可能な装置を開発し、様々なプラズマ照射条件下でのタングステン共堆積層形成試料における動的な水素同位体吸蔵量および水素同位体の深さ分布を明らかにする。
タングステン · 金属共堆積層 · 水素同位体 · イオンビーム解析 · プラズマ
KAKEN 25K00017代表 ZHAO Mingzhongその他部局等
核融合炉材料低放射化フェライト鋼(RAFM鋼)、銅(Cu)、CuCrZr合金の水素同位体透過・滞留特性は、核融合炉の安全運転や保全を考えると明らかにするべき重要なテーマである。金属材料内の透過・滞留は濃度勾配だけでなく、温度勾配にも依存する。本研究は、試料内部の温度勾配をパラメータに、重水を水素同位体のトレーサーとして用いることで、材料から超軽水を用いた冷却水へ混入する重水素量を検出する。水中の重水素濃度の連続計測を実現するために、中赤外レーザーとヘリオットセルを用いた水同位体計測システムを構築した。
レーザー分光 · 水同位体 · 水素同位体透過 · 核融合炉材料 · 温度勾配
KAKEN 24K17033代表 森崎 友宏研究部
本研究は、文明社会が将来にわたって持続・発展するために不可欠な、次世代エネルギー(電力)源として期待されている「フュージョンエネルギー」の実現に貢献する。 エネルギーを生み出す「核融合炉」は、プラズマと呼ばれる高温の電離ガスを閉じ込める巨大装置である。炉内の一部は高い熱負荷に曝されるため、そこで発生する熱を安全かつ効率的に除去する必要がある。 本研究は、炉内の高熱負荷機器の受熱部に使用されるタングステン等の高融点金属と、その除熱に用いる材料を結合する、高性能接合技術の確立を目指す。
異材接合 · ダイバータ · タングステン · 核融合炉 · プラズマ対向壁
KAKEN 24K07001代表 伊藤 篤史研究部
ITERや核融合原型炉など高フラックスのプラズマ照射環境では、ダイバータの熱負荷に限らず、弾き出しと堆積現象も閉じ込めとトリチウム蓄積に関わる重要課題である。しかし現状では、弾き出しに関しては信頼性の低いレガシーなモデルが使われており、堆積現象に至っては決定的な計算手法が存在しない。この状況を打破する為、2つの現象に共通した理論的課題を、原子移動のエネルギー障壁モデル開発として捉えなおす。機械学習ポテンシャル開発を参考に原子の移動方向という追加の変数を加えることで、エネルギー障壁の高精度・高速予測を可能にする。それを用いて、実験と対比可能な弾き出し・堆積シミュレーションモデルを構築する。
プラズマ-壁相互作用 · スパッタリング · 堆積 · 動的モンテカルロ法 · 分子シミュレーション
KAKEN 24K00617代表 室賀 健夫研究部
核融合炉のダイバータは、熱負荷による劣化のため高頻度交換が必要となり、それが核融合炉からの放射性廃棄物の主な排出源となると予想される。本研究では、めっき被覆と熱間等方加圧(HIP)処理によるダイバータの機能再生、再利用の見通しを明らかにすることを目的とする。熱負荷により表面に貫通する亀裂が生じたダイバータ用タングステン板を用い、その亀裂部分にめっきによりタングステンを被覆し、HIP処理を行う。これにより亀裂を修復し熱除去機能を再生させることが可能であることを実証する。得られた修復材の特性、めっき被覆やHIP処理の条件依存性を求め、本修復法の適用範囲を明らかにする。
めっき被覆 · 熱間等方加圧 · 亀裂修復 · 核融合炉 · 高熱負荷機器 · レーザー照射 · 熱負荷試験 · ダイバータ
KAKEN 24K00616代表 時谷 政行研究部
研究代表者が発明した世界初の特許技術「先進多段階ろう付接合法(Advanced Multi-Step Brazing: AMSB)」と,原子レベルに迫る接合部評価法「ナノスケールのプロファイリング技術」を用いて,酸化物分散強化銅(ODS-Cu)をヒートシンクとした「(1)核融合炉用新構造ダイバータ受熱機器」の高度化,および「(2)パワーデバイス用超高効率ヒートシンク」,「(3)高冷却効率省電力微小電極ロッド」の開発を行う. 本研究を通じて同技術による「ダイバータ受熱機器の高度化:[(1)に関連]」を行うと同時に「同技術の異分野への展開・社会実装への基盤を確立:[(2)と(3)に関連]」させる.
先進多段階ろう付接合法(AMSB) · ナノスケールのプロファイリング技術 · ダイバータ受熱機器 · パワーデバイス用ヒートシンク · 微小電極ロッド
KAKEN 24K00614代表 向井 啓祐研究部
核融合炉の増殖ブランケットは燃料生産と熱の回収を担う重要機器であり、ベリリウム化合物によって中性子を増倍し、リチウム化合物によって燃料生産を行う。中性子増倍材であるベリリウム金属の水蒸気酸化は熱暴走や水素爆発を誘発する。この水素発生反応を抑制するために金属間化合物化による水素発生量低減の研究がなされてきたが、冷却水損失事故発生時の水素発生に対する根本的な解決には至っていない。本研究では、材料探索と高温特性試験により、事故耐性の高いハイブリッドセラミックス材料を製造する。自己自給性を満たす最適構造を明らかにし、固有の安全性を持つ新しいブランケットの設計指針を示す。
セラミックス · 事故耐性 · 核融合 · ブランケット · 水素発生 · 安全性 · 第一原理計算 · モンテカルロ法
KAKEN 23K25853代表 田中 照也研究部
冷却材として液体金属を用いる先進核融合発電炉では、強磁場によるMHD圧力損失 (電磁ブレーキ効果) を抑制するために、金属配管の内壁に厚み1μm程度のセラミック電気絶縁被覆が施される計画であるが、高エネルギー中性子が大量に照射される炉内では、隣接する金属壁や冷却材中の金属原子が中性子によりはじき飛ばされて被覆層に入射し続けることになる。このはじき飛ばされた反跳金属原子は被覆材料中で0.3~6μmの深さまで到達し、濃度も5年間の運転中に原子数比で数%のオーダーに達する。本計画では、反跳金属原子がセラミック電気絶縁被覆の絶縁性能に及ぼす影響とそのメカニズムを調べるための実験研究を展開する。
セラミック · 電気絶縁 · 反跳原子 · 金属原子 · 照射効果 · イオンビーム · 反跳金属原子 · セラミック材料
KAKEN 23K22480代表 申 晶潔研究部
This research is to investigate formation behaviors and the stability of nanoscale oxide particles in the ODS ferritic steel after extremely large plastic deformation to reveal the formation mechanisms of oxide particles, optimize the process parameters and develop the stable oxide particles.
ODS steel · Oxide particles · Ion irradiation · Irradiation effects · Microstructure · ODS ferritic steel · nanoscale particles · formation mechanisms
KAKEN 23K13087代表 小野寺 優太研究部
核融合炉用超伝導マグネットの高磁界化に向けて、高温超伝導(HTS)線材を束ねた大電流HTS導体の研究開発が世界中で進められている中、製作過程で通電特性が局所的に劣化する現象が観測されており、克服すべき課題となっている。HTS線材自体の品質保証技術は確立してきているのに対し、線材を集合化した導体の品質を検査する方法については、導体そのものが研究開発段階であることから技術的に確立していない。本研究では磁化測定を用いた新たな導体評価技術を開発し、HTS導体の通電特性および局所的な欠陥を非破壊・非接触で評価する手法を確立させるとともに、HTS導体の劣化発生メカニズムを明らかにする。
高温超伝導導体 · 非破壊検査 · 磁化測定 · 欠陥検出手法
KAKEN 23K13086代表 浜地 志憲研究部
非炭素電源として期待される核融合発電ではプラズマの純度管理が重要であるが、求められる純度が非常に高いため、固体壁からの脱離不純物などによって容易に性能が劣化するため、液体金属壁は核融合発電実現のために大きな注目を集めている。本研究は、これまでに行われてきた滞留型の液体金属壁でなく、液体金属の"滝"を壁面に流すことで常時清浄な液体金属壁を維持する自由表面流液体金属壁の実現を想定し、プラズマ装置内部に液体金属自由表面流を形成する新装置を製作して、プラズマと液体金属の相互作用について調べる研究である。
プラズマー材料相互作用 · プラズマー液体金属相互作用 · 核融合炉ダイバータ · 核融合プラズマ材料相互作用 · 液体金属 · プラズマ対向機器 · 自由表面流 · 濡れ性改善
KAKEN 22K14024代表 小林 真研究部
核融合炉において、真空容器における燃料トリチウム滞留量の高精度評価は、炉システム設計や炉運転シナリオの決定、安全性評価のため重要である。そこで本研究では、核融合炉材料中の照射欠陥の移行現象と、この照射欠陥との相互作用を含むトリチウム移行現象を評価するプログラムを作成・結合させることで、炉運転に伴う炉内トリチウム滞留量変化の定量予測を行う。また、加速器などを用いて炉材料に照射欠陥を導入し、水素同位体滞留量、透過速度、脱離挙動等の測定を通し、上記プログラムの妥当性評価を行う。これにより確度の高い炉内トリチウム滞留量評価を可能とする。
照射損傷 · 中性子 · 水素同位体 · 照射欠陥 · タングステン · トリチウム
KAKEN 21K13903代表 申 晶潔ヘリカル研究部
This research will investigate the high-temperature mechanical properties and irradiation damage resistance of the developed ODS ferritic steel by the new multi-directional thermomechanical process.
ODS steel · Cold rolling · Thermal annealing · Recrystallization · Mechanical properties · Ion irradiation · Irradiation hardening · Irradiation defects
KAKEN 20K14445代表 菱沼 良光研究部
ITER以降の原型炉における超伝導マグネットに対して実用性及び生産性に優位なブロンズ法Nb3Sn極細多芯線の高強度化が切望されている。 これまでに、従来の外部補強による高強度化ではなく、金属学的相変態論に基づく固溶強化機構を利用した三元系ブロンズ(Cu-Sn-In)による新しく簡素な高強度化に成功し、最高の機械強度を示した。しかし、超伝導特性に大きく影響するブロンズ母材中の初期Sn量の低下が明らかになった。 当該研究では、これまでに得られた成果を更に高度化する目的で、高Sn濃度合金等を配置した外部Sn拡散等を駆使することで高超伝導特性と高強度を両立した革新的ブロンズ法の実現を目指す。
核融合 · Nb3Sn線材 · 高強度化 · 固溶強化 · 臨界電流特性 · 応力・ひずみ効果 · Nb3Sn · 内部強化
KAKEN 20H01889代表 時谷 政行研究部
先進多段階ろう付接合法(AMSB)を用いたダイバータ受熱機器製造技術を確立させる.AMSBは「GlidCop同士」あるいは「GlidCopとGlidCopよりも融点の高い各種金属」に対し,流体漏れのない条件の接合を1つのダイバータ受熱機器製造過程で繰り返し適用可能とした特許技術である.各接合部はろう付の性能をはるかに超えた強靭な品質であることがわかっているが,その接合メカニズムの詳細は不明である.本研究では,まず,接合部の微細構造解析等により接合メカニズムの解明を行い,更なる接合特性改善のための指針を得る.得られた指針を基に,AMSBによる大規模ダイバータ受熱機器の設計・製造技術を確立させる.
先進的ろう付接合 · ダイバータ · タングステン · 銅合金 · 微細構造解析
KAKEN 20H01887代表 矢嶋 美幸研究部
核融合炉候補材料であるタングステンにヘリウムが照射されると、タングステン表面近傍にヘリウムの集合体(以下、ヘリウムバブルと表記する)が形成されることがわかっている。ヘリウムバブルが形成により水素同位体の拡散を阻害、あるいは、ヘリウムバブルの連結により水素同位体の脱離を促進することが示されてきた。しかし試料中の水素同位体分布については、まだ十分に明らかになってはいない。特に核融合デモ炉の設計・運用に寄与する、入射イオンエネルギー依存性に関する基礎データは未だ得られていない。そこで本研究ではイオンビーム加速器を用いて、ヘリウムバブルが形成した試料の水素同位体保持量の深さ分布について明らかにする。
核融合炉 · プラズマ対向壁 · タングステン · 水素同位体保持 · 核反応分析(NRA) · 反跳粒子検出分析(ERDA) · イオンビーム解析装置 · プラズマ対向壁材料
KAKEN 19K14692代表 小野寺 優太研究部
本研究の概要は、核融合炉用超伝導マグネットに用いられる高温超伝導(HTS)導体の設計技術を確立させるために、(1) HTS線材の通電特性を非破壊・非接触でかつ自動的に評価し解析可能なシステムを作製し、通電特性のデータベースを構築する。そして、(2) 積層させ捻りを加えた大電流HTS導体を設計・試作するとともに、磁化測定を用いた新たな導体評価技術を開発し、導体の通電特性および電流偏流の挙動を実験的に明らかにする研究である。
高温超伝導線材 · 高温超伝導導体 · 磁化計測 · 非破壊検査 · 磁化測定 · 欠陥検出手法
KAKEN 19K14691代表 伊藤 篤史研究部
プラズマと固体物質の相互作用においては,プラズマ粒子の入射頻度と固体物質側の現象の時間スケールの競争を真面目に論ずることが正しい理解の鍵となる.これはダイバーター材料上の繊維状ナノ構造(ファズ構造)成長の研究において独自のマルチハイブリッドシミュレーションを開発し、実現象と同等の時間スケールを模擬できるようになったことで得た科学的知見である.この知見と計算手法を,炉内不純物の再堆積現象や,化学スパッタリング現象,表面拡散効果の検証,中性子損傷・回復などへ適用するため、オンザフライ動的モンテカルロ法の開発など、マルチハイブリッドシミュレーションに更なる拡張を施す。
動的モンテカルロ法 · 分子動力学 · ハイブリッドシミュレーション · プラズマ-壁相互作用 · プラズマ-物質相互作用 · 動的モンテカルロ · プラズマー壁相互作用 · プラズマー物質相互作用
KAKEN 19H01882代表 能登 裕之ヘリカル研究部
低放射化フェライト(RAFM)鋼は、一般的な鉄鋼材料と比較し、伸びや高降伏強度という観点で難加工性が指摘されている。本研究では、その解決法策として変態超塑性を応用した革新的なRAFM鋼の加工法を提案した。特に、本課題では変態超塑性における熱サイクルが等方加圧による複合変形に与える影響について調査し、その結果より“熱サイクル速度”の重要性が示唆された。加えて、変態超塑性前後における強化粒子の分解挙動も調査された。これらの成果は、将来的に相変態材料を対象とした金属加工学および分散・析出強化という観点での金属組織学の発展に寄与できると期待される。
変態超塑性 · 低放射化フェライト鋼 · 金属加工 · 超塑性成形
KAKEN 18K03585代表 長坂 琢也研究部
核融合炉ブランケットは炉心プラズマに最も近い位置に設置されるため中性子による放射化が大きく、その重量も約1000トンと大きい。そのため低放射化材料が開発され、放射性廃棄物として処分するのではなく、使用後100年程度の冷却期間を経て再利用することが検討されてきた。これに対し申請者らは、バナジウム合金を用いこれを10年以下にすることを最終目標としている。そのために、候補合金の試作と各種特性評価を行って最適組成を見出すとともに、核融合炉で材料を循環・再利用するためのシナリオを示す。
核融合炉構造材料 · 不純物除去技術 · 界面分配・移行係数 · 高温強度 · 放射線耐性 · 資源循環 · 放射性廃棄物削減 · 安全性
KAKEN 20H00144代表 Park Minha金属材料研究所
核融合炉で非常に高い熱流束にさらされるプラズマ対向材料機器用の材料のWはダイバータなどの主要部の材料として現在最も有力は材料として注目されている。しかし、Wは体心立方金属であることから低温での低温脆性破壊や高温での再結晶脆化によって機械的特性が劣化するという課題がある。これを改善するために高温環境や照射環境下における動的再結晶挙動や変形メカニズムに関する体系的・定量的研究は依然として不足している。本研究では、Wおよびその合金を対象に、高温・照射環境下での動的再結晶挙動を解明し、微細組織と機械的特性の定量的相関を明らかにすることで、動的再結晶に基づく変形メカニズムを解明することを目的とする。
Tungsten · Fusion reactor material · Recrystallization · Mechanical property · Deformation mechanism
KAKEN 26K17117代表 波多野 雄治工学研究科
将来のエネルギー源として期待される核融合炉では、高融点金属であるタングステンで覆われた真空容器の内部で、水素の同位体である重水素と三重水素を反応させる。タングステンに三重水素の一部が入射すると、結晶中の格子欠陥に強く捕捉され、内部に滞留する。三重水素は希少な資源であり、かつ放射性同位体であるため、この滞留量を極力小さい値に保つ必要がある。そこで本研究では、中性子照射により格子欠陥を導入した試料を用い、捕捉されている三重水素を他の水素同位体と置換(同位体交換)することで脱離させることを試みる。小型プラズマ装置を用いた同位体交換実験と詳細な分析を通して、脱離速度を記述するモデルを構築する。
プラズマ壁相互作用 · 核融合炉材料 · タングステン · 照射損傷 · 水素同位体
KAKEN 26K00681代表 余 浩金属材料研究所
The purpose of the research is to create a novel short-time mechanical alloying (MA) technology for the mass-production of ODS-Cu alloys. The introduction methods of Y and O and the MA time on improving the performance of the ODS-Cu will be investigated. This study focused on solving the key problem that the Cu powders are difficult to be mechanical alloyed via traditional MA methods, which can facilitate the practical application of ODS-Cu alloys as heat sink materials of the divertors of future fusion reactors.
ODS-Cu · Mass-production
KAKEN 25K07258代表 伊藤 悟工学研究科
磁場閉じ込め核融合炉において制約のない磁場配位設計を可能とする三次元形状・配置の超伝導マグネットを実現する先進構想として、組立・分解を可能とする分割型高温超伝導マグネットを提案している。申請者らは当該構想のためにREBCO高温超伝導線材・導体をインジウムを用いて接合する技術を研究開発している。本研究は、1) 接合界面金属間化合物の形成制御法確立と、界面金属間化合物が接合の電気・機械特性へ与える長期影響評価、2) REBCO高温超伝導線材内部の層間抵抗の測定法高度化、層間抵抗発生因子の解明、およびその制御・修復法の確立、を通して当該接合技術の信頼性を高め、当該構想の実現に資するものである。
核融合マグネット · 分割型マグネット · 高温超伝導 · 接合 · 界面抵抗
KAKEN 25K00980代表 松本 あずさ工学研究科
核融合炉では水素の放射性同位体であるトリチウム(T)の漏洩防止が必要である.そのため,高温高圧配管からのT透過漏洩を抑制する技術,および炉心から取り出される使用済み材料中に溶解しているTを材料廃棄前に回収する技術を確立しなければならない.本研究では,この目的を軽水素(H)とTの同位体交換の制御により達成することを目指す.高温高圧水環境下でのT透過は,配管材料の酸化腐食によるHTガス発生や材料中に溶解しているHとHTO中のTの同位体交換を制御することで抑制する.炉心材料に関しては,機器が炉内に設置されている状態でHまたは重水素(D)プラズマに曝露し,同位体交換によりTを除去することを目指す.
核融合 · トリチウム · 同位体交換
KAKEN 24KJ1183代表 長谷川 晃金属材料研究所
発電を目指した核融合炉の建設には、炉の長期安定運転に不可欠なプラズマからの不純物排気装置であるダイバータ用に開発されたタングステン材料の発電炉レベルの温度や、はじき出し損傷を生ずる中性子照射環境下における耐照射性のデータが不可欠である。本研究では高速実験炉の常陽を使って、常陽ではこれまでに経験のない高い温度条件範囲で10dpa程度の重照射が安全に実施可能なキャプセル設計や製作を行う。26年度以降に計画されている常陽の再稼働時には、これまでの研究で開発されてきた耐照射性が期待される新しいタングステン合金の評価を、本研究で開発・製作した照射キャプセルで行えるように準備する。
核融合炉材料 · ダイバータ材料 · タングステン材料 · 中性子照射効果 · 高速炉照射
KAKEN 24K00608代表 笠田 竜太金属材料研究所
核融合炉に用いられるフェライト系鉄鋼材料の照射脆化耐性の向上のために、微量添加元素による析出物の強靭化という冶金学的方法論の妥当性と、析出物の強度・破壊靭性が鉄鋼材料全体の破壊靭性に及ぼす影響について、超微小試験技術を用いた析出物単体の力学特性評価と、破壊力学におけるローカルアプローチの観点から明らかにする。これまでに代表者らが超微小試験技術によって見出した鋼中炭化物単体の合金元素置換による強靭化現象を他の析出物に応用するとともに照射材に展開し、これまで未解明だった鉄鋼材料の照射脆化耐性発現機構を明らかにしようとする研究である。
低放射化フェライト鋼 · 照射硬化 · 照射脆化 · ラーベス相 · ローカルアプローチ · ナノインデンテーション · 破壊靭性 · 超微小試験技術
KAKEN 23K25849代表 波多野 雄治工学研究科
核融合炉の炉心を構成する材料(タングステン)は、水素のプラズマにさらされると同時に、核融合反応で発生する高エネルギー中性子の照射を受けます。中性子の照射を受けると、結晶格子中の本来原子があるべき位置に原子が存在しない「空孔」やその集合体等の「格子欠陥」が導入され、徐々に性能が劣化していく恐れがあります。また、プラズマからタングステン中に溶け込んだ水素は、これら照射欠陥と結合することがわかっています。本研究では、世界で初めて水素が存在する環境下で中性子照射したタングステン中の格子欠陥の密度や大きさ、および水素蓄積量を詳細に調べ、核融合炉環境下での照射欠陥と水素の挙動を明らかにします。
核融合炉 · プラズマ対向材料 · タングステン · 水素同位体 · 照射損傷
KAKEN 23K22471代表 Aparicio Luis工学研究科
代表 嶋田 雄介金属材料研究所
核融合炉ダイバータは耐照射性や除熱性といった機能性をもつ金属バルクをブレージング接合した構造体であるが、その界面は実機環境において高い照射および温度影響下にさらされることから、複雑な組織変化を起こすことが予想される。本研究では、将来的な材料組織学に基づいたダイバータの寿命予測への基礎とすべく、照射欠陥を導入したブレージング接合界面における熱的な組織変化の現象解明を試みる。最終的には界面における照射欠陥を伴う熱的組織変化のナノスケール追跡により異種金属接合材への照射効果を材料組織学的に追求・解明することを目的としている。
核融合材料 · 三次元組織 · 電子顕微鏡 · 界面 · 核融合炉材料 · マルチスケール組織 · その場観察 · その場加熱観察
KAKEN 20K03899代表 伊藤 悟工学研究科
核融合炉の巨大で複雑な超伝導マグネットの製作課題を解決する先進設計案として、組立・分解を可能とする分割型高温超伝導マグネットを提案している。本研究では、1) 強磁場・照射環境を踏まえた接合特性詳細分析、2) 強磁場用超伝導センサー製作とクエンチ検出特性影響因子の解明、3) 放射化計算に基づく分割型高温超伝導マグネット保全シナリオ検討、を通して、強磁場・照射特性を踏まえた分割型高温超伝導マグネットの建設・運用・保全シナリオの構築を行う。
核融合学 · 分割型高温超伝導マグネット · REBCO線材 · 接合抵抗 · クエンチ検出 · 照射特性 · 電磁・マグネット · 高温超伝導
KAKEN 20H01884代表 野上 修平工学研究科
結晶粒微細化W合金とWフォイルラミネートの利点を融合し、さらにCr添加により耐酸化性を付与した耐酸化性結晶粒微細化W合金ラミネートの開発を実施した。開発した結晶粒微細化W合金は耐酸化性を示したものの、Cr添加により硬さが高くなっていることから、延性を調整することができないことが明らかとなった。よって、Cr添加した場合に目標達成は困難であると判断した。一方、Crの低減や製造条件の調整により特性改善の見通しが得られたとともに、高硬度かつ低延性の材料を基材として延性を有するWラミネートが実現可能であることも明らかになったため、さらなる研究を実施することで、当初目的が達成可能性あるとの見通しを得た。
タングステン · 複合材料 · 延性 · 耐酸化性 · 再結晶
KAKEN 18H01196代表 増田 健太郎総合理工学府
DT核融合炉において、燃料であるトリチウム(T)の外部漏洩の抑制は安全性および燃料循環システムの成立に直結する重要な課題である。本研究では、プラズマ対向壁におけるT透過を能動的に抑制する機能を持つ微細構造を有するタングステン(W)被膜を高周波プラズマスパッタ法により作製し、その透過抑制性能をTを用いた透過試験や熱物性評価、水素吸蔵挙動の分析などを通して多面的に検証する。さらに、得られた抑制効果を核融合炉全体の燃料循環モデルに組み込み、初期T装荷量やT損失量などへの影響を数値解析によって評価する。透過抑制膜の局所的な材料特性にとどまらず、燃料循環システム全体への影響を定量的に示す。
代表 大宅 諒総合理工学研究院
本研究は、核融合原型炉のプラズマ対向壁に形成されたタングステン堆積層が、対向壁全体の水素同位体蓄積量に与える影響を明らかにすることを目的とする。そのために、(1)タングステン堆積層の炉内分布と堆積速度を予測し、(2)堆積層形成環境下での水素同位体蓄積量のデータベースを構築する。そして、(3)堆積層を含む原型炉対向壁全体の水素同位体蓄積量の評価を行う。これにより、中性子とヘリウム照射下での水素同位体蓄積量と比較して、堆積層の影響を明らかにする。さらに、堆積層形成やその水素同位体蓄積量の低減する手法を検討する。
損耗 · 炉内大域的輸送 · タングステン堆積層 · 水素同位体蓄積 · 水素同位体蓄積量
KAKEN 24K06995代表 松浦 秀明工学研究院
核融合炉では,主燃料のトリチウムを炉内で製造する.しかし,運転開始時に保有するトリチウムは他の方法での調達が必要である.エネルギーセキュリティーの観点からも自国での製造手段の検討は重要である. 我々は安全性の高い次世代原子炉として開発中の高温ガス炉を用いたトリチウム製造を検討している.高温ガス炉はリチウムとの相性がよく,炉心構造を大きく変えずに高い効率でトリチウムを製造できる.冷却材がヘリウムガスであるためロッドから流出したトリチウムは核融合ブランケットと同等の技術で回収できる.本研究では,これまで開発してきたリチウム装荷ロッドのトリチウムの閉じ込め性能を,中性子照射試験を実施して確認する.
トリチウム · リチウム装荷体 · 核融合原型炉 · 高温ガス炉 · ニッケル被覆ジルコニウム球 · ジルコニウム
KAKEN 24K00612代表 嶋田 雄介総合理工学研究院
核融合炉ダイバータは、過酷環境下において使用されることから諸特性に優れる金属材料の異種接合によって構成されている。一方で、異種金属界面は組織、特性において特異点となることから、本研究では、ダイバータ接合体組織設計指針提案のため、実用環境下における接合界面の組織定量追跡による新規評価技術の開発を行う。最終的には、材料組織学とデータ科学の融合により現象論から組織制御へと繋げ、プロセスへとフィードバックすることで、接合条件の最適化を行う。この成果は、核融合炉ダイバータにのみならず、照射環境下に置かれる多くの材料における材料開発の加速化を促進するものと考えられる。
核融合炉材料 · 電子顕微鏡 · 重イオン照射 · 核融合材料 · 材料組織 · その場観察
KAKEN 23K25850代表 大宅 諒総合理工学研究院
本研究は、燃料循環システムの要素機器として、プラズマを用いたトリチウム化水素化合物ガス(炭化水素, 水蒸気, アンモニア)の分解によるトリチウム抽出法の有効性を明らかにすることを目的とする。そのために、(1)最適な分解効率を与えるプラズマ条件の選定と、(2)副生成物の堆積を低減するための手法の検討を行い、高効率化と長時間維持を図る。さらに、(3)核融合実験装置からの真空排気ガスを想定した実証実験を行う。
水素化合物ガス · プラズマ分解 · 燃料循環システム · プラズマ分解法 · トリチウム抽出
KAKEN 21K13899代表 松浦 秀明工学研究院
初代核融合炉では 重水素-トリチウム(DT)反応の利用が想定されている.重水素は,自然界に一定の割合で存在するが,トリチウムは放射性核種(半減期約12年)であり,自然界に充分な利用可能量は存在しない.核融合炉で使用するトリチウムは,ブランケットにおいて自前で製造するのが基本的な考え方であるが,原型炉の起動時や事前の炉工学試験には一定のトリチウムが必要である. 本研究では,高温ガス炉を用いたトリチウム製造法の開発に取り組んでいる.これまでの検討を基に,高温工学試験研究炉(HTTR)での照射試験の実施を計画している.本研究では,安全性を確保し,効率的にデータを取得するための試験体の製作に取り組む.
トリチウム · 核融合炉燃料 · リチウム · ジルコニウム · 核融合原型炉 · 高温ガス炉 · リチウム装荷用ロッド · リチウム化合物
KAKEN 21H01065代表 花田 和明応用力学研究所
これまでの核融合炉研究では炭素壁とプラズマ性能との高い親和性は認知されつつも、放射化の制限から金属壁への変更が進められてきた.これまでの実験結果から金属プラズマ対向壁では再堆積層と母材間に水素バリアが存在することが発見され、金属表面を能動的に制御することで炭素の特性を活かしつつ放射化を制限する可能性が見出された. 本研究では、プラズマに炭素を添加“炭素ドープ”することで対向壁全体に炭素再堆積層を能動的に形成しつつ、炭素の付着確率の高い150℃以下の低温壁で炭素を回収する“炭素ポンプ”を設置して、滞留する炭素量を制限し、水素同位体の吸蔵量を一定値以下に抑えるシステムを構築する.
炭素ポンプ · プラズマ壁相互作用 · 水素循環 · 燃料粒子バランス · 堆積層 · 燃料粒子循環 · 核融合炉 · 第一原理計算
KAKEN 21H04456代表 大澤 一人応用力学研究所
タングステンは将来実用化が期待されている核融合炉内で使用される構造材料である。そして、燃料として使用される三重水素は放射性同位元素で、そのタングステン材料中での残留が心配されている。タングステン中の空孔や空孔集合体は水素同位元素の主要な捕獲サイトである。そこで、空孔クラスターの安定構造や成長過程を計算機シミュレーションを使って研究した。その結果、タングステン中の空孔クラスターの安定化には不純物が貢献していることがわかった。特に酸素の役割が重要と考えられる。
核融合材料 · タングステン · 空孔 · 第一原理計算 · 不純物 · 水素 · ヘリウム · 鉄
KAKEN 17K06993代表 阿部 弘亨工学系研究科(工学部)
原子炉及び核融合炉で使用される耐放射線性の高い材料の開発を行う。酸化物分散強化鋼はその中でも最も過酷環境への適用を期待できる材料であり、高温、中性子照射及び腐食環境において、十分なパフォーマンスが期待される。本研究ではこの視点で材料の開発を行う。具体的には、高い強度と延性を備えた耐放射線性酸化物分散強化超合金を設計製造し、微細組織を制御し、高温照射、高温腐食実験を行い、材料の劣化機構を微細構造観察とナノ硬度測定等から解明する。
代表 梶田 信新領域創成科学研究科
ヘリウムプラズマとタングステンを含む金属の相互作用(ヘリウム照射効果)により,来金属粒子とプラズマからの粒子が共堆積する環境下で,繊維状ナノ構造の桁違いの加速成長が起こることが明らかにされてきた。本研究では,これまでのヘリウム照射効果を根本的に変える可能性がある共堆積環境でのヘリウム照射効果に着目し,mmスケールのナノ構造成長の起こる条件と加速成長のメカニズムの解明と,核融合への影響や産業応用への分野への波及を視野に入れ加速成長を自由に制御することを目指し,直線型プラズマ装置を用いた実験を中心に研究を進める。
プラズマ · ヘリウム · ファズ · 共堆積 · ナノ構造 · ヘリウムプラズマ · 堆積 · タングステン
KAKEN 19H01874代表 井 通暁新領域創成科学研究科
代表 梶田 信新領域創成科学研究科
ヘリウムは化学的に不活性であるが,プラズマ状態では金属との複雑な原子レベルでの物理的相互作用を起こし,金属表面に繊維状ナノ構造(綿毛,ファズ)を形成する。しかし,その生成機構は解明されていない。本研究では,金属―ヘリウムプラズマ相互作用の物理に着目し,実時間のin situ計測を組み入れかつ制御された環境での実験とシミュレーションにより,金属―ヘリウム相互作用の根本的な理解を目指す。構築された物理モデルとデータベースを利用し,ヘリウム照射損傷が核融合炉材料に及ぼす影響を予測・議論するとともに,この効果を利用して高い効率や活性を持つ光学素子や(光)電極材料等の新しい物質創成手法の確立を行う。
ヘリウムプラズマ · ナノ綿毛 · 核融合 · ダイバータ · タングステン
KAKEN 25H00615代表 梶田 信新領域創成科学研究科
直線型装置MAGNUM-PSIを利用してタングステンへのヘリウム照射を行い,同時にタングステンを堆積させる実験を実施した。銅やモリブデンの堆積が多い場合にはファズの成長が抑制される一方で,サンプルの近くにタングステンのスパッタリング源を置いた場合には7μmという厚いファズ層が形成され,タングステンの堆積により,ファズの成長速度が著しく促進されたことが示唆された。加えて,Magnum-PSIにおけるレーザートムソン散乱からのneやTeとOESデータとの関係をニューラルネットワークを用いてモデル化し,温度・密度計測の誤差を評価したところ10%程度の誤差で計測できることが明らかになった。
プラズマ · ヘリウム · ファズ · 光電気化学 · ニューラルネットワーク · 分光 · 機械学習 · 分光計測
KAKEN 17KK0132代表 日渡 良爾六ヶ所フュージョンエネルギー研究所 核融合炉システム研究開発部
本研究では,初装荷Tを最小化するFPP起動法の基盤を構築する.すでに「初装荷T無しFPP起 動法」が提案されているが,従来の解析手法「平均滞留法」に不確実性が存在するため,その実現 性に疑問が持たれている.そこで新たに「物理ベース燃料システム統合コード」を開発し.物理 的精度を高めることで,初装荷T最小化FPP起動法の基盤構築を目指す. この成果により,限られたT民間備蓄量で,出来るだけ多くのFPPが起動できることになり,核融 合エネルギーの普及速度が高まり,気候変動抑制に貢献する。
フュージョンエネルギー · 初装荷トリチウム · 燃料システム · 燃料プラント解析コード · 民間トリチウム備蓄量
KAKEN 25K07268代表 諏訪 友音那珂フュージョン科学技術研究所 ITERプロジェクト部
核融合炉の実現には超伝導マグネットの強磁場化が不可欠であることから、Nb3Sn超伝導素線を使用した核融合炉用導体の研究開発が世界中で進められている。核融合炉運転中の電磁力サイクルによる導体の劣化は、短ツイストピッチ導体を開発し、高強度化することで解決できた。しかし、そのメカニズムは未解明であり、核融合炉用超伝導導体の開発において問題となっている。本研究では、運転温度と同じ極低温における中性子回折により、導体内部のNb3Sn素線のひずみを評価する。これにより、短ツイストピッチによる劣化抑制のメカニズムを明らかにする。本研究は、電磁力に強い超伝導導体の研究開発を進め、核融合炉の早期実現に資する。
超伝導導体 · 核融合 · Nb3Sn · ひずみ
KAKEN 25K00018代表 金 宰煥六ヶ所フュージョンエネルギー研究所 ブランケット研究開発部
核融合原型炉では、大量の増殖機能材料が使用されるが、殆どの資源を輸入に頼っている 日本では、増殖機能材料の資源循環技術開発は核融合炉実現に向けて不可欠である。代表者より、経済性と安全性を飛躍的に向上させた化学処理とマイクロ波加熱の複合化処理を応用し、増殖機能材料のリサイクル技術開発に成功した。しかし、ベリリウムの場合、全溶解が出来たものの、一連の金属ベリリウム回収技術ではない。また、運転期間中の燃焼度により、6リチウム濃縮度が低下するため、より高濃縮度原料を足す必要がある。 本課題では金属ベリリウム回収のための資源循環技術開発及びマイクロ波加熱技術を活用した6リチウムの濃縮技術を創成する。
核融合原型炉 · 中性子増倍材 · マイクロ波加熱 · 6Li分離 · 吸着剤 · 核融合炉 · 増殖機能材料 · ベリライド
KAKEN 24K00618代表 金 宰煥六ヶ所研究所 ブランケット研究開発部
本研究では、量研機構で新たに開発した、化学処理とマイクロ波加熱の複合化処理を用いた新たなリサイクル技術は、経済性と安全性を飛躍的に向上させた金属精製技術であり、当該技術を核融合原型炉からの有用金属リサイクル技術へと発展応用させることにより、資源の有効活用、そして、核融合原型炉の維持費低減を図ることが可能となる。また、同時に放射化物の分離除去を行うことにより、放射性廃棄物低減にも貢献することができる。このように本研究では、安全且つクリーンなエネルギー源としての核融合炉の早期実現に向けた一連のリサイクル技術の創成を目指す。
増殖機能材料 · 核融合炉 · リサイクル · マイクロ波加熱 · チタン酸リチウム · ベリライド · 回収 · 表面化学反応
KAKEN 21H01071代表 染谷 洋二六ヶ所研究所 核融合炉システム研究開発部
原型炉から発生する放射化物の中で、定期保守時に交換される炉内機器は放射能レベルも高く、発生量も多いことから減容化対策は必要不可欠である。本研究では、それら使用済み機器の再利用及びリサイクル効果を分析し、ワンススルーで処分する場合と比べて6割程度まで削減できることが分かった。さらに最大放射能濃度であるブランケット第一壁でも100年間保管後に遠隔機器によるリサイクルが可能になり、発生する放射化物を大幅に低減できることを示した。また、放射化物に吸蔵されたトリチウムは、残留熱に留意し、機器温度を管理することで不用意な拡散を防ぎ、建屋から発生するトリチウムに暴露された廃棄物を低減できる見通しを得た。
核融合炉 · 原型炉 · 放射性廃棄物 · 減容化 · リサイクル · 核融合原型炉 · 廃棄物管理 · 再利用
KAKEN 18K03595代表 檜木 達也工学研究科
タングステン(W)材料は核融合炉におけるダイバータ等への適用で期待されているが、中性子照射環境下や1000℃程度の再結晶温度以上では靱性は低下してしまう。本研究では、Wに対して炭化珪素繊維やW繊維での強化という、セラミックス複合材料の破壊力学を取り入れた全く新しい手法により、中性子照射環境下、また再結晶温度を超えるような温度域においても優れた破壊靭性と除熱性を得られる革新的な材料の開発を目指す。
タングステン · 炭化珪素繊維 · 織布 · 複合材料 · ダイバータ · 炭化珪素 · 熱伝導
KAKEN 23K20837代表 薮内 敦複合原子力科学研究所
タングステンは空孔形成エネルギーが大きいため、水素原子と空孔の相互作用を考慮しても水素の導入が空孔形成にはつながらないと考えられてきた。一方で、空孔と水素原子の配置のエントロピーまでを考慮に入れて空孔濃度を計算すると、タングステン中の水素濃度がある一定値を超えたときに室温でも空孔濃度が急増し始めるとの理論予測がある。本研究ではタングステン試料に水素を供給し続けた状態での陽電子消滅測定による空孔その場分析を行い、タングステンで理論予測されている水素誘起空孔について検証する。
原子空孔 · 水素チャージ · 陽電子消滅 · 陽電子寿命 · タングステン · 水素誘起空孔 · 電解水素チャージ
KAKEN 23K03359代表 向井 啓祐エネルギー理工学研究所
トリチウム増殖比が1を超えなければ核融合炉は成立しないが、炉以外の環境でTBRを評価する方法はこれまでにわかっていない。本研究では核融合炉以外の環境で燃料生産性能の評価手法の確立を目指す。核融合炉実機よりも格段に小さい模擬ブランケット体系で核融合炉と同様の白色(ミリ~メガ電子ボルト)の中性子スペクトルを発生させ、中性子束分布の計測と燃料生産性能の評価を行う。本研究は中性子のエネルギー成分に着目して核融合炉を模擬し、計算では知り得ない中性子の挙動を解明する。原型炉実証試験に先立ち、燃料生産に影響する因子の発見や重要な設計課題の抽出に繋がることが期待される。
核融合中性子 · 燃料生産性 · ブランケット · コーティング · 中性子発生 · オンライン計測 · 中性子輸送 · 核融合
KAKEN 20K14442代表 薮内 敦複合原子力科学研究所
タングステン結晶中の原子空孔(原子の抜けた孔)では、多くの研究において理論計算で予想されている陽電子寿命値に比べ20-30 ps程度短い実験値が報告されている。これは実験で観察している原子空孔には不純物ガス元素が結合していることを示唆している。本研究では陽電子捕獲サイトの空隙サイズを反映する陽電子寿命法に加え、陽電子捕獲サイト周囲の元素の違いを反映する消滅ガンマ線ドップラー広がり法を用いる。ドップラー広がりスペクトルの実験値と計算値を比較することで欠陥構造を同定し、タングステン結晶中の原子空孔で見られる陽電子寿命の実験値と計算値とのズレの原因を明らかにする。
陽電子寿命 · 消滅ガンマ線ドップラー広がり · 電子運動量分布 · 第一原理計算 · 原子空孔 · 欠陥複合体 · 陽電子消滅 · 電子運動量
KAKEN 20K03902代表 徐 ぎゅう複合原子力科学研究所
タングステンは融点が高い、スパッタ率が低い、水素蓄積が少ない利点があるため、プラ ズマ対向材として注目されている。一方、低温脆化、再結晶脆化及び照射脆化がタングステ ン合金使用の問題点となっている。これらの脆化に関する問題を解決するために、われわれ は液相ドーピング法を用いて、400℃以上の温度で10%以上の伸びを有するタングステン合 金の開発を成功した。本研究では、この合金における核融合プラズマの水素、ヘリウム粒子 の照射によりタングステン合金の照射特性を調べ、このタングステン合金における核融合プ ラズマによる損傷の素過程を解明する。
タングステン合金 · プラズマ · ヘリウム · 重水素 · 照射欠陥 · Y · Zr · 核融合炉
KAKEN 20K03900代表 近田 拓未理学部
核融合炉で特定の機能を発揮する機能材料は、高温、腐食性流体、水素同位体、プラズマ等の存在下で中性子とガンマ線に曝される。本研究は、核融合炉心近傍においてきわめて高い線量率であるにもかかわらず、中性子照射効果と比較してほとんど取り上げてこられなかったガンマ線照射効果について、その学理を実験とシミュレーションから解明するものである。具体的には、ガンマ線照射による促進が示唆されている材料からの水素同位体の脱離、および液体リチウム鉛存在下の腐食について、その機構の解明とともに、プラズマ対向材料からのトリチウム除染シナリオの算定や機能性被覆の長寿命化に取り組み、核融合炉の早期実現に貢献する。
ガンマ線 · 水素 · 滞留 · 腐食 · 被覆
KAKEN 26K00683代表 大矢 恭久理学部
核融合炉先進プラズマ対向材であるW(タングステン)合金と壁コンディショニング由来のボロン膜との相互作用およびこれらの核融合炉環境下における照射損傷が水素同位体移行(滞留・透過)挙動に与える影響を明らかにする。ボロン膜におけるボロン及び不純物酸素との相互作用とその照射効果、先進プラズマ対向材における微量添加元素との相互作用およびHe混合効果に注目し系統的に明らかにするとともに、実験とシミュレーションを統合することにより、核融合炉プラズマ対向壁における壁コンディションが水素同位体移行挙動に及ぼす影響を評価する。
ボロン膜 · タングステン · 水素挙動
KAKEN 26K00682代表 近田 拓未理学部
本研究は、核融合炉におけるトリチウム透過漏洩および腐食の低減を両立する機能性被覆開発において、これまで検討が決定的に不足していた劣化診断手法および修復技術に集中的に取り組むものである。機能性被覆開発は実用化のフェーズに入りつつあり、実際の核融合炉で利用されることを想定した保守点検技術の開発が急務である。核融合炉における機能性材料研究者がチームを組み、従来の手法に加えて電気的な応答や機械的な強度を検討することで被覆の特性を学術的に明らかにするとともに、再成膜および自己修復性の付与という独創的な修復技術の開発を通して機能性被覆の管理技術を構築し、核融合炉ブランケット材料開発を格段に進展させる。
トリチウム · 透過 · 被覆 · 劣化 · 診断 · 修復 · 腐食 · 照射
KAKEN 23K25852代表 大矢 恭久理学部
核融合炉プラズマ対向材料タングステンから真空容器を跨ぐ核融合炉システムにおいて、燃料となるトリチウムを含む水素同位体(H,D,T)の移行挙動に関連する物理定数(透過係数、溶解度等)を、水素同位体の存在比を考慮して明らかにするとともに、その水素同位体効果を解明する。 原型炉プラズマ対向材へはプラズマ側からTとDが入射するとともに冷却水から流入するHの移行も想定されるため、双方向の水素同位体移行挙動やその物理定数について水素同位体を考慮して明らかにする。これらを活用し、精度の高い水素同位体移行シミュレーションを構築し、種々の環境での水素同位体移行評価を行う。
プラズマ駆動透過 · 同位体効果 · 水素同位体移行 · プラズマ対向壁 · プラズマ対向材
KAKEN 20H01885代表 皇甫 度均数理物質系
核融合炉ダイバータ環境で生成されるタングステン(W)共堆積層の水素透過挙動を解明する。小型RFプラズマ装置APSEDASにおいてHe-W及びD-W共堆積層を作製し、重水素プラズマ駆動透過実験とガス駆動透過実験を実施し、共堆積層の有無が透過フラックスの増減に与える影響を評価する。表面再結合係数、内部拡散係数、捕捉サイト濃度を定量化し、共堆積層の透過特性を支配する因子を特定する。さらに、Nd:YAGパルスレーザーによる熱パルス印加で温度変調が透過挙動に及ぼす影響を調べる。水素輸送シミュレーションFESTIMとの比較により、共堆積層内の水素挙動を総合的に理解し、核融合炉の燃料吸蔵透過予測に貢献する。
タングステン · 共堆積 · 水素吸蔵透過
KAKEN 26K17118代表 坂本 瑞樹数理物質系
核融合原型炉のプラズマ対向材料候補であるタングステンとヘリウムとの相互作用により形成される表面ナノ構造が、水素同位体吸蔵特性や水素リサイクリングに及ぼす影響を明らかにすることを目的として、タングステンへのヘリウムプラズマ照射により表面ナノ構造を有する試料を作成し、特徴の異なる2種類のプラズマ生成装置を用いて、その表面ナノ構造試料への水素同位体プラズマ照射実験を行う。プラズマ照射中の分光測定や水素透過量測定及びプラズマ照射後の昇温脱離測定等を通して水素同位体吸蔵特性や水素リサイクリング特性を調べる。さらに、試料表面へのレーザー照射によるナノ構造溶融の影響も調べる。
重水素吸蔵特性 · タングステン · 表面ナノ構造 · 水素リサイクリング · 水素吸蔵特性 · 水素透過
KAKEN 23K20835代表 皇甫 度均数理物質系
ヘリウム(He)プラズマ-タングステン(W)相互作用により生成される金属ナノ繊維が集積したバンドル構造(NTBs)の生成過程の詳細を明らかにする.プラズマ照射初期時における表面変化の様子を共焦点レーザー顕微鏡と電子顕微鏡により観測し,基盤の結晶方位がスパッタリング,fuzz生成,微小突起の形成に及ぼす影響を明らかにする.また,同一試料におけるプラズマ照射・表面観察の交互実施により,初期の結晶方位や微小突起形成と後期NTBsの関係を明らかにする.さらに,スパッタリング率など外部条件と成長したNTBs形状との関係性を解明し,核融合研究の進展に貢献するNTBs形成機構の総合的理解に寄与する.
タングステン · ナノ構造バンドル · スパッタリング · 再堆積 · ヘリウムー不純物混合プラズマ · ダイバータ · ヘリウム不純物混合 · プラズマー壁相互作用
KAKEN 23K13083代表 北村 嘉規環境・社会理工学院
核融合炉のエネルギー回収を担う液体金属鉛リチウム(PbLi)ブランケットでは、LiPb流路内壁に形成する機能性被膜の損傷・剥離が重大な課題の一つである。機能性被膜は、①構造材料の腐食抑制、②トリチウムの透過漏洩抑制、③液体金属冷媒の電磁流体力学的(Magnetohydrodynamic: MHD)圧力損失を低減する役割をもつ。本研究では、機能性被膜として期待される酸化物分散強化(ODS)型FeCrAl合金上に形成するα-Al2O3被膜に注目した。酸化試験および被膜微細組織観察より予備酸化処理条件下の酸化挙動を明らかにし、マイクロスクラッチ試験、被膜垂直引張試験により被膜の密着性を解明する。
代表 近藤 正聡総合研究院
液体鉛リチウム(Pb-16Li)を用いた核融合原型炉先進ブランケットにおけるエネルギー変換と燃料増殖を検証する実験計画において、液体金属流体が磁場下を横切る際に誘起される電磁流体力学(MHD)圧力損失を抑制する技術の開発が重要な課題である。本研究では、FeCrAl合金が自己形成するAl2O3被膜のAl系酸化被膜の形成機構や密着性、高温時電気絶縁特性、自己保全性を明らかにし、3Tの超電導マグネットを備える核融合科学研究所のOroshhi-2ループを用いた磁場下熱流動実験を実施する事により、FeCrAl合金という革新的材料の応用による新しいMHD圧力損失の抑制メカニズムを構築する。
核融合炉 · 液体ブランケット · MHD · 圧力損失 · FeCrAl合金 · 絶縁被覆 · ワイヤー放電加工 · 液体金属
KAKEN 23K20836代表 近藤 正聡総合研究院
本研究の目的は、核融合炉環境化を想定し、高温の液体金属および固液金属界面において電子風により生じうるエレクトロマイグレーション(Electro Migration: EM)現象のダイナミクスを明らかにする事である。電流駆動型腐食試験装置を製作し、500℃以下の液体リチウム鉛合金や液体錫合金中における低放射化フェライト鋼やFeCrAl合金のEM現象を調べる。試験片と液体金属の界面に電流(0、0.1、1、10、100 A/cm2)を通過させながら250時間程度の腐食試験を実施する。電流(電子の移動)という物理化学的パラメータを取り入れた高温液体金属内の新しい腐食・原子輸送機構を明らかにする。
核融合炉 · 液体金属 · エレクトロマイグレーション · 腐食 · ダイバータ · 物質輸送 · 電子風 · 第一壁
KAKEN 23K17676代表 宮本 光貴学術研究院理工学系
燃焼プラズマを定常的に取り扱う核融合炉において,時々刻々と変化していくプラズマ対向材料の表面特性を実時間で正確に把握しておくことは,プラズマ制御と炉の安全性維持に関わる極めて重要な課題である. 本研究では,核融合炉定常運転環境を模擬した複合イオン照射下での材料の原子レベルでの損傷組織発達過程や材料表面の不純物堆積挙動を評価するとともに,これらの表面変質が材料のガス保持・放出特性に与える影響を定量的に把握することを目的としている. 材料表面特性のその場計測手法は,将来の定常核融合炉においても適用可能であり,核融合炉のプラズマ対向材料の診断手法としての応用も期待できる.
核融合プラズマ対向材料 · 表面変質 · 実時間その場測定 · 分光エリプソメトリー
KAKEN 23K25854代表 宮本 光貴学術研究院理工学系
核融合プラズマ対向材料中の水素同位体およびヘリウムの挙動の理解は,プラズマ制御と炉の安全性維持に関わる極めて重要な課題である.本研究は,高分解能質量分析計を導入したイオン照射装置直結透過型電子顕微鏡,およびモノクロメータ搭載低加速原子分解能分析電子顕微鏡の2種類の先進高機能電子顕微鏡を相補的に用いて,核融合プラズマ対向材料中の水素同位体・ヘリウム挙動を実時間で高精度にその場測定することを目的としている.
核融合プラズマ対向材料 · 水素 · ヘリウム · 高機能電子顕微鏡 · STEM-EELS
KAKEN 20K03904代表 宮本 光貴学術研究院理工学系
燃焼プラズマを定常的に取り扱う核融合炉において,プラズマ対向材料の表面特性を実時間で正確に把握しておくこと,さらに材料中に滞留する水素同位体およびヘリウムの挙動を本質的に理解しておくことが極めて重要である. 本研究は,これまでの照射後試料の間接的な評価とは異なり,材料のガス捕捉特性に影響の大きい表面特性変化を,プラズマ照射下その場計測により動的に把握するといった特色を有する.さらに,プラズマ照射後の試料分析においては,我が国の世界最高水準の分析機器を相補的に用いるてぴらずま対向材料中の水素同位体・ヘリウムの捕獲状態,存在位置を高精度に明らかにしようとするものである.
核融合プラズマ対向材料 · 水素 · ヘリウム · 微細組織 · ガス保持特性 · STEM-EELS
KAKEN 22KK0038代表 原 正憲学術研究部理学系
トリチウム(三重水素)は低エネルギーのβ線を放出する放射性核種である。核融合プラズマ研究において,重水素を用いたプラズマ実験においてもトリチウムは発生し、トリチウムによる装置の汚染が起こる。トリチウムにより汚染された材料の取扱と管理にはトリチウムの定量測定が欠かせない。一方で,炉内材料のもつトリチウム分布結果はプラズマと炉壁相互作用への知見をもたらす。しかし、現時点で固体中のトリチウムを非破壊に定量する方法はない。そこで,トリチウムからのβ線が物質と作用した際に発生するX線を測定し,測定されたスペクトルをモンテカルロシミュレーションで解析することで固体中のトリチウムを定量することを試みる。
トリチウム · ベータ線 · X線 · 分析 · 固体 · 材料 · 定量測定 · X線スペクトル
KAKEN 23K22470代表 田口 明学術研究部理学系
代表者はこれまで,8員環細孔を有するCHA型ゼオライトについて,H2とD2の脱着ガスの定量分析から同位体分離係数を評価した。その結果,CHA型ゼオライトが約200 Kにおいて高い分離係数を示すことを見出した。この研究過程において,新たに昇温吸着測定を考案し,いくつかの8員環ゼオライトの水素吸着特性を評価した所,ゼオライトの構造,対カチオン種によって,水素吸着の可否や吸着温度が異なることを見出した。本研究ではこの知見を発展し,昇温脱着測定,昇温吸着測定から低温領域(100~298 K)で動作可能な水素同位体分離材料の開発を目指すとともに,分離能の向上,分離メカニズムの解明を試みる。
ゼオライト · 水素同位体 · 同位体分離
KAKEN 23K25851代表 田口 明学術研究部理学系
水素同位体(軽水素,重水素,トリチウム)の分離は,核融合炉燃料サイクルにおける水素同位体の分離,精製の他,ほぼ全量を輸入している重水素の製造などへの応用が期待され,エネルギー,製薬,製造業への貢献が期待される重要かつ付加価値の高いプロセスである。代表者はこれまで,いくつかの8員環ゼオライトについて単成分H2,D2ガス,ならびにH2-D2混合ガスの吸脱着特性を評価した。その結果,CHA型ゼオライトがD2を選択的に吸脱着することを見出した。 本研究ではこの知見をさらに発展して,水素同位体を分離可能なCHA型ゼオライトの合成と分離特性の解明を試みる。また,膜化による分離材料への応用を試みる。
水素同位体 · 同位体分離 · ゼオライト · 吸着 · 水素 · 分離
KAKEN 19H01872代表 福本 直之工学研究科
本研究では,ダイバータ等のプラズマ対抗機器表面材料として液体金属のパルス熱負荷・除熱特性と流動的応答を明らかにするため,プラズマガンを用いたパルス熱負荷試験装置で,実験室レベルで液体金属へプラズマ照射を行う.これまでの液体金属の研究では,滞留型の液体金属壁での実験が行われているが,プラズマ閉じ込め装置の実機内で高熱負荷での詳細な基礎実験が難しく,特に非定常熱負荷のパルス熱負荷に対する特性・除熱特性や材料自体の流動的応答の詳細は分かっていない.さらに,最近注目されている自由表面流での液体金属の研究では未対応の課題が多い.そこで,これらを本研究により明らかにする.
液体金属 · プラズマ照射 · プラズマガン
KAKEN 25K07263代表 福本 直之工学研究科
核融合炉において燃料や灰の粒子排気やプラズマからの熱除去を担うダイバータでは,特に定常熱負荷,非定常熱負荷に対する機器の健全性などの課題がある.それらを解決するため,液体金属や粒径の小さいSiC球等を用いたダイバータが考案されている.本研究では,プラズマガンを用いて非定常熱負荷を模擬する試験装置を開発し,これら先進的ダイバータ材料の短パルス高熱負荷特性および動的な振る舞いを実験室レベルで明らかにすることを目的としている.
プラズマガン · ダイバータ · プラズマ照射 · 非定常熱負荷
KAKEN 22K03578代表 杉山 貴彦工学研究科
本研究の目的は,核融合ブランケット材である高濃縮リチウム6の生産に適した模擬流動層クロマトグラフィーシステムの開発である.これまでの研究で,環状化合物をコアシェル型担体に固定化した吸着剤を開発した.この成果により,模擬流動層クロマトグラフィー法の適用可能性が拓けた.模擬流動層は,単純な置換クロマトグラフィー法に比べて,カラムの有効利用性,スケールアップ性に優れている.本研究では,模擬流動層を同位体分離に適用する際に必要となる諸条件を,要素実験により評価して定め,同位体調整材料の大量製造方法として実践的でスケールアップ可能なシステムを開発する.
リチウム6 · 模擬流動層 · 同位体分離 · クロマトグラフィー · ブランケット
KAKEN 23K22472代表 ZHANG Rongshi工学研究科
ヘリウム(He)と微量の不純物を含むプラズマの照射によって、核融合炉ダイバータの構成材料であるタングステン(W)の表面にnano-tendril bundle (NTB) と呼ばれるバンドル状の金属ナノ構造が形成される。NTBが形成されると、ダイバータの損耗を増大させ、核融合反応の安定性に危害を及ぼす可能性がある。 本研究は不純物ガス添加したHeプラズマをW試料へ照射することにより、NTBを生成し、走査型電子顕微鏡、共焦点レーザー顕微鏡などを用いてNTBの構造を観察、分析する。加えて、NTBからの電界電子放出特性やアークによる質量損失を調査し、NTBの形成が核融合炉に与える影響を明らかにする。
タングステン · ヘリウム · Nano-tendril bundle · 核融合 · プラズマ材料相互作用 · Nano-tendril Bundle
KAKEN 22KJ1554代表 東郷 広一工学部
核融合炉のダイバータ候補材であるタングステン(W)は、照射欠陥発生に伴う脆性破壊が懸念されており、結晶方位(転位のすべり面)毎で脆化に繋がる硬化が異なる特徴を持つ。 本研究では照射欠陥発生に伴う結晶粒内・粒界部での脆性破壊(照射脆化)メカニズムを解明することを目的として、W中にキャビティ(照射欠陥)を生成するヘリウム(He)イオン照射を行う。その後、室温、高温下での透過型電子顕微鏡(TEM)内引張「その場」観察法、ナノインデンテーション硬さ試験、ビッカース硬さ試験により、温度の違いが転位挙動や障害物強度因子(硬化の度合い)へ与える影響、並びに結晶粒内・粒界の強度変化に与える影響を明らかにする。
タングステン · TEM内引張「その場」観察法 · キャビティ · 障害物強度因子 · 交差すべり · 照射硬化 · 温度依存性
KAKEN 23K03357代表 東郷 広一工学部
核融合炉のダイバータ候補材であるタングステン(W)は、照射欠陥発生に伴う粒界割れ(脆化)が懸念されている。Wは圧延面に特定の結晶方位の結晶粒が並び、結晶方位毎で脆化に繋がる硬化が異なる特徴を持つ。しかし照射欠陥発生に伴う硬化を、結晶粒内の結晶方位と結晶粒内・粒界両方の強度に関連付けた研究は行われていない。 本研究では脆性破壊メカニズムの解明を目的としてW中に転位ループを生成するヘリウム(He)イオン照射を行い、透過型電子顕微鏡(TEM)内引張「その場」観察法、ナノインデンテーション硬さ試験、ビッカース硬さ試験により、結晶方位、転位のすべり面が結晶粒内・粒界の強度変化に与える影響を明らかにする。
タングステン · TEM内引張「その場」観察法 · 障害物強度因子 · 転位のすべり面 · 照射硬化 · 結晶方位 · 温度依存性 · 照射欠陥
KAKEN 19K14684代表 宮澤 健高速炉・新型炉研究開発部門 大洗研究所 高速炉サイクル研究開発センター
本研究では、「照射誘起高靭性化が材料強化手法の観点から起こり得るのか?」そのメカニズムを明らかにすべく、材料照射炉を用いてタングステン(W)の固体核変換に寄与する熱中性子の遮蔽の有り、もしくは、無しのキャプセルにて中性子照射された純WとW合金における微細粒層状組織の熱的安定性、照射欠陥集合体と核変換生成物によるナノクラスター形成を評価することで、照射誘起高靭性化に関する材料強化メカニズムを明らかにすることを目的とする。
核融合ダイバータ · タングステン · 二元合金 · 照射損傷 · 微細組織 · 照射硬化量 · 高融点金属材料 · 照射誘起析出
KAKEN 21K03505代表 平野 耕一郎原子力科学研究部門 J-PARCセンター
国際熱核融合実験炉(ITER)のダイバータには、タングステンが使用される。負水素イオンビームエネルギー3 MeVの加速器を使用したタングステンの照射試験における温度変化は、ITERのELM崩壊と回復が繰り返されることによって生じる温度変化に似ている。そこで、大電流密度ビームの多重照射試験により、ITER用タングステンの熱疲労や水素脆化による影響を明らかにして、破壊現象を評価する。さらに、負水素イオンビームを照射しても割れない粘りのある高靭性タングステン材料を開発し、加速器のビームターゲットに利用する。
ビームターゲット · ビーム照射試験 · ダイバータ · タングステン · ビーム照射
KAKEN 21H01069代表 飯田 和昌生産工学部
本研究は,核融合炉に不可欠な超伝導磁石の信頼性向上を目的とし,高温超伝導材料REBCOが放射線で劣化する仕組みを解明するものです.特に結晶の境界(粒界)に着目し,構造の違いと損傷の関係を調べます.さらに中性子の代わりに扱いやすいヘリウムイオンを用いることで,安全かつ効率的な評価法を確立し,材料設計と核融合技術の発展に貢献します.
照射 · 銅酸化物超伝導体 · 粒界 · 核融合
KAKEN 26K00688代表 小黒 英俊工学部
ハイブリッド超伝導線材という、通電性能の高い低温超伝導体を磁気遮蔽効果の高い高温超伝導体で覆った線材を作製し、強磁場中において大電流通電可能であることの原理を解明する。そのため、強磁場中における通電試験、磁気遮蔽効果の実測、磁化測定による高温超伝導体の磁気遮蔽強度の評価などを行い、これらの結果をまとめて、磁気遮蔽によって超伝導体が感じる磁場を導出し、高い通電性能をもつ原理を説明する。
超伝導線材 · ハイブリッド · 強磁場 · 大電流通電 · 磁気遮蔽
KAKEN 25K07264代表 信太 祐二工学研究院
本研究の目的は,パルスレーザー照射を利用したタングステン表面へのレニウム添加により再結晶を抑制する新たな技術を確立することである。形成されたタングステン-レニウム合金層のミクロ構造と再結晶抑制効果の関係を系統的に評価することで目的の達成を目指す。具体的には、超短時間加熱で形成されたタングステン-レニウム合金層のミクロ構造とその再結晶抑制効果、および高粒子束プラズマ照射に対する再結晶抑制効果の耐久性について明らかにする。
タングステン · 再結晶脆化 · レーザードーピング · レニウム · 水素滞留挙動
KAKEN 25K07257代表 大塚 哲平理工学部
本研究では、高温高圧水中のトリチウムと金属との電気化学的相互作用に着目し、金属の腐食電流とトリチウム透過フラックスとの相関を実験的に調べることを目的としている。また、高温高圧水の温度・圧力の熱力学的パラメータと腐食電位または腐食電流の電気化学的パラメータを導入することにより、高温高圧トリチウム水中の金属のトリチウム透過を、数値モデル化し、シミュレーション可能なものに導くことを目標とする。
トリチウム · 鉄鋼材料 · 高温高圧水 · 腐食 · 透過
KAKEN 24K06998代表 上田 良夫
磁場閉じ込め核融合装置における周辺プラズマでの非定常現象(ELM(周辺局在モード)等)を念頭に置き、タングステン(W)壁材料への非定常プラズマ照射による水素同位体吸蔵について、はじめて系統的な研究を行う。パルス幅がミリ秒時間スケール(ELM相当)の密度変動繰り返し照射実験を、ECRプラズマ装置を用いて行う。純WとW-Re合金を試料とし、プラズマ中に含まれるうる不純物(ヘリウム、窒素、ネオン)の影響も調べる。本研究により、非定常プラズマ照射がW材料中の水素同位体吸蔵に及ぼす影響が明らかになり、核融合炉でのトリチウム吸蔵量についてより正確な見積もりが可能となる。
タングステン · 水素同位体吸蔵 · 非定常プラズマ
KAKEN 24K00611代表 山ノ井 航平レーザー科学研究所
将来の核融合発電炉において、燃料システムの設計は中核を成す課題である。核融合燃料のサイクル及び重水素(D)・トリチウム(T)の固化過程で同位体効果によってDTの分離が発生する可能性がある。屈折率はDとTの比に依存して変化することが知られている。そのため、将来の核融合炉においても、光学的に屈折率を測定することで、燃料中のDとTの比を簡易に検査することができる。本研究では実際にT2及びDTを18 K以下に冷却して固化し、i)DとTの比率を変化させた時の固体DTの屈折率、ii)固化によるDとTの非一様性の観測、iii)屈折率の波長と温度依存性を測定し、固体燃料ペレットの光学計測を可能とする。
トリチウム · 水素同位体 · 核融合燃料
KAKEN 23K22475代表 長尾 雅則総合研究部
核融合炉の実現には, 超伝導マグネットが必要であるが, 核融合反応において高速中性子が発生し, これが超伝導マグネットを劣化させてしまう. その中, ハイエントロピー合金と呼ばれる5種類以上の元素で構成された合金が中性子照射に耐性を有することがあきらかとなった. このコンセプトを液体窒素で冷却可能で運用コストが大幅に削減できるR-123超伝導体に導入し, その中性子照射耐性について調べる. そして, 核融合炉用の超伝導マグネットに用いることができる最適なR-123超伝導体の組成をあきらかにする.
混合エントロピー · ハイエントロピー合金 · 銅酸化物超伝導体 · 核融合炉用超伝導線材 · 中性子照射耐性 · 照射耐性 · ハイエントロピー化 · R-123銅酸化物超伝導体
KAKEN 23K03358代表 中村 誠創造工学科
核融合中性子源の実現は核融合炉材料の開発、ひいては核融合炉実現に必要不可欠である。最有力の核融合中性子源の方式は、重陽子ビームを高真空環境(0.001Pa)の自由表面液体リチウムターゲットに照射するものであるが、その流体挙動は未知である。 本研究の目的は、ビームオンターゲットの流体挙動を解き明かすことにある。 数値流体力学シミュレーションによりビームの運動量・エネルギー付与が自由表面の形状に及ぼす影響を解明する。本研究の成果は核融合中性子源のターゲット制御のための基盤知識となる。本研究の遂行により、核融合中性子源という核融合炉材料研究の新しい研究プラットフォームの創出に貢献する。
核融合中性子源 · 自由表面液体リチウム流 · 数値流体シミュレーション · 遠心力 · 液面形状 · 液体金属 · ターゲット · 自由表面
KAKEN 22K03579代表 内田 雄大電気電子システム工学科
エネルギー問題の解決・脱炭素社会の実現のため、核融合発電が注目されている。核融合装置の炉壁材料はさまざま放射線の入射により損傷する。本研究では、ブリスターと呼ばれる水ぶくれ状の表面剥離に着目し、その生成メカニズムについて調査する。加速器によりヘリウムイオンを材料へ照射し、ブリスターを生成する。照射後の試料について、顕微鏡や硬さ計によりブリスターの直径や亀裂の深さ、照射による硬さの変化を測定する。また計算により、材料内部を損傷させる過程を調べる。本研究成果は、将来の核融合炉壁材料の選定や炉壁の厚みなどの設計指針を推定するための重要な知見を提供する。
核融合発電 · ヘリウム照射 · プラズマ対向壁 · 電子顕微鏡 · ブリスター · タングステン
KAKEN 21K13900代表 佐藤 紘一理工学域工学系
核融合炉は、水素同位体のプラズマ状態(物質を例えば1億度以上の高温に維持すると得られる)を磁場で閉じ込めることで起きる核融合反応において発生するエネルギーを発電に利用する。その中にダイバータというプラズマ中の不純物の除去や熱負荷・粒子負荷の除去を行う部分がある。ダイバータにはタングステンという材料が用いられる。核融合炉の運転中、ダイバータ内には水素が発生・侵入する。一般に材料中に水素が存在すると水素脆化という劣化現象が起こる。タングステンの水素による強度特性の変化を調べ、タングステンダイバータが核融合炉運転中に水素によって劣化してもその形状を維持できることを示すことが本研究の目的である。
水素 · タングステン · 機械的特性 · 微小試験 · 粒子線照射
KAKEN 21H01068代表 山本 貴文ものづくり研究開発センター
本申請課題の目的は、核融合炉のプラズマ対向機器の材質として有望なタングステン(W)系材料を用いた金属3Dプリント技術の構築と、作製した材料のダイバータ環境での適用可能性を示すことである。3Dプリンタで作製したW系材料にて生じるクラックを抑制するため、固溶効果を利用した合金化強化手法の適用性について検討する。また、作製した材料の熱流体ダイバータへの適用可能性を、熱伝導特性とHe透過挙動の観点から明らかにする。
タングステン · Additive manufacturing · 3Dプリンティング · Re合金化 · 3D printing · レーザ積層造形 · Additive Manufacturing · tungsten
KAKEN 20K14451代表 廣岡 慶彦工学部
代表者等は、液体金属プラズマ対向機器(PFC)の研究を進めて来た。その結果、静止液体金属に比べて自然対流・強制流動させた場合、①プラズマから入射された粒子の輸送が促進されること;②熱輸送も促進されることが個別の実験から検証された。 <BR> 今回の申請研究では、以上2つの現象が同時に観測できるような実験セットアップを設計製作し実証実験を行い、将来の磁気核融合DEMO炉に於ける周辺熱・粒子制御用PFCの開発に資することを目的とするものである。
プラズマ対向機器 · ダイバーター · 液体金属 · 熱・粒子制御 · プラズマー材料相互作用 · 粒子制御 · 熱除去 · プラズマー壁相互作用
KAKEN 20K03906出典: KAKEN 科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)。 領域の振り分けは課題の概要をLLMに読ませて行っており、一つの課題は最も中心的な1領域にだけ 数えています。集計の考え方は 日本の核融合 を参照してください。
世界の論文で見た「材料と炉工学」の50年